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会計クンは鷹揚自若 53

53 泰明(TAIMEI)

 駿也の表情が明るくなってますます人目を引いているのに泰明はやきもきしてしまう。
 元々駿也はつんとしてたって高校入るまでずっと人気だった位なんだから、刺々しさが消えれば注目されるのは当たり前だ。
 2年でも最近駿也が可愛い、と密かに言われているのは泰明の耳にも入ってきた。
 それでも駿也がぱっとさらに表情を明るくするのが自分と会った時なのにほっとしてしまう。

 「五十嵐くん…お前の事が好きだって」
 「可愛いだろ?」
  七海が聞いて来たのに泰明は思わず顔がにやけてしまいそうになる。
 廊下で駿也が泰明の腕にぶら下がって好きだ発言に泰明は気を良くしていた。
 「………バカだ」
 「バカって事はないだろう」
 「まぁ…別に僕には関係ないからいいけど」
 七海が珍しく駿也を気にしていたのが分かって七海を見たら、これもまた珍しく仄かに七海が笑っていた。
 
 今日は生徒会の集まりもないので授業を終えてすぐに駿也のクラスに迎えに行く。
 「足は?」
 「うん。ほとんどいいかも。走るのとかはまだ怖い感じするけど」
 駅まで並んで歩きながら話をしているけど、駿也の顔が本当に明るくて、あんなにつんとした感じだったのはどこにいったのか?
 そこに泰明はちょっとだけ頭を抱えたくなってしまうが。
 本当は駿也にとってはいい事なのだろうが、でももう少し壁を作ってていいのに、と思ってしまう。
 壁を取っていいのは泰明だけでいいのに。

 「う~~~ん…」
 ちらっと駿也を見るとどうしたの?と言わんばかりに駿也が首を傾げる。
 「いや、なんでもない」
 「……俺、八月朔日と友達なんだって」
 駿也が小さく嬉しそうに言った。
 「三浦くんと柏木ももうそうなんじゃないのか?」
 「え!?…そう、な、の…?」
 「だと思うけど?」

 友達はソコまでにしといて欲しい、とまた小さい事を思ってしまう。
 やきもきが止まらなくなってきている。
 「泰明が…」
 「うん?」
 「泰明がこうしていてくれるから、だ…きっと」
 駿也が顔を照れくさそうにして俯けるのにムラっと欲情が湧いてくるのに頭を抱えたくなる。

 ダメだ、キスしたい。
 いや、いかんだろ、と泰明は自分を抑えようとする。
 駿也の顔をちらと見れば仄かに頬は上気してて唇も赤いのが目に入り、はぁ、と思わず溜息を吐き出した。
 どうにも止まらなくなっている。
 まさか自分がこんなに駿也に夢中になってダメになるとは思ってもいなかった。

 全幅の信頼を駿也は泰明に向けている。
 それを裏切っちゃいけない。
 いや、裏切る気はないけど、泰明が駿也を欲しい事ばかりとか、本当は友達とか作らなくていいとか考えていると知ったらさすがに引くだろう。

 自分だけでいい、とは駿也に言ってはいたけどまさか本当にそう思ってるとまでは思ってないだろう。
 そしていつでも、こうしてただ隣にいるだけでも駿也を掴まえておきたいなんて思っていないに違いない。
 このまま駿也の家まで行って部屋まで入ったらすぐに駿也を腕に抱いてしまいそうだ。
 ………こんなに辛抱ならないなどみっともない。
 今日は送って行くだけにしてこよう、と泰明は自分の狭量さ加減に自分で自身に辟易していた。
 
 駅で電車を待っていると駿也を押した奴らがいた。
 「駿也」
 「?」
 泰明はそっと守るように駿也の肩を抱えるようにした。
 駿也は誰がしたかなんて分かっていない。
 教えなくていい、と泰明は思っている。
 自分が常についていればいいんだ。
 自分がいられない時のその代わりに八月朔日と柏木は教えてあるが…。

 駿也を大事にしたいと思う。
 今までずっと一人だった、と心細げに告げる駿也にどれだけ泰明の心が持っていかれてるかなんて駿也は全然知らないだろう。

 泰明は駿也を突き飛ばした奴らに神経を向けた。
 まだ駿也を、と考えているのだろうか?
 柏木は大丈夫そうだ、と言っていたが…、注意を向け気をつけてみれば確かに駿也を見る目に変化があった。
 前は敵のような視線だったのに今は違う。
 ちらちらと駿也を気にしてはいるようだが…その意味合いはどうやら変わったらしい。

 ふっと奴等から視線を離し、駿也に戻せば見惚れるほどの綺麗な顔でうっすらと笑みを浮べている。
 これじゃ確かにもう手なんか出せないだろう。
 おまけに三浦くんとも仲良くなったみたいだし、変わった駿也に会長は次期の生徒会に入れるつもりらしいし。
 そうなるときっと家でも駿也はいくらか居づらいこともなくなるだろう。
 泰明は自分を見上げる駿也の頭をぐり、と撫でた。
 
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続きに拍手コメお返事です^^ 
 
rs様
 はじめまして^^いらっしゃいませ~♪
 駿也可愛いありがとうございます~^^
 泰明はきっと大変だろうと思われます~(笑)
 お気遣いとコメントありがとうございます~^^

KRB様
 泰明、童☆貞くんだと^^;
 きっと調べまくったと思います…(笑)
 我慢して頑張りました^^b
 コメントありがとうございます~^^

r-mm様
 ぐるぐるから解放でした~^^
 全然短くても嬉しいです~♪
 ありがとうございます~^^

CM様
 そうですね~!泰明がいてくれるから安心です(^m^)
 えちさくっと終わりました^^;
 エロパワーが千尋先輩に吸われたあとだったので^^;
 お外ではよかったです~(笑)
 ありがとうございます~^^

S様
 そりゃもう!できあがったら楽しいでしょう~(笑)
 そうですね^^;敦と同じかと(笑)
 ありがとうございます~^^

thz様
 ありがとうございます~^^
 可愛いですよね(^m^)
 お伝えしておきますね~^^
 

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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