「そうだよ?僕は尚だけのものだ」
え…?
遥冬が尚の頬を挟むと紅い舌を突き出し尚の唇を舐めた。
伏せた遥冬の目の睫毛が長い。
「遥冬っ」
遥冬の身体を抱き寄せ、力をこめ、そして朱い唇と舌を貪るように求めた。
「な、お……」
遥冬が尚の目を拭うように指で触れる。
「…そんなに…僕の事が好き、なんだ…?」
「ああ!…好きなんてもんじゃねぇ…全部…遥冬の頭の天辺から足の先まで全部俺のものだ」
今度は尚の一筋だけ溢した涙の痕を辿るように遥冬が舌で尚の頬を舐めた。
「いいよ?僕は尚のもの…いくらでも好きにしていいんだ」
遥冬を抱き上げ寝室に向かうその間もキスは交わしたままだ。
ベッドに遥冬を横にしてシャツのボタンに手をかけぷつりとひとつずつ外していくと遥冬の白い肌が露わになってくる。
「尚?」
「んん?」
「でも、面白くない…」
「何が?」
「だって尚は疑ったんだ?僕が誰か他の奴に抱かれると?」
「…………だって遥冬ってば俺の事追い返すし…俺いちゃダメ言うし…」
「うん。ダメだったから。…でももう来ない……かな?多分」
多分?
「……何の用事だったんだよ…?」
「それは後で。それより…尚」
遥冬が尚のベルトに手をかけて外していく。
「……ちょっと…感動した」
「ああ?何が?」
「……泣かれる位…好かれてるなんて…」
遥冬が仄かに顔を紅く染める。
「泣くくらいでお前を止められるならいくらでも泣く」
遥冬の白い首筋に色濃い痕をつける。
「ん、ぁ…尚、もっとだ…全部…舐めて…痕つけて…」
「どこに…?ここか?ここも?」
「んっ!」
鎖骨近くでもきゅっと吸い上げ、そしてさらに下へ辿り乳首を口に含んだ。
さらに片手でもう片方のつんと尖った乳首を捏ねるように刺激し、口に含んでいる方は舌で転がす。
その周囲には点々とあちこちに紅い花を咲かせていく。
遥冬が浅く息を繰り返す。
「遥冬…」
ベルトに手をかけ着ている物を剥いでいく。そして自分も…。
「…遥冬…もう先濡れてる…」
「んぅっ!」
遥冬の勃ち上がっているモノに手を添え、遥冬の腹や脇にも痕を残していく。どこもかしこも全部尚のものだ。
遥冬の足を持ち上げ、内側の太ももにも痕を残し、そのまま綺麗な脚を舐め、つま先までつっと舐め下ろす。
「あ、ぁ…や…め……」
足首にキスし、足の指まで舐めようとしたら遥冬が止めた。
「なんで?全部舐めて、って言っただろ?」
「言った…けど…んぁ…っ」
「遥冬の全ては俺のものでいいんだろ…?」
「いい…。尚だけだ…僕がこうしたいのも、してほしいのも」
「ああ…遥冬…分かっているんだ。分かっていても自分で自分を止められねぇんだ…」
「それは…いい……嫉妬は嬉しいと…初めて分かった…嫉妬はいいが…疑われるのは心外だ…」
「ああ…だって遥冬サンってばメール見て嬉しそうにしてるし…他人にそんな顔するの見た事ねぇもん」
拗ねたように尚が言うと遥冬がくすりと笑って尚を押しのけながら身体を起こし、そして尚の屹立に手を添え、口に含んだ。
尚のモノを口に咥えたまま上目遣いで尚の顔を見る。
舌で裏筋を舐め先をつつきそして口いっぱいに頬張る。
「ぅ……遥、冬…」
遥冬の紅い舌が尚の視覚を刺激する。
四つんばいになって尚のものをうまそうにしゃぶっている遥冬の身体に触れ、背筋を指で辿ると遥冬がびくびくと身体を揺らす。
これだけでも感じているんだ…。
背中のくぼみを辿りそして手を伸ばし、遥冬の後孔に指を挿し入れる。
「んんぅ」
びくんと遥冬が反応するのに気をよくしてさらに指を埋める。
「遥冬…お前が舐めるんじゃなくて俺が舐めるんだ…お前の全部…」
遥冬の顔を離させ、そしてうつ伏せに寝せ尚はその白い身体の上に被さった。
「背中も全部痕つけてやる」
遥冬の項を舐め、そして痕を残す。そのまま舌で背中を舐め下ろす。
足を割り尚の目の前に誰にも見せないであろう箇所を遥冬が晒している。
手で尻を割り、ひくひくを誘うように収縮するそこに舌を這わせた。
「ああぅ…」
「気持ちいいんだよな…?ひくひくしてほら…俺を誘ってる…俺だけ…?」
「な、お……だけ……」
「でもこんなにやらしく赤くなってひくひくしてるのに…?」
つぷりと指を差し込めば遥冬の中が絡みついてくる。
「ほら…遥冬の中は早く…って、欲しいって言ってる…」
「う、るさい…っ」
そんな事を言ったって身体は正直だ。期待に尻が震えているのに尚は舌と指で遥冬の中を味わうかのようにゆっくりとかき回した。
テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学