「ここ…遥冬サン好きでしょ?」
ぐっと指を奥まで挿し込み、ぐりっと引っかくように刺激を加えれば遥冬が白い尻を揺らした。
肌の触り心地も同じヤローとは思えない位にキメ細やかで穢されたことなどないように真っ白だ。いや、穢してるのは自分か…。
その遥冬の白い肌に点々と残る自分のものの証が尚を満足させる。
遥冬を蹂躙していいのは自分だけ。
こんなにどこもかしこも尚は遥冬だけを求めているんだ。
身体も心も時間も…。
そしてそれは遥冬も思ってくれているのだろうか…?
そうだといい…。
全部と、遥冬は言った。遥冬の全部は尚のものだけ、と…。
指を引き抜き、遥冬の身体をひっくり返し、遥冬が待っているだろう後孔に己を宛がった。
「な、お…きて」
遥冬が腕を伸ばし尚の首に腕を絡め、顔を顰めた。中に入る時はどうしても顔を歪ませる。それでもそのあとの快楽を遥冬の身体はちゃんと知っている。
「んんぁっ」
「…遥冬…力抜いて」
遥冬の耳元に囁き遥冬の耳朶を甘く噛めば遥冬の口からは甘い喘ぎが漏れる。
「遥冬の中ひくひくして絡んでくる…待ってたんだよな?」
「そう、だ……尚…帰ったと思って……」
「……来てもよかった?」
「…たりまえ…だ」
じゃあなんで帰ってなんて言ったのか。
それは後で問い詰めることにして今はとにかく遥冬を満足させないと本当に捨てられかねない。
「んぁあっ…」
ぐっと一気に遥冬の奥まで突き進むと遥冬が背を仰け反らせる。
白い喉に、そして身体に散らばる痕が艶めかしい。
「尚…」
遥冬の額に張りついた前髪を撫でてかき上げてやる。
そしてその額にもキス。
かっと照れたように遥冬が朱を仄かに顔に散らすのが可愛い。
自分からキスを仕かけたり誘って乗っかってきたりするのにこういう可愛い事に遥冬は照れを見せる。
「…ああ、くそ…ほんっと…可愛い…」
遥冬の瞼や鼻や頬にキスを落とせば擽ったそうに肩を竦めて耳まで赤く染めるんだ。
ほんとコイツエロいくせに初心なんだから性質が悪い。
…いや、そこがまたいいんだけど。
腰をゆっくり引いてそしてまた奥へと抽送を繰り返す。
「んはっ……な、お…キ、ス……」
ねだられれば勿論なんでも叶えてやるつもりだ。
唇を重ねて貪るように舌を絡める。
結合した部分からも口腔が重なる部分からもやらしい粘着質の音が聞こえてくる。
入り混じった唾液が溢れ、遥冬の口端を伝っていくのがまたエロい。
「遥冬…」
「んぅんっ……あ、ぁ……」
キスを交わしながらも腰の律動に合わせ遥冬が快感に声をあげる。
いつもよりも奥へと誘われているようで尚は浅めに緩く腰を穿つ。
そうじゃないとすぐに持っていかれそうだ…。
「あ、ぁ……なお…」
不満そうに遥冬が声をあげるのにくすと笑ってしまう。
「んん?」
「ちが…もっと…」
遥冬がもっと激しく、奥に、と腰をくねらせるのにわざと焦らせば尚の首に巻かれた遥冬の腕にぎゅっと力が入る。
「何?」
「わか…ってる…くせ、に…」
「わかんねぇよ?」
「う、そだ……ああぅ、んっ…」
ぐっと遥冬の感じる箇所を刺激すれば遥冬が白い喉を仰け反らせる。
腰を抱きしめ、その雪のように白い喉元にキスしながら律動を激しいものに変えていく。
遥冬の開放を訴える屹立に手を添え、刺激を加えながら遥冬の身体を揺さぶれば遥冬の顔が官能に歪む。
「イイ?…遥冬…?」
「い、い……尚…もっとっ…!」
遥冬の身体は官能に従順だ。そしてもっとと求められれば勿論それを叶えてやる。
汗ばみ重なる身体と、浅い息。
こんなに一人に夢中になるなんて思ってもなかった事だ。
「遥冬…好きだ…お前だけ…」
「僕、だって……尚だ、け……信用…されて、ない…ら、しい…けど…」
「そうじゃねぇよ?そうじゃねぇけど…仕方ないな…お前が綺麗すぎるのが悪い」
「んんあっ…ぁ」
「俺はいつでも気が気じゃない」
「尚以外…どうでもいい!…あ、ああっ!」
尚の下で遥冬が尚を睨むようにしているが、その上気した顔も炎を宿した潤んだ瞳も尚を煽るものでしかないんだ。
自分でも知らず涙流す位…情けない事だが、遥冬に夢中なんだ。
「んんぁ、あっ…や…イく……っ」
「ああ…お、れ…も…」
さらに追い込むように深く腰を遥冬の中に衝くと遥冬がびくびくと身体を震わせぎゅうっと熱くなっている中を締め付けながら白濁を放つと、尚もまた遥冬の最奥に飛沫を浴びせた。
テーマ : BL小説
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