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hit記念リク 大海×悠 1

<注意!!>
こちらは「太陽と月の欠片」に出てきた 大海×悠 の高校3年の時のインターハイの試合の話です^^;

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 インハイ決勝…。
 高校3年、高校最後の夏だ。

 会場にはこれから始まる試合に観客席も体育館も異様な熱気が籠もっていた。
 煌々と光る体育館のライトの下、緊張した面持ちで皆がベンチを囲んで円陣を組んだ。

 そのベンチにはジャージ姿の杉浦が座っている。
 ……もう杉浦がユニフォームを着ることはない。

 思い出されるのはたった一回だけの一緒に出た公式試合だ。
 高校生活の中で一番印象に残った試合は?と聞かれたら大海は迷いもせずにあの高校1年の時の地区大会での杉浦と一緒に出られた試合を挙げる。
 …たった一回だ。
 誰よりもセッターとしての才能とセンスを持ちながら…。

 「3年生はこれが本当に高校最後の試合。…そしてここまで来た」
 杉浦が3年の顔を一人ずつ確かめるように視線を向け、静かに口を開いた。 
 光と宙の双子アタッカーとセッターはかなり大きい戦力だった。それに吉村…。リベロが吉村じゃなかったらここまで勝ち上がる事も出来なかっただろう。

 1年の地区大会で好成績を修め、さらに新2年になる前には春高バレーに出場。2年でインターハイも出て、でもまだ全国大会を勝ち上がっていくレベルには遠かった。
 全国は広い。公立で監督もいないような学校で勝ち上がっていくなどありえない。

 そこを補ったのが杉浦だった。
 顧問の先生も協力。バレーを知らない先生だったけど、ヘタに知っているよりもよかったのかもしれない。
 杉浦はお兄さんのアドヴァイスうけたり、長い休みにはお兄さんがVリーグの選手連れてきてくれたり、と練習のアドヴァイスも全部とりいれ、そしてここまでのし上がってきた。
 プロのコネを使った所は、ちょっとズルな気もするけど…。でも自分達が頑張らなかったらここに立っている事はなかったはず。

 杉浦がずっとコーチ兼監督な感じだ。
 誰よりもセッターとしての才能がありながら、だ。
 部員の誰もそこは何も言えない。
 だからこそ自分達はここまで来られたんだ、とも思う。
 したくても出来ない杉浦がいたから…。

 杉浦が出られれば、という試合がいくつもあった。
 セッターである宙は人一倍杉浦にに対して思い入れがある。
 …セッターじゃなくても…だろうけど…。
 大海がヤキモキしたのは何度も。
 これまであった色々な事が脳裏に思い出される。

 ふと観客席を見れば大海が1年の時、2年の時の先輩達も応援に来てくれていた。
 高校生活のバレーの集大成がここに詰まっているんだ。
 春高の時はベスト4で今日闘う相手に負けていた。
 その春高バレーの覇者がここまで勝ちあがって、そして因縁の対決だ。

 「もう何も俺が言わなくたって分かってる…だろう?」
 くすりと長い髪と野暮ったい眼鏡の下で杉浦が笑った。
 その下に綺麗な顔が隠れているのはここにいる誰もが知っている。
 「全部を…!今までの培ってきた時間と、自分の持てるすべての物をここで出してきて。………見せて…ほしい」

 杉浦の言葉は誰もが重く感じる。
 一度だって杉浦は自分が試合に出たい、と言った事はなかった。
 でもそう思わないはずがないのは選手であるなら何も言わなくても誰でも分かる事だ。
 だからこそ自分達は無様に負けることだけは決して出来ないんだ。

 顔を合わせ皆で頷き、そして大海が口を開いた。
 大海の胸にはキャプテンを示すキャプテンマークが貼られている。
 「いいか、これを終えたらもう反省も何もない。3年生はここで終わりだ。高校生活の全てをここに詰め込むんだ」

 杉浦のためにも……。

 それは誰も言わないが皆の心の中に絶対ある思いだと思う。
 決して大海だけではないはず。

 「杉浦…今日は目の調子はいい?ちゃんと見えてる?」
 吉村が杉浦に確認している。
 リベロの吉村は一人ユニフォームの色が違う。皆は白。吉村だけが黒だった。
 「いつもよりもいい位だよ。ちゃんと見える…いや、見てるよ」
 うっすらと杉浦が笑う。
 「うし!ちゃんと見てろよ?旦那の事だけじゃなくてな!?」
 「いつもちゃんと試合を見ているつもりだけど?」

 もう皆が大海の事を旦那呼ばわりは1年の時からで、事あるごとに旦那扱い。
 ……別に間違っちゃない、とか密かに思うけど。
 試合前の緊張を解す吉村の言葉にどっと笑いが出た。

 ピー!っとホイッスルが鳴った。整列して試合の開始の合図だ。

 「永瀬っ!」
 杉浦が皆がコートに走っていく中、大海の腕を捕まえた。
 「………頑張って!」
 「………ああ」
 にっと杉浦を安心させるように笑いを浮かべそして大海もコートに並んだ。
 始まる。高校最後の夏の集大成が。
 コートに並びながらベンチに残っている杉浦と視線を絡め、そして試合開始のホイッスルが体育館中に鳴り響いた。
 
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続きにSS分拍手お返事です。
会計クン分はあとがきコメント欄に
書かせていただきました~^^; 

 
S様
 楽しんでいただけたみたいでよかったです~^^
 尚は攻めなのに何故か受け用仕様になってます^^;
 尚を残念扱いにするのは岳斗のお仕事なので(^m^)
 嫉妬して、ストーカーなって、泣いて、デレて、
 勝手に一人で盛り上がってた尚でした(笑)
 喜んでいただければ幸いです~^^
 ありがとうございます~^^

AHN様
 尚可愛いですか~?(笑)
 なんで攻めなのに可愛いか…
 やっぱ残念だから?^^;
 あろがとうございます~^^

KRB様
 クールビューティー!ですね~^^
 尚の残念感!でしょ?
 笑っていただけて嬉しいです(^m^)
 自分でもどうしても尚がこうなるのがおかしくてwwww
 かっこいいはずなのに、いつでもやはり尚は尚でした^^;
 ありがとうございます~^^

pkl様
 1000記事投稿なりました^^;
 でもお知らせ分とかも入ってるので文章のみではまだでしょうか?^^;
 そんなところまでチェックありがとうござます~^^
 私も自分でおお!1000超えた!とは思ってたのですが…
 ご指摘嬉しかったです/////
 ありがとうございます~~~m(__)m

nkmm様
 尚泣いちゃいました(笑)
 そうなんですっ!
 本当は最後に岳斗登場で
 「尚先輩泣いたの?ハズカシー!俺にも泣きついてきたしぃ!」
 …とか言わせて遥冬がビュー…って書こうかと思ったのですが、
 尚がカワイソすぎると思って!
 きっと皆様そう思ってるはず!と思い書くのやめました(笑)
 ご想像通りです(^m^)
 ありがとうございます~^^

MR様
 そうなんですよね~!
 泰明達があっさりだったから~^^;
 えち書かなくてもいいのですが、
 エロ3部作としてはやはり外せないかと思って(笑)
 そして悠ちゃんでした~^^
 エロないですけど(笑)
 この二人はエロくないので^^;
 爽やかスポコンでした^^
 ……BLなのに…(爆)
 ありがとうございます~^^


テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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