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書記クンは猫かぶり 28

28 蓮(REN)

 やばい…。
 授業中も蓮の頭には七海さんの姿が浮かんで蓮を誘惑してきた。
 キスとかそれ以上とか…。
 髪を触りたい、抱きしめたいで満足していた心がそれじゃ足りないと訴えてくる。
 キスしたい…。
 あの…七海さんの顔が近づいて触れたキスを思い出してしまう。
 さらに…肌に触れたい、とか…。
 脳の中で七海さんが溢れそうになってきてふるふると蓮は何回も頭を振った。頭を振ったら不埒な思いが零れていくのではないかと思いながらだ。勿論そんな事なんかあるはずないのは自分でも分かっているけど、自分でも止めようがない。

 昼休み。
 怖い顔した六平さんと面白くなさそうにむっとした顔の七海さんがクラスにやってきた。
 どうしたんだろう?
 昼を食い終えて五十嵐といたのだが二人の不機嫌そうな上級生の登場に五十嵐と顔を合わせた。
 「駿也、八月朔日、ちょっと生徒会室に来い」
 どうしたんだろう?と五十嵐と顔を合わせる。
 五十嵐は会長から時期生徒会の役員にと声がかかっているのでいいけど、蓮は何も関係ないのに。

 「七海さん?」
 廊下を歩く時に七海さんに話しかけたら七海さんはつんと蓮から顔を背けた。
 え…?何?なんで?
 朝まではちゃんと蓮のほうを見て話してたのに…?
 何かしたか…?
 …と言ったって朝から今の今まで会ってもなかったのに…???

 生徒会室に行くと生徒会室には誰もいない。
 会長からでも何か話があるのかと思ったらそうでもないらしい。
 「お前達いったいなんだ!?」
 五十嵐と並んで立たされて六平さんに睨まれた。
 「何?」

 頭を傾げてそして五十嵐と顔を合わせた。五十嵐もきょとんとしている。
 そして七海さんは顔を相変わらず蓮から背けていた。
 まるで以前に戻ったように頑なに蓮を見ない。
 やっぱりなんかしたのか?六平さんも怒ってるし。
 …でも何が?
 全然分からない。

 「泰明?何怒ってるの?」
 「当たり前だ!お前ら、顔近づけて赤くなりながらって何話してんだ!?」
 ん…?
 もしかして朝の事か?と五十嵐とまた顔を合わせた。
 すると五十嵐がはぁ~と溜息を吐き出した。
 「ほら!八月朔日がはっきりしないから!」
 俺のせいか?
 「泰明も!何言ってるの?」
 むっと六平さんが顔を顰める。

 「もう!めんどくさいな!八月朔日、インターハイ言ってないではっきりして!泰明!」
 五十嵐が六平さんの腕を掴んで生徒会室を出て行く。
 「八月朔日!…いいね!?」
 ドアを閉める間際に五十嵐がにっこりと笑った。五十嵐の顔は笑ってるけど間違いなく脅している。そしてバタン!と勢いよくドアを閉めて出て行った。
 「あの…七海さん…?」
 七海さんはまだ蓮の顔を見てくれない。
 そしてそのままくるりと蓮に背を向けて生徒会室から出て行こうとした。

 「七海さん!」
 ドアに手をかけた七海さんを蓮は慌てて後ろから抱きしめた。
 「何をする」
 「だって出て行こうとするから」
 「別に出ていったって八月朔日に関係ないだろう?」
 七海さんの声が冷たい。朝とは全然違うけど…。
 これって…。

 「七海さん…好きです…。七海さんだけです…」
 「………それも五十嵐くんが言えって言ったから言うのか?」
 「んなわけないでしょ!」
 「それに!インターハイ終わったらって言ってた!」
 「そうですけど…俺の気持ちは変わらないけど七海さんが…」
 「嘘だ」
 「うそ?どうして?」

 「………五十嵐くんの…頭…撫でてた…って…」
 「え?……そんな事したっけ?」
 ぎろっと七海さんが蓮を振り返ってきて睨んだ。
 「…五十嵐には大分前に七海さんが好きな事話してあっったんです」
 「…俺は聞いてない」
 「そうですけど。…ああ…五十嵐も可愛いな、とは思いましたよ?でも全然違うと再認識してたんです。今日はもうずっと朝から七海さんの事ばっかりで頭がいっぱいで…インターハイとかもう全然考えてなくて。ダメだろ、と自分でも思うけど…やっぱり七海さんで俺ん中いっぱいなんです…」
 おまけにエロいことまで想像してました。

 「七海さんにキスしたいな、とか、抱きしめたいな、触りたいなばっかり。…昨日の浴衣姿も思い出して…」
 また蓮を背に顔を背けた七海さんが耳まで赤くなっているのに気付いた。
 その赤くなった耳を思わず食んでしまう。
 「な!何する!!」
 「だって…可愛い…」
 「五十嵐くんも可愛いんだろッ」
 「あれは愛玩動物的可愛さ。七海さんには違います…滅茶苦茶にしてしまいたいほど可愛いです」

 やっぱり…七海さんのコレってやきもち?
 「七海さん」
 くるりと七海さんの身体を反転させ、正面からもう一度抱きしめた。
 「好きです…どうしようもない位に…」
 七海さんの耳元に囁いた。
 ただ五十嵐と話してるだけでやきもちなんて…五十嵐の言う不安だ、という事が本当なんだ。
 こんなに蓮の中で七海さんは特別なのに。

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続きに拍手コメお返事です^^
 
 
S様
 魔性ですか?(笑)
 魔性とわんこ…(^m^)
 なんかすごい組み合わせ^^;
 そしてもう1年なんですね~!早い…^^;
 去年の今頃は私は虹を書くのに入る所かな…^^;
 莉央の誕生日の11月18日(だっけ?忘れた 笑)は
 誕生日を言ってるその日にそのページを書いてたから~
 1年がものすごく早すぎる…(--;)
 どうぞこれからも、こちらこそよろしくお願いします^^/
 いつもありがとうございます~~(T-T)

nkmm様
 小悪魔!(笑)
 小悪魔虎!従順狼!…いいフレーズですね!(^m^)
 ありがとうございます~^^

mm3様
 はじめまして~!いらっしゃいませ~^^
 焦らされて…ますか…?^^;
 すみません~(笑)
 でも焦らされるのが嫌いな方いませんよね?(^m^)
 七海可愛くなってましたか~?嬉しいです////
 そして千尋×岳斗も!ありがとうございます~!
 うれしいです!
 密かにガッツリ楽しんでいただければ幸いです^^
 ありがとうございます~m(__)m

nck様
 素直に~!なんて会長は仰ってますけどね!(笑)
 ハイジャンプ…私もできまへん…(当たり前ですけど 笑)
 やはり空!ですよね^^後でそこ等辺出てきます~(^m^)
 そして勿論成就に決定しております(笑)
 ありがとうございます~^^
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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