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書記クンは猫かぶり 35

35 蓮(REN)

 「七海さん…」
 風呂を上がったばかりの七海さんが色っぽい。
 頬は上気してピンク色してるし唇もいつもよりも紅く感じる。
 キスしたいな…と毎日毎日思ってしちゃうけど。
 七海さんもそう思ってくれてるのかな?
 蓮が自然に顔を近づけると七海さんが目を閉じる。
 眼鏡にぶつからないようにと気をつけて軽く唇を合わせた。

 ちょっと離れてもう一回。
 何度も何度も触れたくて。
 肩に手を回したい。抱きしめたい。
 視線が七海さんの白い胸元を捕らえるとその肌に触れたくて。
 後ろには布団が敷かれてる。
 もう状況的にはハイ、ドウゾなんだけど…。
 好きも一応は…却下されてけど伝えてる。
 だからキスもさせてくれるんだろうけど…。
 まさか…。

 ぐだぐだと頭の中で考え、これ以上はマズイな、と七海さんから離れると七海さんが眼鏡を外した。
 「ど、ど…どうしました?」
 眼鏡の壁がなくなった七海さんはくすりと妖艶といっていいような笑みを浮かべた。
 そして蓮の肩に手をかけて押し倒してきた。
 「な、な、なな…海さ、ん…?」
 こくりと蓮は喉を鳴らした。
 「お前女としたことは?」
 「な、な、ない…です」
 「…男と…なんて秀邦でもないしないだろうな。…お前、知ってる?」
 さわりと七海さんの手が蓮の袂から入ってきて蓮の肌に触れた。

 「う…あっ!な、な、何を?」
 ざわりと肌が粟立つ。
 「男と…出来るの」
 知ってます!
 …とこくこくと何回も頭を縦にふった。
 「知ってるんだ?」
 「…はい、一応」
 「……………八月朔日…俺としたい…って思う……?」
 蓮の身体を押さえるように上に跨って七海さんが聞いてきたのに速攻で頷く。
 「したい!……です…」

 これって…していいの?
 そっと跨っている七海さんの腰に手を触れ、七海さんの身体を反転させ布団に横にした。
 「七海さん……いい…?……俺、ずっと…我慢してたんだけど……」
 七海さんの頬を撫で、髪を撫でる。
 眼鏡のない七海さんの顔は表情を直に見せてくれる。
 仄かに赤くなっているのは風呂上りってだけじゃないはず。
 七海さんを下にして枕に広がる黒い髪といつも顔を隠すような長めの前髪が上がってて七海さんの綺麗な顔を露わにしていた。

 「…いい」
 嘘!マジで!?
 「な、七海さんっ」
 がばっと思い切り抱きつきそして唇を重ねた。
 いつもは軽く合わせるだけだったキスだけど、七海さんの全部を貪っていいとお許しが出たんだからもう我慢する事ないよな?
 舌を絡めて七海さんの口腔を全部味わうようにしたを這わせる。
 「んっ…」

 七海さんが色っぽい声を上げたのが下半身に直撃でもうすっかり蓮のモノは勃ち上がっていた。
 勃つどころか溜まりに溜まってもうイきそうな感じだ。
 ……入れる前に暴発はかっこ悪い!!!
 我慢!……できるのか!?
 する、と七海さんの腕が蓮の首にかかって抱きついてきたのにももう熱が身体中をかけめぐっている。
 ヤラシイ舌の絡まる音も七海さんの浅い息遣いももうどれもが蓮をおかしくしてしまう。
 緩んだ袂から手を差し入れ、七海さんの肌に触るとびくんと七海さんが身体を反応させた。

 いいけど…あれ?
 さっき押し倒されたの俺だけど、俺がシていいの…?
 七海さんはヤメロ、とも言わないけど…。
 「七海さん…」
 貪っていた唇を離した。
 「俺…して…いいの?」
 「…いい、って言った」
 「うん…聞いたけど…」
 いいんだ…。
 七海さんの顔がさっきよりもさらに赤くなってる。

 「…七海さん……」
 好きだ、と気持ちがまた溢れてくる。
 「あの…俺…まだなんもしてないけど…もたないかも…です」
 「あ?」
 「だって…七海さん可愛いし…キスも肌も気持ちイイし…それだけでイきそ…」
 「ダメだ」
 「イっちゃったらごめんなさい…でもすぐ復活するから大丈夫」
 「すぐ、って…」
 「だって七海さんのエロい姿見たら萎える気しないです…」

 「……それも無理…痛くないようにしろ」
 「頑張りますけど…あの、俺…ゴム…持ってないです」
 なにしろここは七海さんちでゴムつけなかったら布団に証拠バレバレになる予感がする。
 「……冷静だな…」
 くっと七海さんが笑うと起き上がって箱を出してきた。
 「…………七海さん…大人……しかも減ってるし…」
 箱をあけた蓮はがくっとしてしまう。
 「…男はない」
 七海さんがそっぽを向いたのがまた可愛くて抱きしめた。
 
 

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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