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書記クンは猫かぶり 44

44 泉(IZUMI)

 「六平…悪かった」
 殊勝にして六平に謝った。
 「……うまくいったようだな」
 「ああ…俺がバカだったらしい」
 「だろうよ。……いいけどしてないだろうな?」
 「何を?」
 「コトを」
 コト?

 「生徒会室でえっちはマズイ」
 「するわけないだろ!」
 「あ、そう?ならいいけど。したの会長にバレたら怖そうだ」
 「だからしてない!」
 何を言い出すのかと思ったら!
 「……お前は学校でそんなした事あるのか?」
 「ないな」
 なら人にふるな!

 「八月朔日と五十嵐くんは俺と六平みたいなものだって」
 「あん?」
 「お前、俺とキスしたいとか思う?」
 「思うか!気色悪い!」
 まったくもって泉と同じ反応で六平が首を振った。
 「だろ?八月朔日も五十嵐くんにはキスしたいとか思わないって。裸見たってなんとも思わないって」

 「……駿也の裸を見た事あるのか?あいつは?」
 「…あのね…。体育の時とか着替えで普通でしょ。俺だってお前だって普通に着替えてるだろうが」
 「………今度から半そではシャツの下に着ていけと言っておこう」
 あ…やっぱりバカだ。

 「…そうだね……五十嵐くん最近可愛くなったしねぇ…八月朔日はなんとも思わないって言ってたけど、他の奴までは分からないから…なんていっても秀邦だし。五十嵐くんはそれでなくともずっと1コ下では有名だったしねぇ~…前はツンとした感じだったのがなくなってまた人気急上昇らしいし?」
 みるみる六平の顔が曇っていくのに清々する。
 その六平がじろりと泉を睨んだ。
 「ほんと嫌な野朗だな…なんで俺はこんな奴とずっと付き合ってんだろうか…」
 はぁと溜息を吐き出してた。

 
 電話…していいだろうか…?
 今日は生徒会の用事もなくて早くに帰ってきた。
 時間があったので手習いをして時間を潰し全部を終わらせると自分の部屋で『飛翔』を見ながら携帯を出した。
 もうすぐ夏休みに入る。そしてインターハイだ。
 今日の八月朔日はすごく調子がよかった。
 昼休みにちゃんと確かめ合ったから?

 …なんて自分のいい方に解釈してしまう。
 ちょっとだけ八月朔日の練習を見てあとは帰ってきたから確かめてはいないけど…。
 でもいつも八月朔日はマットに沈んだ後一番に顔を向けてくれる。
 自分を探してくれる。
 それが照れくさくて嬉しい。
 そんな事を考えていたら電話が震えた。

 「も、しもし」
 『七海さん?』
 「ああ…俺も…かけようか…と」
 『じゃあ丁度よかった?』
 くすと笑う八月朔日の顔が浮かんだ。
 『俺、今日調子よかったの分かりました?』
 「……分かった」
 『うん。七海さんとキスできたからかなぁ?』

 「………そんなので調子よくなれるならいつでも」
 『あ!じゃあお願い!インターハイの時もキス、ねだってもいいですか?跳ぶ前に…』
 「ああ……」
 『よし!』
 八月朔日の笑ってる顔が分かる。
 『……飛翔、ありますか?』
 「ある」

 『見たいなぁ~…。なんかやっぱり特別みたいです』
 「それは…嬉しい……ありがとう…八月朔日に…そう言ってもらえる日が来るなんて書いた時は思ってもいなかった…。八月朔日を見て無性に書きたくなって…自分でいままで書をこんなに書きたいと思ったこともなかったんだ…これが初めてで…だから俺にとってもこれは特別なんだ…」
 そう、八月朔日も特別で、『飛翔』も特別なんだ。

 『そうなんですか…へへ…なんか俺も照れくさいけど…七海さんにそういってもらえて嬉しいです』
 今度は照れた笑みを浮かべているだろう。
 「八月朔日、もう晩飯も食べたのか?」
 『終わってます。あとは寝るだけ。…もうすぐ夏休みですね。インターハイにその後のお泊り会。幼稚園児みたいな名称ですけど…楽しみです』
 「ああ…俺も楽しみにしている」
 『インターハイ終わったら………』
 八月朔日が言葉を切った。分かっている…。
 「うん……」

 ちゃんと今度は泉も言おう。変な意地もやめて。
 こんなにもう我慢しきれないほどになっているんだ。
 六平をバカだと思うけど、自分だって十分バカなんだ。
 『恋するバカ男ですって』
 「あ?聞いたのか?」
 『はい。会長に。バカ男ですけどすみません』
 「………皆同じだ」
 くすと笑ってしまう。

 『じゃ、もうそろそろ切りますね…あ~~~…言っていいかな?』
 「何を?」
 『おやすみなさい……泉さん』
 「……っ!お、やすみ……………蓮…」
 何を言うのかと思ったら!心臓に悪い!
 電話を切って泉は自分の頬を手で覆った。
 顔が熱い。
 
-----------------
続きに拍手コメお返事です^^

 
pkl様
 七海可愛いありがとうございます~^^
 六平ナイスでしょ?(笑)
 ちゅーで終わりでした^^
 ワンコなので待て出来ます(^m^)
 ありがとうございます~^^

msm様
 本当ですよね~!
 ちょっとでも離れるとなかなか伝わりませんよね!
 えろえろ溜め込むのよくないですね~(笑)
 ありがとうございます~^^

S様
 迷惑は7でしょうね~!(笑)
 8はあんまり働きませんね!Mでワンコなので!(^m^)
 一応蹴りは入れませんでしたよ?(笑)
 これでしばらくは大丈夫です^^
 そしてこれから何かある度にきっと6は蹴り入れられるのでしょう~^^
 ありがとうございます~^^

mm3様
 七海可愛いありがとうございます~^^
 6は不憫でしょ?(笑)
 あまあま可愛いコちゃんになってましたか?
 飾っといてください(笑)
 8はMでワンコで待てが得意でした^^b
 ありがとうございます~^^

kin様
 7に苛められてる6いいでしょ?(笑)
 密かに自分でも気に入っててつい多めに…(^m^)
 
 リアルとファンタジー、分かります!
 私はリアルはほとんど放棄してます^^;
 どうしても外せない事以外は
 PC上で生息してる状態ですよ(--;)
 本当はリアルはリアルで楽しいと思えればいいのでしょうけどねぇ…
 私は今は難しいですね^^;
 困ったものですよ~(><)
 kin様もそう思わずにリアを堪能できるといいのですけどね~^^;
 私のようになっちゃダメですよ~(><)
 
 ありがとうございます~^^

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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