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書記クンは猫かぶり 50

50 蓮(REN)

 会長の別荘って…別荘というか小さなホテルだ。
 「八月朔日、こっちだ」
 七海さんに呼ばれて落ち着かなくきょろきょろしながら蓮がついていく。
 一体何部屋あるんだ!?
 「一階に会長達、副会長達。二階に六平達と…」
 七海さんが言葉を一瞬止める。

 「…俺と一緒の部屋で…八月朔日はいい、のか?」
 「な、な、七海さんがよければ勿論っ!」
 思わず蓮の声は上擦ってしまう。
 う~わ~!やっぱ大会よりよっぽど緊張する!
 「向こう側のどっかの部屋に六平達がいる。俺ら…はこっち」
 階段を上って右を指差して説明した後に七海さんが左側に曲がる。

 「ここ、使わせてもらってた」
 「うわ!ほんとホテルみたいですね!」
 荷物をおいて蓮が部屋のあちこち覗いてみる。
 トイレ、バスまで完備だ。
 「八月朔日ー!荷物置いたら来て!」
 階下から柏木の声が聞こえてきた。
 
 下りて行けばこっちこっちと柏木に呼ばれる。連れて行かれたのはキッチンだった。
 「キッチン…というか厨房?」
 「そうなんだよ!いやびっくらこいた!本当はお前今日大会後だし休んでていいって言いたいとこなんだけど。まぁ~!ホントに役に立たない連中ばっかで!そんななら会長も誰か料理人頼んでくれりゃいいのに!」
 「……邪魔されたくもない…んじゃ?」
 「まぁな~!それも分かる。けど!ならちゃんと料理覚えるかせめて手伝い位出来るようになれ!ってんだ…んとに!」

 「…皆ホントに出来ないの…?」
 「できねぇ!会長と三浦と五十嵐は料理は出てくるもんだの域。六平さんと七海さんは興味なし。如はぶきっちょ」
 「ぶきっ…!?」
 あの副会長が!?
 「かわいいだろ?」
 ふふんと柏木が笑う。
 「そのくせ上目線な奴等で!食えなくないなとか!ざけんなって感じだ」

 「…それは…」
 思わず苦笑してしまう。
 「なんで!八月朔日、疲れてるとこわりぃけど」
 「いや、全然。大会の方が跳ぶ本数少ないし、練習の方がよっぽど疲れるから」
 「本当は八月朔日のおめでとう会なのにな!……ん~…八月朔日的には上狙いたかった?」
 「いや、そうでもない。表彰台より記録と自分の跳びが重視だったから。上はそのうちついてくるだろ」

 「……かっけぇなぁ」
 柏木って話しやすい奴だ。
 外見はハーフみたいで誰が見てもかっこいいという感じなのに、全然気さくな奴。
 「柏木もやる?身長あるし、それに体力測定で垂直飛び学年一位だっただろ?」
 「いやいい!あん時は特別。ゆきと約束してたから。普段はちゃらんぽらんなので出来ません」
 「そんな事ないと思うけど」
 頭もいいし、何でも出来る奴なのに勿体無い。
 
 柏木と一緒に8人分の夕食作り。
 普段は1人か2人分なのでこれもまた新鮮な感じだ。
 用意している間に代わる代わる覗きにくるのはやっぱり副会長と七海さんが多い。
 手伝おうか、と言った二人に柏木はやめとけ、と言ったけど、やらせてみたら本当に副会長はぶきっちょで、七海さんは手つきが怖すぎる。
 な?と柏木が同意を求めるのに大きく頷いてしまった。

 「残り4人も同じ感じ」
 「………それじゃ自分でやった方早いな」
 「だろ!?ああ!今日は楽だ~~~!八月朔日がいてよかった!」
 副会長がむっとした顔をしているのに思わず笑ってしまう。そして七海さんも。
 「副会長、俺達は邪魔だそうですから!あっち行ってましょう!」
 「そうだな!」
 二人が怒って行ってしまうけど、はっきり言ってその方が楽かも…。と柏木と顔を合わせてくすっと笑ってしまう。

 「あとでご機嫌取りしねぇとなぁ」
 それもまた楽しそうに言うんだから、やっぱり柏木も恋するバカ男だ。
 …自分もだけど。
 告白…。いつしたらいいかな?
 部屋に行ってから?それとも帰ってからの方がいいのだろうか…?
 でも一緒の部屋にいたらもうきっと我慢なんか出来ないと思う。

 それに…なんて言ったらいいんだ?
 そういや何を言おうかなんて考えてもいなかった!
 好き、はもう何回も言った事あるし…。
 聞かないことにしてと言ったって聞こえてないわけないし…。
 うわ、困ったな…。
 やばい!考えると緊張してくる。
 それに部屋にバスも完備って…。

 「あ、八月朔日。洗濯!シーツ汚しちゃったら洗濯だって」
 「は?」
 「昨日会長に言われた。責任持って洗濯するようにって。洗濯機あるからってさ。会長、料理はからきしなのに洗濯機は一応回せるらしい」
 シーツ汚したらって…っ!
 思わず柏木を凝視すると柏木がにやりと笑っていた。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^


 
 
SW様
 ありがとうございます~^^
 ほずみん後ろに一大イベント控えてるので(笑)
 大会の方が楽だったらしいです(^m^)
 スポーツモノはね~…
 力入っちゃいますね(笑)好きなので^^;
 私も背面跳びなんて怖くて出来なかったクチですけど^^;
 ありがとうございます~^^

msm様
 7の気持ちそのままです~(^m^)
 8は暢気ですね~(笑)
 8はかなり図太いですね…(^m^)
 ありがとうございます~^^

名無し様
 お褒めいただきありがとうございます~////
 スポーツは好きなのでつい!書きたくなります^^;
 背面跳びはした事ないですけど^^;
 そう言っていただけて嬉しいです^^
 ありがとうございます~^^

S様
 そうですよ~?敦はデキるのにしない子です(笑)
 でしょ!?周りが濃ゆすぎだよねwwww
 7は感涙でした~(^m^)
 そしてちんまいのがきゃっきゃきゃっきゃ(笑)
 幼稚園か小学校か…^^;
 7もスタート姿勢でgo待ってるの~?(大笑)
 ありがとうございます~^^

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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