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書記クンは猫かぶり 52

52 泉(IZUMI)

 「七海さん、名前で呼んで?」
 「蓮?」
 「うん……」
 嬉しそうに八月朔日が顔を緩ませた。
 「俺嬉しくて…七海さんに名前覚えてもらえてるのが」
 「………当たり前だろうが」
 「だって六平さんや会長たちは分かるけど…」

 「あ、六平の下の名前は覚えるまでに小学校の6年間かかったぞ?」
 「え!?………マジですか…?」
 「だって普段使わなくていいだろう?六平さえ覚えていれば。会長の名前はすぐに覚えた。あれは小学校1年にしてすでに普通と違う、と俺でも感じたんだろうな」
 うん、と頷くと八月朔日が笑っている。
 「ね、七海さん風呂一緒行きましょ?」

 「え!?いや、それ、は…」
 「だって怪我してる時も一緒だったじゃないですか」
 「それは、怪我してたから!頭洗うんだってなんだってひどいと思って」
 「うん!だから今度は俺がやったけますね!お礼に!」
 にこぉっと笑顔で言われるが遠慮したい。
 「俺、七海さんの髪好きなんです。触るの」
 ……そんな事言われたら断れないじゃないか!
 八月朔日の手が泉の髪を撫でた。

 「ふわふわで…話してもらえない頃からずっと触ってみたいなって思ってて…」
 またそういう事を…。
 「……ダメ?」
 「…じゃない」
 …って答えるしかないだろう。
 「…浴衣、持ってきた」
 「え?ホントですか?七海さんの浴衣姿もすごくいい。毎日もうどうしようって思ってましたもん」
 「どうしよう?」

 「そう!髪はしっとり濡れて首にかかって、胸元白いし…目のやり場に困ってました!」
 「…………なんとも思ってないのかと思ってた」
 「まさか!」
 さ、行きましょ、といそいそと八月朔日が泉の手を引っ張っていく。
 「七海さんちで最後の日、抜糸の日。一人で風呂が寂しいなぁって。七海さんちで親公認で風呂ってシチュねぇよな…とか思いながら」
 八月朔日の手がわしゃわしゃと泉の髪を洗っているのがくすぐったい。

 「八月朔日」
 「はい?あ、名前ですってば」
 「………蓮」
 「はい?」
 「……………いや、なんでもない」
 本当はあの時の八月朔日のジャンプの事を言おうかと思った。
 でもいい…。言わない。
 『飛翔』だって分かった八月朔日だ。きっと…。
 風呂で遊ぶように戯れて、キスして。

 立派なホテル並みの広い洗面所で濡れた身体を拭き、八月朔日の浴衣の紐を結んでやろうとしたら八月朔日がいいです、と断った。
 「なんで?」
 「だって…すぐ脱ぎたくなるのに……七海さん…いいですか?」
 八月朔日が背後から抱きしめ、泉の耳にキスしてそして聞いて来る。
 「………いい…」
 小さく泉は頷いた。しないつもりだったら襲ってやるところだ。

 「うん。あ、七海さんはちゃんと浴衣着てください」
 「なんで?」
 「だって!下着つけないで着るんでしょ?あれエロくて…」
 がつっと肘を八月朔日の腹に喰らわせた。
 「うっ…」
 軽くのつもりだったはずなのに八月朔日が腹を押さえて苦しがっているのに慌てた。
 「八月朔日っ!?」
 「嘘です」
 苦しがってた顔をやめてにっと笑うのに泉はかっとした。

 「おま…え!」
 慌てたのにっ!!
 「ははーん!六平さんの気持ちが分かった!」
 むっと泉が口をへの字に曲げると泉の顔を八月朔日が覗き込んできた。
 「…可愛い」
 そう言って軽くキスする。
 「あの…俺頑丈なんでいくらでも当たっていいですから」
 「ああ?」

 思わずやさぐれた声になる。
 「六平さんにじゃなくて俺にしてほしいなぁ…と」
 「なんで?六平にするからいいんだろ。あいつなんかどうでもいい」
 今度は八月朔日がむっとした顔をする。
 「だって…七海さん、六平さんには甘えてるって事でしょ?」
 「甘え…!?何がどうなってそう思うんだ!?」
 「ちょっと俺としては妬けちゃうな…って。…とは言っても六平さんと七海さんはもうずっとの付き合いで、俺なんかぽっと出ですけど」
 「付き合いの長さで言ったらそうだけど…」

 泉は浴衣をさっと身につけ八月朔日の首に腕を回した。
 「こんな事したいのはお前だけだ…」
 八月朔日の唇を啄ばんだ。
 「七海さん!」
 「……蓮…名前でと言ったのはお前だろ」
 「泉さん…泉…」
 ぞくりとして八月朔日の声にびくんと身体が揺れると八月朔日はそのまま泉を抱き上げ、そしてベッドに連れて行った。
 「七海さん……泉…って呼んでも?」
 「……いい」
 八月朔日が泉の顔中にキスしながら甘く囁いた。
 
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続きに拍手コメお返事です^^

 
 
 
S様
 会長サマは普通は素で洗濯なんぞいたしません(笑)
 お泊り会の時は誰も使用人入れなかったので
 仕方なくです~(大笑)
 二人らしい告白になってましたか~?
 どうしようかな~?とちょっと悩んだのですが^^;
 ありがとうございます~^^

kin様
 七海らしいありがとうございます~^^
 …よかった(^m^)
 七海の「俺」がね~(笑)
 「僕」って書きたくなってたのですけど^^;
 小さいところにもお気づきありがとうございます~^^
 遊びのところも…(^m^)
 笑っていただければ幸いです~^^
 どうしても笑いを入れたくなるんですよ^^;なぜか…(笑)
 ありがとうございます~^^

msm様
 可愛いありがとうございます~^^
 そしてはい、イチャコラでした~(^m^)
 どこの部屋もそりゃもう~ね(笑)
 SWのOBSNは私もなので~~~(大笑)
 …分かるかな^^;
 ありがとうございます~^^

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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