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書記クンは猫かぶり 53

53 蓮(REN)

 七海さんとのキスに夢中になりながら手を浴衣の袂から七海さんの肌に触れた。
 初めての時はもう余裕も何もなくて性急だった気がする。
 今日はゆっくりしないと、と思いながらもそんな余裕なんかない!とも思ってしまう。
 「あ!」
 蓮が思い切り声をあげるとびくっとして七海さんが驚いた。
 「なんだ?」
 「いえ…あの…柏木に注意受けたんですけど…」
 「注意?柏木に?」
 「あ、いえ、元は会長ですけど…」
 「何だ?」
 「………シーツ汚したら洗濯って」

 「……………」
 七海さんが黙ってしまう。
 「……で?やめるのか?」
 「いやです!……あ!」
 「一体なんだ?」
 少し怒ったように七海さんが苛立った声を出した。
 「ちょっと待ってくださいね!」
 七海さんの身体から下りて蓮は自分の荷物を漁る。

 「八月朔日?」
 何してるんだ?と七海さんの怪訝そうな声。
 「すみません!」
 「おまえ!それっ」
 蓮がバッグから取り出したものを見て七海さんが耳まで真っ赤にさせてる。
 「ネットで買っちゃった。だって七海さん痛そうだったし…いらなかった?」
 「……い、いや………その……する…気あった…んだ…?」

 「当然です。あ、シーツ洗濯係は俺するんで。七海さん…いい?」
 「…あんまり八月朔日は…する気…ないのかと…」
 「んなわけないです。言っちゃなんですけど七海さんの浴衣姿いっつも思い浮かべてた」
 蓮は七海さんの眼鏡を取ってベッド脇のチェストに置き、そして前髪をかき上げ額にキスした。
 「七海さん…好きです…。今日も俺ずっと七海さんばっか見てた。…嬉しくて」
 「……ん…」
 そのまま瞼、頬、耳とキスをずらしていく。
 するりともう一度袂から手を差し入れ、七海さんの肌に触れた。

 「ぁっ…」
 七海さんの胸の小さな粒を摘む。
 …感じるのかな?
 指でくりくりと軽く抓るとぷくりと立ち上がってくる。
 いいみたい…。
 七海さんの気持ちいいようにしたい。この間のは七海さんもイったけど、どうしたって独りよがりだった気がしてならない。

 身体中全部…。
 キスを首筋、鎖骨と辿っていく。
 そしてさっき立ち上がった胸の先端を口に含んだ。
 「んぁっ」
 七海さんが声をあげるのが嬉しくて。
 舌で転がし吸い上げるとやめろ、と七海さんが声を上げた。
 「え?…やだ…?よくない…?」
 「……違う」

 ふいと七海さんが顔を横に向けたけど眦を赤くして口元を手の甲で押さえている。
 やだ、じゃなくていい…?
 「七海さん…もっと声聞かせて?感じてるとこも見せて?……可愛い」
 七海さんの口元を押さえていた手を持って手にキスする。
 「全部…身体中全部にキスしていい?だめ?」
 「八月朔日はずるい」
 「ずるい?」
 「俺がダメだなんて言わないのに聞いてくる」

 「え?ダメって…ないの?ヤダとかあったら嫌われるの嫌なんで聞いてたんだけど…」
 「…そんなのない」
 …どんだけ喜ばせてくれるんだろうか?
 「…じゃ、俺、好きな様にしていい?」
 「いい」
 うわぁ、と蓮は腰紐を自分のと七海さんのとを解いた。
 七海さんのモノももう勃ちあがっている。これだけでも感じてくれたんだ。そっと手を這わせると舌で七海さんの先を舐めた。
 「あっ…ダメ…」
 「さっきダメはないって言った」
 「言ったけど…んんぁ…っ」

 七海さんのモノを口に含むと七海さんが腰を跳ね上げる。
 いい、みたいだ。
 はだけた浴衣と仄かに上気した肌と七海さんの声が扇情的に蓮を煽ってくる。
 今すぐにでももう入れたい…けど、ダメ。
 肌を触っていた手を撫ぜ、下肢に向かう。
 七海さんの欲望を訴え勃ち上がっているものを口と手でもさらに煽っていく。

 「あぁっ!」
 ぴくっと七海さんの身体が反応するのにさらに熱が籠もってくる。
 「八月朔日っ」
 また苗字になってる。
 「七海さん……名前…」
 「…蓮っ」
 七海さんが手を伸ばして蓮の身体に触れた。

 「…お前の…よこせ」
 顔が真っ赤になってるのにこの口調。
 「…俺の…舐めてくれるの…?」
 「いちいち確認するなっ!」
 …可愛いなぁと思いながら身体を横にずらせば七海さんが顔を横に向けて蓮のもうはちきれそうになっているモノを口に含んだ。
 「う、わ!…ヤバイですっ」
 あまりの快感に腰を逃がそうとしたら七海さんが離してくれない。
 だって七海さんがしゃぶって…なんて…エロすぎる!
 
 
  

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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