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番外編 夏休みお泊り会編 3

夏休みお泊り会編 3 泰明(TAIMEI)

 くじ引きで一番目に出発は駿也と泰明になった。
 電気はもう消されてここの広いホールのような部屋以外建物全体は真っ暗だ。
 「泰明ぇ」
 駿也がぎっしりと腕にしがみついている。
 駿也も昼間は面白そうとか言ってたのに…いや、これはこれで可愛いが。
 部屋から廊下に出ればもう暗い。

 電気のついた部屋から離れるにつれ暗さが濃くなってくると、腕にしがみついていた駿也は泰明の腕を持ち上げて胸にすがってくるようにしがみついてきた。 
 蝋燭がゆらゆらと揺れているのがまた気分をそそる。
 キッチンとはいっても広くて、キッチンにも奥の台に通ったという目印を置いたからちゃんとつけるようにと会長からの厳命が下ってた。
 「ひゃあああぅぅっっ!」
 五十嵐の声に泰明がびっくりする。

 「駿也?」
 「た、泰明!な、なんか…踏んだ~~~~!」
 足元を照らしてみると薄いスポンジだった。
 なるほど、暗いとこれだけでも怖いらしい。
 「大丈夫だ。誰かのトラップだろ」
 蝋燭の明かりで証し、目印、と探すと張り紙があって花のピンが4つ置かれてた。

 ……………これをつけろと?

 1コ手に取って、泰明は蝋燭を台の上に置いた。
 「な、な、何で蝋燭置くのぉ?」
 「いや、大丈夫だって」
 ピンを五十嵐の髪につけた。
 …可愛いじゃないか。
 …いいけど、会長の趣味か?
 「な、何?」
 何もかもが怖くなっているのか駿也が泣きそうな声になっている。

 「なんでもないピンだ。さて次行くぞ」
 「う~~~~…やめればよかった~~~~~」
 駿也は明るいうちは楽しんでいたのにこの暗さにかなり堪えているらしい。
 「大丈夫だって。ほら、ちゃんと掴まってろ」
 「ん!」

 駿也はぎっしりと泰明の身体にしがみついてくる。
 階段を上って二階の廊下を歩いて行くとこの部屋、と扉に紙が貼られてた。
 ドアを開けると白いものがぼうっと浮き上がっているのにさすがに泰明もぎょっとした。
 「泰明?どう…きゃあああああっ………」
 駿也の悲鳴が耳に劈(つんざ)く。

 「大丈夫だ。シーツかなにかだ」
 駿也の今の声はかなり響いたかも…と苦笑しながら駿也の背中を叩いて宥めてやる。
 「う~~~~…」
 駿也が半泣状態に入ってきた。
 「早く終わりにしようよ~」
 「目印取って……」

 ……今度は花のブレスレットらしい。それも駿也の腕につけてやる。

 「泰明~~~」
 駿也はもう顔を泰明の胸に埋めて顔を上げない状態になっていた。
 中央の階段をまっすぐ横切って…

 ん…?
 なんか今視界にの端で何かが横切った?
 小さい…。
 ぞっとして泰明は急ぎ足になる。

 「泰明…?どうしたの?」
 「いや、なんでもない。駿也はそのままにしてろ。もうすぐ鏡の前だから」
 蝋燭の火が鏡に映り、駿也が泰明に顔を伏せ包まるようにして歩いているのが見える。
 そして泰明の後ろに小さい何かが…。
 ぱっと後ろを振り返ったが勿論なにもいない。
 なんだ…そうだよな。自分も駿也に毒されて少し怖くなっていたのか?
 思わず苦笑してしまう。
 鏡を見ても自分達以外何も映っていない。
 当然だ。
 ……しかし、夜の暗い廊下の突き当たりの鏡はさすがにいただけないかも…と泰明でさえ思った。
 するとまた今度は駿也の横を小さい影が通った。

 「駿也っ!!!」
 「な、なにっっっ!?」 
 がばっと泰明は駿也を片手で抱き上げた。
 「顔はあげるな。掴まっていろ」
 「なに?なに?どしたの~~~~~!?」
 そう言いながらも駿也はちゃんと言う事を聞いて泰明にしがみついている。

 会長の言ってた小さい子供は本当かもしれない!でも!まさか!?
 駿也を抱えたまま西の階段を一気に駆け下りた。
 ラストの部屋の前で駿也を下ろし、泰明はきょろりと辺りを窺った。
 いや、気のせいだ。…きっと。
 「いやぁ~~~~~!この部屋怖い~~~~~~!」

 …絵画の部屋、と言っていたが確かに怖い。
 風景画ならいい。けど、肖像画は正直キツイ。何となく見られているという気がしてくる。
 テーブルが置かれててさらに張り紙を見つけて目印。 

 ………ウサギ耳。

 泰明はまた蝋燭を置いてそれを駿也につける。
 「な、何?何?」
 「いや…可愛い」
 花のピンにウサギ耳。口を抑える腕にも花のブレスレット。
 「はい?何言ってんの?」
 「いや、ほら、後は帰るだけだ。行くぞ」
 駿也の手を引っ張って部屋を出ればもう皆がいる部屋の明かりが見えてくる。
 泰明も密かに安堵してしまった。
 きっとあれは見間違いだ。
 ……きっと。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^

 
tk様
 こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます^^
 番外編も!楽しんでいただければ幸いです~^^
 ありがとうございます~^^/

MR様
 田舎臭くないですよ~!(笑)
 何をおっしゃられるやら…^^;
 本当にありがとうございます~^^
 お忙しいのにいつもホントすみません~~~(T^T)
 ありがとうございます^^
 今日の分…100均和臣には絶対合わん!(笑)
 じゃらんも知らんでしょうね~~~(大笑)
 ありがとうございます~^^

mm3様
 可愛かったですか~?
 ありがとうございます~(^m^)
 まだ番外編がちょっと続くので
 お楽しみいただけると嬉しいです~♪
 肝試しwwww
 季節感まったく無視してますが^^;
 ありがとうございます~^^

S様
 8はワンコでしたね~(笑)
 そしてみらいさんにかかると皆かっこよくなるぅ~!(笑)
 以前の私には…に思わずワロてしまいました~!
 楽しいので全然おKですけど~wwww
 今日の分…狙ってどうすんでしょうね^^;
 直しました~(笑)
 ありがとうございます~~~^^
 会長狙ってんのか!?(爆)
 ペアはホントはくじ引きにさせようと思ったんだけど、
 考えるのがめんどくさくてCPになりました(^m^)
 ありがとうございます~^^

msm様
 楽しんでいただければ幸いです~~~^^
 ananもあちこちの書けばいいでしょうけど~(笑)
 書くの疲れそう…^^;
 ありがとうございます~^^

U様
 こちらこそありがとうございます~^^
 そうなんです~!受けこ二人似たタイプでした~(笑)
 でも中の気の強さだったら七海かな~?(^m^)
 昨日はチョー疲れました…(--;)
 何が疲れたって終わった後の打ち上げの方が疲れる~(笑)
 私は早く帰りたいのに…^^;
 ありがとうございます~^^

okw様
 浴衣はやはりエロくないとね♪(^m^)
 番外編もわちゃわちゃしてるだけですけど(笑)
 楽しんでいただけると嬉しいです~^^
 私も昨日はリアで忙しかったので(--;)
 足りないです~~~(笑)
 ありがとうございます~^^

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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