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月からの甘い誘惑 20

 「いいです!」
 「だめだ!また熱が出たらどうする?」
 「出ませんっ!」
 「そんなの分からないだろう!」

 不動産屋さんは全滅。食料品の買い物をして久世さんのマンションにマンション帰ってきてからネットで調べてもらったけどやっぱり碧の探しているような破格のアパートはなかった。
 焦らなくていい、という久世さんの言葉にPCを閉じ食事の用意をして食べて、お風呂も借りてさて寝る時間、となった時に久世さんが碧にベッドで寝なさい、と言って来た。

 まさか自分は男とも…そこまで望んだわけじゃないけど、ヤった事があって、久世さんもその対象になるんだ、なんて言えるはずもなく隠すしかないだろう。
 そんなの知られたら出てけって言われるに決まってる。
 それなのに久世さんは知らないから碧にベッドで寝ろって言うんだ。
 久世さんにしたら風邪なんかひかれてまた熱でも出されたら面倒なのかもしれないけど、別な熱が生まれそうだ。

 「いいからきなさい」
 腕をつかまれて引きずるようにして碧の身体を引っ張り久世さんは自分のベッドに碧を押し付けた。
 「寝なさい」
 久世さんが碧の事をそういう対象で見ていないのは分かる。
 だからこんな事平然と言えるんだろうから。
 久世さんのベッドは気持ちイイ。
 ううん…久世さんの傍が気持ちイイのかもしれない。

 やっぱ親鳥か?
 自分が弱ってる時に優しくされちゃったらそりゃどうしたって堕ちちゃうと思う。
 「遠慮しなくていいと言っただろう?まぁそう言ったって碧は遠慮するんだろうけど」
 「だって…迷惑だってわかってるし…」
 ベッドに横になった碧の額を久世さんが撫でてきて碧はうわっ!とぎゅっと目を閉じた。

 久世さんの中ではきっと碧は小さい子供に位置するんだ!だからこんな事するんだからそれに対して過剰な反応するな、と自分に言い聞かせる。
 「迷惑じゃないって何度も言っているのに。今度そういう事言ったら罰金な」
 「え!」
 くっくっと久世さんが笑っている。
 そんな事言ったってそれは碧が心苦しく思わないように言ってくれてるだけ。それも分かる。

 「あんまり…優しくしないで……」
 「………え?」
 「………なんでもない!」
 「碧?」
 「もう寝るっ。おやすみなさいっ」
 小さな声で思わず言ってしまった。

 だってこれ以上優しくされたら絶対好きにならないはずない!
 今でさえ気になって気になって仕方ないのに。
 久世さんの行動一つでかなり気持ちが、心がゆらゆらと動いてるのに!
 がばっと布団を被ると久世さんはポンと碧の身体を軽く叩いて寝室を出て行った。
 碧に寝ろ寝ろと強制的に横にした本人はまだ寝ないらしい。
 だから!小さい子供じゃないのに!
 それでももう一人でこっちに住む様になってから誰かとこうして生活を一緒にするなんてなかった事でどうしてもそれがくすぐったくて仕方ない。

 それが家族でもないのに心地いいなんて。
 きっと刷り込みされたからだ!あの火事の時に碧の傍にいてくれた事でもう久世さんは碧のなかで頼られる人になっているんだ…。きっと。
 だから…これ以上優しくされたら困る。
 一人は寂しかったのだろうか…?
 だからたまに無性に誰かといたくなって声かけられたお姉さんとホテルに行ったりとかしてたのかな…?
 誰かの温もりが欲しかったのだろうか…?

 でも久世さんは違う!
 迷惑とは言わないけれど、でも迷惑なんだから!
 いつまでいるんだ?と思われないうちにさっさと出て行かないと。
 今はまだ碧に対して同情とかもあるだろうからいいけど、絶対そのうちにイライラはしてくると思う。
 そうならない内に出て行こう。
 そしたら出て行ってからでも遊びに来たりしてもいいかな…?
 あ、でも久世さん結婚しちゃうのか…?
 お見合いって言ったら結婚前提…だよな…?

 「……無理か」
 そしたら遊びに来るのも無理だ。
 あの綺麗な人と一緒にいる所は見たくないかも…。
 きっと傍目には誰が見ても久世さんとあの由紀乃さんはお似合いに見える。
 それでいいんだ…。その方が…。

 だって遊びで男が相手なら分かるけど本気になんて…………あり得ない。それに、碧だっていつかは結婚………。
 …………出来るのか?
 自分の容姿は分かっている。
 今は若くて可愛いでいいけど、コレ年取ってもだったら…。
 母親を思い浮かべてう~ん…と呻ってしまった。
 女だったらよかったかも知れないが男ではマイナスでしかないだろう。
 余計な事をごちゃごちゃと考えているうちにいつの間にか碧は眠っていた。
 
-----------------
続きに拍手コメお返事と
メールフォームから分のお返事です^^

 
S様
 ありがとうございます~~(><)
 バイだけどビッチってほどじゃないです~^^
 ……多分^^;
 オープンにかぎっ子(笑)
 ご祝儀もありがとうございます~(T-T)
 申し訳ないですm(__)m
 本当に~!ありがとうございます/////
 はい!爆弾登場~(笑)
 …ってほどでもないですけど^^;
 爆発していいんですか?(驚)
 S…(笑)Sさんだからかしら~?(^m^)
 ありがとうございます~^^

SW様
 ありがとうございます~(><)
 ホント申し訳ないです…m(__)m
 しかしネットの世界に驚きでした^^;
 アプリね…なんでもあるんですね~^^;
 買っても嵩張らないのはいいですよね♪

 じつはもう久世は中心が碧になってますよねぇ~?(笑)
 社長、来週には出てきます~♪
 ありがとうございます~^^ 

メールフォームから
NBRN様
 ありがとうございます~m(__)m
 申し訳ないです…と思いつつ…////
 そしてお言葉も嬉しいです(T-T)
 そんな風に言っていただけて…(><)
 嬉しい限りです~(;;)
 頑張ろうって思います(T^T)
 嬉しい、優しいお言葉ありがとうございます~m(__)m

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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