2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

月からの甘い誘惑 22

 早く寝たからか目覚ましがなる前に碧は目覚めた。
 今日はまだ碧は休みだけど久世さんは仕事だ。
 目を開けて広いベッドの隣を見ればやっぱり久世さんが眠っている。
 鼻高いなぁ…。
 思わず摘んでみたくなるけど代わりに自分の鼻を摘んだ。
 絶対自分のより久世さんの鼻の方がぎゅっと摘めそうだ、なんて意味ない事を思いながら碧はそっとベッドを降りた。

 朝ごはんはパンの方がいいだろうか?ゆっくりしてる時間ってあるのかな?
 そう思いつつも目玉焼きにコーヒーにと一応用意する。
 後はパンを焼いて出来上がり、という頃久世さんが起きてきた。
 「オハヨウゴザイマス」
 「おはよう…碧、休みじゃないのか?」
 「え、と…休み、デス」
 「……わざわざ起きて用意とか…よかったのに…」
 「いえ…目、覚めちゃったし…」

 かえってこんな事したら久世さんは重く感じるだろうか…?
 碧は恐る恐る久世さんを窺うように見た。
 「…食べる時間…ある?」
 「ある。食う。顔洗ってくる」
 当然の様に久世さんが答えたのにホッとした。
 久世さんが洗面所に行っている間にパンをセットして、そして一緒に向かい合って朝ごはん。
 まるで同棲のような気恥ずかしいような、なんか変な感じがするけど…。

 違う!居候!
 碧は自分に言い聞かせる。
 「碧、出かける?」
 「ううん。出かけない。掃除とか洗濯とかしておくね」
 「……別にいいんだぞ?」
 「どうせする事ないし。…あ…PCだけ…借りてもいい…ですか?調べたい」
 「どうぞ。好きにしてていい。あ、一応ここの鍵渡しておこう」

 久世さんが立ち上がって食器棚の小さい引き出しからスペアキーを出してきて碧に手渡した。
 「い、いいよ!だって…そんな…」
 「何かあって出かけなきゃなくなったらだめだろう。いいから一応持っておきなさい」
 「………そんな…鍵なんて…。だって!俺がなんか悪い事したらどうするの?」
 久世さんが目を丸くすると声を出して笑い出した。

 「なにか悪い事するのかい?」
 「……しないけど…」
 「じゃあいいだろ」
 そう簡単じゃないと思うんだけど…。
 「碧は行くところもないんだろう?明日が困るような事はしないだろ?」
 「…それ嘘かもしれないよ?」
 くっくっと久世さんが笑ってた。
 「そりゃ大変だ」
 久世さんは碧の事を信用している…?なんで?まだ3日4日しか経ってないのに…。

 「…どう…して?」
 「うん?」
 久世さんがコーヒーを啜りながら碧を見た。
 「なんでそんな…?」
 「……碧は仕事は責任持ってやってるんだ、ときっぱり言った。そんな堂々と言えるような子…子じゃないな、すまん。そんな碧だから信用出来るに決まっている」

 …碧が銀行に乗り込んだ時の事?
 子という所はさておいて。
 そんな風に思ってくれていたんだ…と碧は嬉しくなってしまう。
 自分では当然だと思っているだけの事だけど、それを久世さんがちゃんと覚えてくれていてそんな風に言ってもらえるのは嬉しい事だ。

 「ご馳走様。うまかった。…朝から飯食ってなんて…いいな…。どれ…じゃあ着替えてくる」
 食器を下げて久世さんがそんな事言ってくれるのが照れくさくて仕方ない。
 いや、だから同棲と違うしっ!
 違う!と碧は自分の頬っぺたをぴちぴちと叩く。
 ネットで今日は昨日見られなかった所を見てみるんだ。自分に言い聞かせとかないと久世さんの事ばかり気になって、久世さんの事ばかり考えちゃうかもしれない…。
 ダメダメ!住むトコ早いとこ決めないと!

 今日は待望のゴミの日で久世さんを見送りながら碧も一緒に部屋を出てゴミをマンションのゴミ捨て場に待って行く。
 なんかこれも…。
 新婚か!?と自分で突っ込んでおく。
 「じゃ行ってくる」
 「行ってらっしゃい」
 「…………」
 久世さんも微妙な空気だ。

 「……新婚?」
 「そうね!行ってらっしゃい、アナタ」
 わざとシナを作って碧が言えば久世さんは声を出して爆笑した。
 「行ってくるよ、オマエ」
 ………………なんてノリのいい…。
 しかし咄嗟に冗談にしたからよかったけど、やっぱ久世さんも変な感じはしているらしい。

 碧がそんな事思ってるからだろうか…?
 ちょっといいな、とか…。
 いやいや。
 車に乗って出勤した久世さんをバイバイと手を振って見送って碧は久世さんの部屋に戻った。
 なんか朝だけでも疲れた…。
 どうして、って変な風にどきどきするからだ。
 はぁ、と碧は久世さんがいなくなったのに安心したような寂しいような…複雑な溜息を吐き出した。
 
------------------
続きに拍手コメお返事です^^

okw様
 こちらこそびっくりをありがとうございます(笑)
 嬉しいびっくりはカモーンです♪^^b
 私も七海の八つ当たりが好きだったので
 (それでつい八つ当たり多めに書いてた 笑)
 楽し嬉しでした~(^m^)
 碧も久世もまだ足掻いてます(笑)
 久世、かっこいいですかね~?老けてるけど^^;
 コメントもイラストもありがとうございます~^^

mm3様
 ありがとうございます~////
 そう言っていただけると嬉しいです(T^T)
 実は続きも頭の中にはあるのですが^^;
 本当に!ありがとうございます~m(__)m嬉しいです(泣)

 久世はどうでしょう~?(笑)
 足掻いてます~(^m^)
 ありがとうございます~^^

S様
 おかえりなさい~!おはようございます~!(笑)だよね?
 飲みすぎ~!朝帰りとか、すごすぎ~(><)
 三点倒立って…(-o-;)wwww
 まずは月からの方…
 足掻いてます~(笑)どっちも(^m^)
 まぁ、すぐ堕ちるんですけどね^^;
 
 そして、もう一個の方(笑)
 お名前まじすか!?(大笑)
 受け子です~(爆笑)
 あはははは~~~~!チョーウケル~!
 ……スミマセン^^;
 なんか毎回主人公の名前、読者さんとカブるらしく、
 名前一緒です~って来る(^m^)
 電子の方までとは!それにまさかSさんとこと!
 驚きでした~(笑)
 楽しんでいただければ幸いです~(^m^)
 ありがとうございます~^^ 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

電子書籍

サイトはこちら

バナークリック↓ banner.jpg

Twitter

いらっしゃいませ~♪

リンク