「ん…っ」
あれ?どうしたっけ?とまだ頭が回らない状態ではっと碧は目を開けた。
「シーナ…目が覚めてしまった?」
「え?」
芹沢さんの声が近いし…体が重い…。
「え…っ!!ちょっ!」
ベッドに横にさせられていたのに碧は飛び起きようとしたのに碧の上に芹沢さんが乗っていて起き上がる事が出来なかった。
「やめろって!」
「シーナ」
キスしてこようとするのに碧は顔を背け、手で社長を押し戻そうとした。
「やめろっ!」
さらに社長の手が碧の服の中にまで忍び込んでくる。
「いいだろう?前だってしたんだ」
「前は前だ!今は嫌だっ!」
いやだいやだ!
前は浮かばなかった嫌悪感が碧を襲う。
確かに一度寝てるんだだから今更な気もするけど、そうじゃない。
以前は以前。
今は無理だ!
元々自分から好んで抱かれたんじゃない。
たまたま一人が寂しくてと酔っ払ってが重なっただけなんだ。
「やめろっ!」
いやだ!
久世さん…と思わず心の中で呼んでしまう。
呼んだら助けてくれそうで!
火事ん時だって呼んでもないのに助けてくれた。
ああ、でも今久世さんはデート中なんだ!
「いや、だっ!」
社長の手が身体を動き回るのに身体がざわりと悪寒を走らせる。
どうしよう!
どうやらホテルの部屋らしい。取ってたと言ってたんだから最初からやっぱりその気だったんだ!
「シーナ…」
社長の口が顔を背けている碧の首筋に口をつけてきた。
「やめろっ!いやだっ!」
碧よりもずっと背が高くて身体もいい社長の身体はなかなか碧が身体を捩っても動かない。
「随分と抵抗する」
「当たり前…だっ!嫌だって言ってる!」
「なぜ?一度寝たのに」
「そん時はそん時だ!別に社長の事が好きで寝たんじゃないっ!」
社長と呼ばれるのを嫌っているのにわざと社長と呼んでやる。
「好き?はん…そんなの当たり前だろう………ああ…なんだ?好きなヤツでも出来たのか?……今お前が世話になっているヤツか?」
「違うッ!」
「…外れちゃないようだな」
ぐっと涙がせり上がってきた碧を見て社長がせせら笑った。
「久世さんは違うっ」
「ふぅん?久世って言うんだ?」
「違うって!久世さんは今デート中だしっ!」
思わず名前を言ってしまった!
言うつもりなかったのに。
「なんだ。ならいいだろうが。そっちはそっちでお楽しみなんだろう?」
「違うって!」
「不毛なんだ?女にしか興味ないって?」
「そんなんじゃないっ!」
碧の傷を抉るように社長がつついてくる。
「優しく抱いてやるぞ?その男の変わりでもいい」
「なんでそんなに俺に拘るんだよっ!社長ならいくらでも他に相手いるだろう!?」
「いるさ。いくらでも。それなのにお前は断る」
「あ、当たり前、だっ!」
「シーナ」
ぐいと顎を捕まえられてキスされそうになり嫌悪感に思わず碧は膝を社長の腹めがけて蹴り上げた。
「ぐ……シーナっ!」
「いやだっ!」
痛みに手を緩めた芹沢さんの腕から抜け出そうとしたらシャツを捕まれボタンが弾け飛んだ。
「ヤったら訴えるぞっ!」
「シーナ……」
はぁ、と芹沢さんが諦めたように溜息を吐き出して碧を離したのにほっとしてベッドから飛び降りた。
急いでもらった服の入った袋を手に持ち自分の荷物や携帯を確かめる。
「帰るっ!」
涙が零れていたけどもうそんなの気にする余裕もない。
とにかくもうここから逃げなきゃ。
ばたばたとそのまま碧は社長の取っていた部屋を飛び出した。
後ろから追ってくるかと思ったけどどうやら大丈夫らしい。
エレベーターに乗り扉が閉まったのにほっとしでぐいと手で涙を拭う。
情けない。
そしてエレベーターが鏡張りで自分の姿が映し出されればさらに情けない。
髪はぼさぼさ。シャツのボタンは弾け飛んでるし。
弁償しろよな!と思わず思ってしまう。
袋にいっぱい服は持って来てくれたらしいけど!そこは感謝するけれど、それとこれは別だ。これは碧の少ない給料から買った物なんだから。
「……情けねぇ…」
自分の惨めな姿にまた涙がせりあがってきてぐいと拭った。
誰もエレベーターに乗り込んで来ませんようにと祈るしかない。
男のくせにこんないかにも何かありました的な格好じゃホントみっともない。
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続きに拍手コメお返事です^^
mk様
はじめまして~!いらっしゃいませ^^
電子書籍も!(><)
ありがとうございます~m(__)m
恐縮です/////
恋愛気分を味わっていただけたなら幸いです。
本当にありがとうございます~(T-T)
ハピエンはもうどこをとっても(笑)
えちもおKですか?(^m^)よかった…♪
久世×碧のラブラブはもちょっと先ですが^^;
ありがとうございます~^^
JN様
いつもありがとうございます~m(__)m
サイトの方も~ありがとうございます~(><)
あちこち色々でしたが^^;
喜んでいただければ幸いです~/////
今サイトの方の続き書いてたのでもうすぐうp出来ると思います~^^
ついったー!
……それは危険(笑)
危険の意味もこめてアカウントにBL入れてましたもん^^;
だって!記事更新だってBLだしね^^;
ありがとうございます~^^
S様
お酒弱いのでたった一本で(笑)
社長は悪いヤツでもないですよ~^^
はい、貢いでふられます(笑)
え~?良い思いさせたほうよかった?wwww
ありがとうございます~^^
テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学