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月からの甘い誘惑 42

 碧がぼろぼろと泣きだしたのに久世はぎょっとした。
 「碧…」
 碧の華奢な身体にふれようとして手を引っ込める。
 「俺…明日……出て、く……ね……」
 「何?」 
 出ていく!?
 「行くところは!?」
 思わず声が大きくなってしまうと碧がひくっと息を飲み込んだ。

 怖がってる…?
 自分が強面なのは知っている。知っているけれど碧を怖がらせたいんじゃない。
 ふうと落ち着かせる為に久世は息を一つ吐いた。
 碧の涙は止まらないらしくぽろぽろと零れるのに抱きしめたい衝動が走る。
 ……これはやっぱりそうなのだろうか…?
 この1週間ずっと変な感じだった。

 碧が社長に襲われかかって何もなかったのにはほっとしたが、首筋に残っているキスマークに苛立った。
 襲われた、って事が頭をぐるぐるして守ってやりたくて、土日もわざわざ送り迎えを言い出した。
 いい大人なんだから小学生でも小さいわけでもないのに…。
 でもそれで自分が迎えに行って碧がなんでもなければほっと安心した。
 それに笑うのが可愛くて…。

 あの日風呂場から中々出てこない碧にやきもきして、男同士なんだから別にいいよな、と自分に言い聞かせながら風呂場に踏み込んでからその碧の肌が頭をちらついて離れなくて…。

 今日は休みで自分はどうしたんだ?と思いながらネットでついヤロー同士の事調べてみたり…。
 いや、碧だってあり得ないって言ってたんだから…そう思いながらもつい碧とのあれこれが想像できてしまう。
 安易に。
 そうしたい…と思ってくるんだから…やっぱりそういう事だろう。
 自分でどうしていいか分からずにそのくせいつも碧の事ばかり考えていた。
 毎日ベッドの片隅でくるんと丸まって眠ってる碧が可愛いと思ってた。
 いや、顔もアイドル並みに可愛いんだからそう思っても当然だ、と自分に言い聞かせてきたけど、もうごまかしはきかないようだ。
 出て行くと泣かれて、この手の行き場はどうしたらいい?

 「碧…」
 手を出そうとしたらいいよ!と碧が遮った。
 「だ…って……俺…汚い…から触るの…ヤ…なんで…しょっ?」
 ひくっとさらに碧がしゃっくりを上げて目を覆って泣くのにそうじゃない!と心の中で言い訳した。
 碧が汚い?
 そんなわけあるか。
 自分の中途半端な態度が碧を傷つけていた…?

 「碧…泣くな……そうじゃない」
 いいだろうかと思いつつ碧を抱きしめ、まだシャワーを出てきたばっかりで少し湿った頭を撫でればそのまま腕に閉じ込めておきたくなる。
 「な、……な、に…?」
 自分よりもずっと華奢な身体だ。肩も細い。
 アパートの火事の時も熱出した時もこうして安心させるようにと抱きしめたけど、今の心情が全然その時とは違う。
 以前は本当にただ子供を宥めるのと同じだった。

 ……今は……。

 碧の首筋を見てここにアレがあったんだと思うと、他の男につけられたものがあったんだ、と思うとどうしていいか分からなくなる位に苛立ってくる。
 くそ…。
 アレがどうしても久世の脳裏から離れない。
 何もなかったと碧は言ったけどキスマークはつけられてたじゃないか!
 「ひゃ、うっ!」
 思わず久世は碧の首筋に身を屈めて唇を寄せた。
 「く、く…久世、さんっ!?」
 碧の声がひっくり返っている。

 「んんっ!」
 ぺろと碧の首筋を舐め、そしてきゅっと吸い上げると碧が声を漏らした。
 嫌ではないのか碧は抗う事もなく、久世の腕から逃れようともしないのに気をよくしてさらに舌を首筋に這わせる。
 「んっ!ゃ…っ」
 途中でまたきゅっと吸い上げれば碧が可愛い声を漏らす。
 久世が首筋から顔を離せばそこに自分の痕がくっきりとついていて、思わず満足してしまう。
 いや、満足は自分だけで…碧は…?
 はっと碧の顔を覗き込むと真っ赤な顔をして瞳が潤んでいる。

 「…碧…?」
 もしかして…嫌じゃない?
 久世の腕は碧の身体を掴んだままだ。
 こてんと碧が久世の胸に頭を預け、そしてすり付けて来たのにぐわっと久世の中に欲情が生まれる。
 犯したい。
 いやいや!!!それじゃ碧を襲った社長と一緒だろう!
 いや、すでに一緒か!?碧の首にはすでに久世がつけたキスマークが色濃く残っている。
 そしてそのキスマークが久世をさらに誘っているように見えてくるのに久世はどうしたらいいのかと頭の中がぐるぐると回っていた。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^

 
 
SW様
 やはりシャチョーですか?(笑)
 かわいそーなのですよ?(笑)
 シャチョーは二人の為の当て馬
 お仕事担当なんです~^^;
 …確かに!二人、すでに夫婦生活ですね(爆笑!)
 ありがとうございます~^^

tnt様
 久世、グズグズでスミマセン~(笑)
 内心(勿論)葛藤中でした~(^m^)
 我慢の限界きました~♪
 そう思っていただけながら読んでいただけると
 嬉しいです^^
 …読まれている方にはもどかしいでしょうけど^^;
 ありがとうございます~^^

mm3様
 老けてるけど王子サマ(どうしても笑いたくなる wwww)
 純情ではなく葛藤で耐えてただけでした~^^;
 碧に涙…
 ありがとうございます~////

hrk様
 はじめまして~!いらっしゃいませ~^^
 早起きに貢献でしょうか?(笑)
 あんまり早すぎは無理しないで下さいね^^;
 碧ちゃんでおKですよ~^^
 お好きなように呼んでください~(^m^)
 久世は耐えてました。あ、今upのでぶちっとキれましたけど^^;

 お絵描き是非してください~~~!^^
 少しでも自分を出せるって事はいい事だと
 思います^^
 是非是非~^^b
 熱視線からもありがとうございます~^^
 これからもよろしくお願い致します(^m^) 
  

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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