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月からの甘い誘惑 46

 「碧…」
 久世さんがキスしながら舌を絡めるのに碧も夢中で応える。
 キスしながらエッチなんて…久世さんと…。
 まだ信じられなくて確かめるように自分からも求めてしまう。
 「ん、んっ」
 後ろの圧迫がさらに大きくなって指をふやしたんだ、とリアルに身体で感じてしまう。
 それに久世さんが自分の腰を押し付けて、その屹立が大きいままなのにも身体が疼いてしまう。
 久世さんも感じているんだ、と思えばただ嬉しいでしかない。

 早く欲しい。
 同性に対してこんな風に思うなんて…。
 自分は元々素質があったのだろうか?なんて思ってしまう。
 抱かれるよりやっぱり女の子抱いてる方がいいと思ってたはず…。
 いや、前はなんでもなかったのにこの間は社長に触れられた時は悪寒しかしなかったのでやっぱりそうじゃなく、久世さんが特別なんだ。
 キスで閉じてた目をうっすら開けると久世さんの黒い瞳が碧を見つめていた。
 そんな視線一つでも碧はもう胸が苦しくて仕方なくなる。

 久世さんの瞳の奥に肉欲が見えた。
 自分を欲しいと思っているんだと分かれば歓喜が湧いてくる。
 「あ、あっ…んっ」
 久世さんの指が碧の中をかき混ぜるのに声がどうしても鼻にかかった甘いものになってしまう。
 自分で聞いてもオンナみたいな喘ぎ声なんてキモいと思うのに久世さんは嫌にならないのかなと思うけど碧の身体に当たる久世さんは力を衰えていなくてそこに安心してしまう。
 「い、い…から……い、れて…」
 早く…久世さんが正気に戻らないうちに。

 「いい…か?大丈夫…か?」
 こくこくと碧が頷くと久世さんは指を抜き自分を宛がってきた。
 「……っ!」
 イタイっ!
 身体が裂かれそうな位の衝撃が走る。
 「碧…痛い…か?」
 腰を引こうとした久世さんの首に碧は腕を回した。
 「や!」
 今を逃したらあとどうなるかなんて分からないんだ。

 「やだっ!してっ」
 痛みを我慢して久世さんの首に思い切り力を込めて抱きついた。
 「しかし…」
 「いいっ!……」
 久世さんが唇を重ねて舌を絡めるのに夢中になっていると、少しずつ久世さんが碧の中に入ってくる。
 なんかかなりの違和感。
 でもそれより何より久世さんとセックスしてることの方が重要だった。
 「あ、あ……っ」
 ひくっと身体を碧がひくつかせる。

 「碧…力抜いて…」
 久世さんも苦しそうな声だ。
 「くぜさ、ん……くるし…い?」
 「苦しいのは碧だろう…?」
 碧は小さく頭を横に振った。
 「ううん……」
 「嘘だな…でも悪い…止められそうにない…」
 「いい……して…んぁっ!」
 ぐんと久世さんが中でさらに大きくなったのを感じて声が出てしまう。

 「…あんまり可愛い事言うな…」
 くすりと久世さんが苦笑するけどやめる気はないらしいのにほっと安心する。
 ゆっくりとまた久世さんが奥に進んでくる。
 身体が埋まってる感じがする…。裂けそうな感じもするけど、違和感もするけど、それ以上に久世さんが中に入ってるっていうだけでなんでこんなに全部が満ち足りた気になるんだろう…?
 「く、ぜ…さ……ん……」
 「ん……碧……大丈夫、か?」
 「んっ!」

 小さく碧が頷くとまた久世さんがキスしてくれる。
 ずっとキスが途絶えない。
 でももっと…。
 唇も舌も身体も全部が久世さんで満ちている。
 久世さんを呼ぶと久世さんも碧って呼んでくれる。
 「碧」
 「んっ…はぁ……や……ごめ…な、さ…い……」
 「…何が?」
 「声……キモい……」
 「……………は?」
 久世さんが唇を離したのに碧は目を開けた。

 なんで?キス…やだ…?
 するとくっくっと久世さんが笑い出した。笑うと中も震えて体がひくりと反応してしまう。
 「んんんぅっ!」
 ぐっと久世さんが奥まで入ってきたのにまた声が漏れてしまう。
 出さないように!と思うのに!

 「碧…声出して…さっきも言っただろ……感じてる声我慢するな…聞かせて?いい…?痛くない…?」
 「んんっ!……たく…ない…久世さん…で……いっぱい……あぅ…」 
 「…あんまり煽るな……動いても?」
 「んっ…」
 ゆっくりと久世さんが腰を揺らしはじめるとじんじんと碧の中も熱くなってくる。
 痛みなのか快感なのかもう全部が蕩けそうでただ久世さんを感じるのを感覚で追った。

 
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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