2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

月からの甘い誘惑 50

 だるいながらも頑張って掃除機かけて洗濯物干して、さっぱりしたところでまたベッドに横になった。
 お昼に久世さん電話くれるって言ってた。
 携帯を手に久世さんの電話をじっと待つ。
 待っているうちにうたた寝までしてしまったけど。
 だってだるい…。
 でもそのダルさがまた嬉しくて仕方ないんだからどうしようもない。

 浮かれている…と自分でも分かっているけど、だって好きって言えただけでもスゴイのに、いて欲しいとか、さらにえっちまでしたんだから。
 絶対そんなの無理だと思ってたのに…。
 可愛いって…。
 今までさんざん言われてきたけどこんなに嬉しく感じたのは初めてだ。
 携帯がヴヴ…と震えたのに碧は飛び起きた。
 久世さんだ!

 「も、しもしっ」
 『碧?…大丈夫か?』
 「大丈夫だよっ!」
 電話の声も低くてかっこいい。
 じんと耳に響いてくる声に昨夜の声まで思い出してきそうになってしまうのに碧の声は上擦ってしまう。時計を見れば一時半過ぎ。
 「久世さん、忙しい?」
 『月曜だからな』
 「だよね。月曜日はいっつも混んでるもんね」

 碧が仕事の時は銀行に行くのは碧の役目でそのちょっとの時間久世さんの姿を見られるのも嬉しい時間なんだ。
 『何もしないで寝てていいからな?』
 「だ、大丈夫、だってばっ」
 かぁっと顔が熱くなってくる。
 『いや、結構無茶したかなぁ…と』
 「だいじょうぶ!」
 電話でまでいいから!と碧は一人で焦ってしまう。

 でもやっぱ好きだなぁ…と電話の声にまでぼうっとしてしまいそうだ。
 早く会いたいな…なんて思ってしまって自分でどんだけだ!と突っ込む。
 『じゃ、ゆっくり休んで』
 「ん…だらだらしてたよ?……久世さんはお仕事頑張ってね…?」
 それで早く帰ってきてね、と心の中で付け加える。
 『…なるべく早く帰るようにする』
 「うんっ」
 碧の心の声を拾ったのか久世さんがそんな事を言ってくれたのに思わず声を弾ませると久世さんが電話口で笑っているのが聞こえた。
 帰ってくるののを待ってるって分かられたんだ。

 『碧…』
 「……うん……?」
 久世さんが言葉を切った。
 『……いや、…じゃちゃんと休んでて』
 「…………うん」
 心の中がほわほわしている。
 切れた電話を握り締めて碧は悶えたくなってしまう。
 好きという思いがまた一段と強くなってしまう。

 この気持ちはいったいどこから湧いて出てくるんだろう?
 なんでこんな気持ちになるんだろう?
 久世さんに気にしてもらえるだけで嬉しくて、早く帰るなんて言われて嬉しくて。
 「はぁ~~~~~……」
 気持ちがほわほわしてしまう。
 酔ってる時なんかよりよっぽど気持ちイイ。

 なんか火事で全部なくしてしまったけれど、それよりももっと大事なものが出来た感じがする。
 なくした分ご褒美でもくれたんだろうか…?
 だってこんな気持ち初めてだ。
 昨日までの苦しかった気持ちが今はこんな幸せ気分なんてほんとちょっとの事なのに雲泥の差。
 今は今だ。
 これからどう、というのまでは何も考えられない。
 とにかく今、碧は久世さんが好きだ。

 そして久世さんも一応碧の事を好きではあるみたい。
 だってそうじゃなきゃ素面で男を抱くなんて出来っこないと思う。
 好きでもない奴に抱かれるのだってごめんだ。
 そしてこうして電話くれて優しくしてくれて、いて欲しいとか言われたらそりゃ蕩けてしまいそうになるのも当たり前だ。
 碧はどこも行くあてもなにもないんだから…。
 もう久世さんだけでいいかも…とか。

 ……でも、きっと…碧はそうでも久世さんは違う。
 銀行での久世さんを思い出す。
 びしっとして見るからにエリートで頭取の娘さんとお見合いを勧められるような人だ。
 耳を触ると何個もつけたピアスが音をたてる。
 ちょっと長くなった髪を見れば金髪に近い茶色。
 はぁ…と思わず溜息をもらす。
 分かってる。
 そしてなんといったってこれでも男だ。いくらアイドルみたいだとか、可愛いとかいわれても。

 そこが一番問題だ。
 そんなの久世さんに似合うはずない…。
 分かってる…。
 今だけでいいから。
 いいんだ。碧が久世さんを好きなだけだ。
 久世さんはいて欲しいって言ってくれたけどいずれ出て行かなきゃないのはちゃんと分かってる。
 でも今だけは甘えたい…。
 いいよね…。
 
------------------------
続きに拍手コメお返事です^^

 
okw様
 目が覚めちゃったのではなかったでしょうか~?(笑)
 暴走の結果でした~^^;
 お名前似てますね~(^m^)
 okwさんも安心したでしょうからゆっくり創作
 頑張ってくださいね~^^/
 ありがとうございます~^^

hrk様
 コメントはお時間ある時でいいですよ~^^
 私の~!?
 全然丁寧なんかじゃないですよ^^;
 大雑把でめんどくさがりなので(笑)
 私もたま~にある一場面だけが浮かぶときがあります~^^
 いつもは大抵適当に書いてるだけなんですけど^^;
 一場面のためにお話できたり、とかもあります^^
 そこ書いちゃうと満足しちゃうのが難点ですけど^^;
 碧ちゃん連れ帰ってたら大慌てで久世が飛んで来そうです…コワイ(笑)
 ありがとうございます~^^

S様
 そうなんですね~^^;
 幸せなんですけど、まだ、ね~(^m^)
 ありがとうございます~^^

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

電子書籍

サイトはこちら

バナークリック↓ banner.jpg

Twitter

いらっしゃいませ~♪

リンク