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2013 Christmas Live 2

 「ね、ね、もう尚先輩達着いたかな?着いたよね!タカ先輩と千波さんはウチまで来るんでしょ?」
 クリスマスイブ。
 尚先輩が遥冬さんと一緒に東京にもう来ているはず。
 落ち着かなくてそわそわしてしまう。

 「岳斗」
 「なぁに?」
 「待ち合わせは夕方五時。今はまだ一時。あと四時間もある!」
 「うん」
 「さっきから何度も何度も同じ事言って!…………少し黙ってろ」
 千尋先輩がイライラとさせてそんな事を言うのにむぅっと岳斗が頬を膨らませた。

 いいですよ~!だったら口開かない!
 つんとしてソファに座ったけど、やっぱり落ち着かない。
 だって何年かぶりに会うのに!
 変わってないのかな?どうなんだろ?遥冬さんはもっと綺麗になっちゃってたりするのかな?
 ……千尋先輩は遥冬さん見て綺麗って思うよね?そこはちょっと心配だけど…でも遥冬さんは尚先輩が好きなんだし!

 …でも千尋先輩見ちゃったら心変わりとか、なんて…。
 余計な心配まで湧いてきたのにぶるぶると首を振った。

 今日はクリスマスイブでイベントがいっぱい!なのに岳斗は奇跡的に休みにしてもらえた。ダメもとで休みたいんですけど…と言ったらあっさりOKされたのに拍子抜けしたけど、どうやら圧力がかかっていたらしい。文句言われながらも遠藤さんからOKされた。

 その圧力をかけた人はソファの隣に悠然と座ってテレビを見てタバコをふかしている。
 千尋先輩は尚先輩ちゃんと着いたかとか気にならないのかな?
 時計をまた見るけど何分も進んでない。
 そしてそわそわと今どこいるのかなとか考えて、ちょっとしてまた時計を見る。
 それを繰り返しているとはぁ~、と大きく千尋先輩が溜息を吐き出して岳斗をちら、と睨んできたので岳斗は小さくなってソファで身体を縮こませた。


 「千波さん~~!タカ先輩~~~!」
 やっと来てくれた千尋先輩のお兄さんに抱きついた。
 「岳斗くん?どうしたの?」
 「千尋先輩が黙ってろ!っ言って話してくんない!」
 「当たり前だ!何度も何度も同じ事しか言わないのに!尚達が、孝明と兄貴が、って!」
 「……………だって、楽しみなんだもん」
 くすくすと千波さんが笑ってる。
 ホント美形兄弟だよな…。

 「ミューちゃん、大丈夫?」
 「大丈夫だよ。ちゃんとご飯も置いてきたからね」
 やんわりと千波さんが笑う。眼鏡が似合う知的美人って感じ。
 「……岳斗がうるさいから出ようか」
 「千尋、電車でいいのか?」
 タカ先輩が千尋先輩に確認している。
 芸能人様だから…だけど。
 「いい。平気だ」

 …本当は平気じゃないと思うんだけど…。テレビにほとんど出なくても気づく人は気づく。…ただ、千尋先輩が近づくんじゃねぇよ、ってオーラ出してるから寄って来ないだけで。
 でも有名になってもすごくなっても全然スタイルの変わらない千尋先輩はやっぱりすごいと思う。岳斗だったらいい気になっちゃうと思うけど、相変わらず音楽に関してもストイックだし、増長してるとことか全然ないんだ。ずっと変わらないって難しいと思うのに…。

 「尚は着いてるって?」
 「ああ」
 いつも思うけど、タカ先輩と千尋先輩が並んでいると高校生の頃に戻った感じがする。ここに尚先輩も加わるんだ。まるで50’Sで練習してた頃みたい…。
 やっぱり嬉しいな、楽しみだなってわくわくしてきちゃう。

 尚先輩がライブハウスに行きたい、と言ったらしい。千尋先輩の出発地点だったライブハウス。そして今はタカ先輩がバイトで立つライブハウスを見たいと尚先輩が言ったので今日のクリスマスライブのチケットを人数分タカ先輩が用意してくれてこれから尚先輩達と会ってそれからライブハウスでクリスマスライブだ。

 「…あれ…?そういえば千波さん…見た事ないんだよね…?」
 「え?ああ、孝明の?うん、ない。千尋のも見た事ない」
 「…………ありえない!絶対損してるっ!」
 「…そう?ライブハウスも入るの初めてでちょっとどきどきするかな」
 確かに…きっと千波さんは真面目な高校生だったのだろう。千尋先輩のお母さんがお兄さんと千尋先輩を比べていた事を思い出した。

 兄弟って…でもホント全然似てないよな…とつくづく千尋先輩と千波さんを並べて眺めて思ってしまう。
 岳斗は妹と似てたけど…。言動も性格も。岳斗はあんまり高校の頃と変わってないし、今もきっと似てると思ってしまう。…妹と、という所はちょっと面白くないけど、仕方ない。

 四人で電車に乗って待ち合わせの場所へ。
 ちょっと早くに着いたかなと思ったらその場所にはもう尚先輩が遥冬さんといた。
 「おう!」
 千尋先輩とタカ先輩を見つけて尚先輩が手を上げると二人も尚先輩の姿ににっと笑った。
 そして言葉はなく、三人で拳をこつっと合わせるだけの挨拶。
 ああ!やっぱりいいなぁ…!
 そこは岳斗の入っていけない関係だ。
 
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 大王様の黒馬がもう似合いすぎですよね^^;
壁というほどではないですが^^;
二日お休みしちゃいますけどスミマセン…(><)
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