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2013 Christmas Live 7

 帰りの電車の中。
 ずっと千波さんが無言だ。

 ………どうしたんだろうか?

 岳斗によかった、と言われた位だからまずくはない出来なはずだったけど…。
 千波さんが岳斗から貰ったLinxの時のCDを結構頻繁に聴いているのは知ってたし、千尋にあの歌いいな、と言ってたのも聞いてたから…千波さんの為になんて恥かしくて言えないがそのつもりで千波さんだけを見て歌ったんだけど…。
 たらたらと孝明はちょっとばかり焦ってくる。

 全然よかったも何も言ってくれないんだから…やっぱよくなかったのか?
 ……Linxの時だってバイトでライブハウスで歌う時だって今みたいに出来がどうだったかなんて気にすることなどなかったのに!
 好きな人の前で演奏するという事がこんな不安にかられるとは思ってもいなかった。

 ………千尋は毎回岳斗の前で演奏してるけど不安になったりしないのか?
 いや……なるに決まってるよな。
 それを毎回って……すげぇな…。やっぱ普通じゃねぇって事だ。
 千波さんはライブにも行った事もないし千尋の事だって全然気にしない位なんだから気にするな…。
 …と、思いつつ実はちょっとばかり凹み気味になってきてしまう。ずっと千波さんは孝明の方を見もしないで電車の外を凝視しているんだ。

 「孝明」
 くいと降りる駅になって千波さんが顔を俯けながら袖を引っ張ってきた。
 今日はクリスマスイブだ。特別な夜にしたいと思っていたのだが…。
 「…千波…寒くない?」
 「寒くない」
 少し遅い時間になって駅を降りる人もまばらだ。
 家族持ちならもっと早くに帰っているだろう。デート中なら帰ってこないだろう。

 「ミュー…寝てるかな」
 「どうでしょうね」
 ミューは夜はベッドで寝るものだと思っているのか、日中はリビングの猫用クッションとかで寝ているのに夜はベッドに、千波さんの隣に堂々と陣取ってくるんだ。
 一人で寝てればいいのに。
 わざと孝明の邪魔してるんじゃないかと思ってしまう。

 マンションに向かいながら今日のは…よくなかったですか、と一瞬聞いてみようかとも思ったけれどみっともないのでやめておく。
 大体自分は歌うのが本業ではないんだ。もうすぐ本業は教師になるんだから!
 「孝明」
 「…っ」
 千波さんがそっと孝明の手に触れ、そして手を握ってきたのに孝明は驚いた。
 「…その…誰も…歩いてないし…」
 確かに人影はなくなった。だがまさか千波さんからなんて…思いもよらなかった。恥かしそうに顔を俯けながらながらそっと孝明の手に触れてきたのが…。

 ………可愛い!

 これがあの千尋の兄貴だなんて信じられない!くそ、もっと時間があればこんなに可愛いんだと尚に自慢してやるのに!
 「早く帰りましょう!千波さん手冷たいです」
 「…ん」
 早足で千波さんを引っ張るようにしながら部屋に到着。玄関にはミューがお出迎え。
 ……寝てなかったらしい。

 「ただいま、ミュー…おりこうさんだった?」
 うにゃー!と可愛く返事してるミューを睨みたくなってしまう。
 こうして猫ってだけでコイツは無条件で千波さんに抱っこしてもらえるんだから!
 玄関に入ったら千波さんを抱きしめようと思っていた孝明の腕はどうしたらいいんだ?

 「孝明…」
 千波さんがミューを下に下ろしながら孝明を呼んだ。
 「はい?…ああ、寒いから風呂行きましょう?一緒でいいでしょ?時間短縮」
 「………ん、…う、ん…」
 「それとも腹減ってます?あんまり食えなかったし」
 「ううん。いらない…あの、孝明………その、……ありがとう…」
 「ち、千波さん!?」

 千波さんが孝明をちょっと見上げて視線を合わせたと思ったら今度は深く頭を下げてお礼を言ってきたのにびっくりした。
 「なにがです!?」
 「千尋に……。これは兄としてのお礼。いい友達でいてくれてありがとう…」
 「そんなの!別に!」
 ううんと千波さんが首を振った。

 「嬉しかった…んだ。僕はほら、あんまり千尋とは仲良くもないし…嫌ってるわけでもないけど…でも今日の3人見て…正直、いいなと思った。僕にはあんな友達なんていないから…。だから…千尋の代わりに…」
 「礼なんていりませんよ!もう!何を言い出すのかと思ったら!」

 「それと……あの………歌………すごく…よかった」
 千波さんがぱぁっと顔を赤くして照れたようにもじもじしているのに孝明はほっと胸を撫で下ろした。

 なんだ…よかった。

 「すごく…よかった…んだ……。孝明…かっこよくて…声よくて…じんとしちゃって…特に最後の曲…他のお客さんでも泣いてた人もいたよ…?それで…」
 なんか千波さんが何も言ってくれないと思ってたら今度は誉め言葉のオンパレードにこっちが恥かしくなってくる。
 「僕は…うぬぼれてない…かな…?…孝明は…その…僕に…」
 歌を思い出したのか千波さんが目を潤ませながら孝明をじっと見てくる。

 この人は!ほんっと!もう!
 「千波」
 我慢してたキスを貪る。
 「んっ」
 「…あなたの為に歌いましたよ。あなたを想いながらね!」
 「ん…あんなの初めてで…ぼうっとしちゃって…夢みたいだった…自慢したくて…孝明は僕のだって……………でもなんか…孝明……名前呼ばれてたけど?」
 ちょっとばかり面白くなさそうにして千波さんが小さく呟くのに孝明の顔がにやけてしまう。

 「あれはライブハウスによく来てて俺を知ってる人もいたんでしょう。………千波さん、それって嫉妬?」
 「…だって…そりゃ………孝明はかっこいいから………わかるけど…」
 「………風呂行きましょ。お風呂で温まりながらゆ~っくり聞きますよ」
 にっこり笑って千波さんを風呂場に連れ込んだ。
 今日はもう寝かせたくない位です、は黙っておこう。

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続きに拍手コメお返事です^^

 
S様
 マジですか?(爆笑)
 電子の方と名前入れ替えればよかったな~…(^m^)
 知り合いじゃないはず~(笑)

 メリクリありがとうございます~^^
 SSも喜んでいただければ嬉しいです~♪
 ありがとうございます~^^

mm3様
 嫁旦那そろい踏みでした^^
 喜んでいただけて嬉しいです(^m^)
 明日からまたえろ大王出てきますので(笑)
 ありがとうございます~^^

USGちゃん様
 岳斗視点でした(^m^)
 岳斗好きもありがとうございます~^^
 喜んでいただければ私も嬉しいです♪
 ありがとうございます~^^

yk様
 はい、来ました~(笑)
 作曲ね~…自分で作ってみようかとも一瞬思ったけど^^;
 イメージ…特にはないつもりだけど…
 8分の6拍子のはBONJOVIのかな?(笑)
 にゃーは寝てばっかりです^^;
 寒いから~
 ありがとうございます~^^

MDR様
 はい~!即席Linxでした^^
 喜んでいただけてよかったです~(^m^)
 拍手(笑)
 ありがとうございます~^^

tnt様
 ありがとうございます~^^
 嬉しいです/////
 幻のでした~…けど、調子こいて
 このあと毎年するようになったりして?(笑)
 ありがとうございます~^^

tk様
 ありがとうございます~^^
 ライブってやっぱりその場の雰囲気が一番いいですけらね~^^
 そう言っていただけて嬉しいです♪
 ありがとうございます~^^

AHN様
 全員登場でした~(笑)
 体調は大丈夫ですか~?
 無理しないでくださいね(><)
 私は滅多に風邪ひかないので^^;大丈夫です~(笑)
 お気遣いもありがとうございます~^^

hrmm様
 ありがとうございます~^^
 名無しでしたけどhrmmさんかな~?と思ったら
 やっぱりでした~(笑)
 喜んでいただければ幸いです~(^m^)
 ありがとうございます~^^

nck様
 尚はね~(笑)
 みんな仲良しでhappyです(一応 笑)
 ありがとうございます~^^

 

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