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2013.12.25(水)
玄関で一回イタしてそのままお風呂連れて行かれてまたイタして…。
岳斗はちょっとのぼせ気味になってくったりとしながらソファに座り、千尋先輩に寄りかかりながらまたキスを交わす。
ちょっとでも離れたくなくて…。
好き…。
大好きだよ…。
千尋先輩をうっとりと見惚れながらそう思ったら千尋先輩がくすと仄かに笑った。
「ああ…俺も岳斗が好きだ」
「………っ!…俺、なんも言ってないよっ!」
「言っただろ?」
千尋先輩には丸分かりらしい岳斗の心の声に自分で照れてかぁっと顔が熱くなってくる。
「………言ったけど……」
恥かしくなって顔を俯けて千尋先輩の胸に埋まって小さく呟けば千尋先輩が岳斗の頭にキスしてくれる。
「どうして…お前は変わらずいてくれるんだろう…?」
「?」
何?
顔を上げたら千尋先輩が真剣な眼差しで岳斗をじっと見つめていた。
「………怖いんだ」
「怖い…?何が?」
「岳斗が」
「俺?」
「ああ………岳斗が…離れてしまったらきっともう俺はダメだ…」
どうして?
俺なんかいなくたって千尋先輩はいつでもすごいのに。俺が離れるなんてないのに。
「岳斗がいるから…岳斗が見てくれるから頑張れる。もっともっと…と思える」
「……そんなのいつもなのに…。昨日よりも今日、今日よりも明日…いっぱいいっぱい好きが増えてるのに…俺のほうこそ…俺…千尋先輩のために…何もできないのに…」
千尋先輩が仄かに口角を上げ、また軽くキスしくくれた。
「何もいらない…ああ…岳斗の好きと涙だけでいいかな…それだけあれば十分だ」
「そんなの……で?」
「ああ」
「そんなの……いつもじゃん!」
感動して泣くのなんか毎回の事だ!
「…俺の代わりに泣いてくれるしな…」
それだけでいいなんて…そんな事言われちゃったら…また泣けてくる…。
「今日のも……すっごい…よかった…なんで…?Linxでなんて…」
「深尾に…たまには仕事抜きでもいいだろうって。岳斗もただ聴いていたいって言ってたし…たまたま、尚と孝明がいたから…それならって…。……深尾にもせっつかれたというのもあるが…。どうも深尾がLinxがどんなだったか聴きたかったらしい」
「……俺…エール・ダンジュ好き。やっぱりいっつもすごいって思う。音の完璧さとかに気持ちいい位にぞくぞくする!…でもね…でも……Linx好きなんだ…。千尋先輩も…そうでしょ?今日…すっごく楽しそうだった!嬉しそうだった!」
「………ああ」
照れたように微笑む千尋先輩にぎゅっと抱きついた。
「泣いてたら見られない!勿体無いって!…思って我慢してたんだけど」
「…あれで?」
「あれで!」
くっと笑って千尋先輩が岳斗の目元を撫でる。
「お前の涙成分は枯れる事ないんだな?」
「きっと千尋先輩の分も貰ってるんだと思うよ?」
「…そっか」
「そ」
「でも!びっくりさせすぎ!…俺!ホントに…ぶっ倒れるかと思った!」
ぷっと千尋先輩がふきだす。
「そりゃよかった。岳斗に飽きられたら俺は廃人だ」
「飽きるなんて事ないってば。……千尋先輩の音すぐ分かった。あのグリッサンドだけで。だって全然違うんだもん。楽器違ったってやっぱり千尋先輩の音」
そしてぱっとライトが照ってタカ先輩と尚先輩がいた場面を思い出し、また感激を思い出してしまう。
「すっっっっ…っごく!よかった…」
「どうも。岳斗に喜んでもらえればそれでいい」
「もう!!!あんな事になるんだったらビデオでも持っていきたかった!撮っておきたかった!」
「ライブだから感激するんだろ」
「そうだけど…ねぇ!たま~にやっぱりライブハウスで今日みたいにしてほしい!大きいステージも勿論迫力あっていいけど…千尋先輩が近いのがすっごい嬉しかった!」
「…仕事でもなかったし?」
「そう!」
客席と近くてずっと千尋先輩だけ見られて千尋先輩と目が合うのがいい!…とか恥かしいから言えないけど!
「目、合わせられるし?」
「~~~~~っ!」
わざと千尋先輩が確認してくるのにかぁ~っとしてくる。
「そうですっ!!!仕事だと!ステージ広いと!ずっと見てる事できないし!千尋先輩ずっと見て!見てもらえるのが!…嬉しいんです…」
恥かしくなって千尋先輩に抱きついて顔を隠した。
「…………岳斗」
「ぅ、わっ!」
千尋先輩が掠れた声で岳斗を呼ぶと急に岳斗を抱きながら立ち上がったのに慌てて首に腕を回して掴まった。
「今度はちゃんとベッド行こうか」
にっと千尋先輩が笑った。
「へ?」
だ、だ、って…さっき、したばっかだけど…?
有無を言わさずベッドに連れて行かれて折角着た服をまた剥かれてしまうんだ。
…勿論それに対して岳斗が嫌、なんて言うはずない…。
特別な日の特別な夜に特別の人と過ごすクリスマスイブなのだから…。
fin.
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