大きな圧迫感が碧の後ろに宛がわれ、そして中に入ってこようとしていた。
「んっぅ…」
痛い、と思いつつもそんな事言ったら止めちゃいそうなので言わない。
痛くたってなんでもいいんだ。
「痛いか…?」
「いい…だいじょぶ……して……ほし」
ぐっと久世さんの腕が碧の腰を抱き寄せた。
「んあッ」
そしてさらに奥に久世さんが入ってくる。
ぎゅうっと久世さんの首に抱きつけるのが嬉しい。
「碧…」
「ぁっ…」
久世さんが碧の首を舐めてそしてキツく吸う。
手が碧の背中をなぞるのにもぞくりと官能が走る。
どこもかしこも感じすぎちゃう。
「んっあっ!」
ゆっくりと碧の孔が広がって久世さんをのみ込んでいくのが分かる。
いっぱい…だ。
狭い車の中で荒い息遣いが響く。
家に着くまでも我慢できないって事?それ位碧を欲しいと思ってくれてたって事?
それだけでもイきそうな位に嬉しく思えてしまう。
「久世さぁん……」
好き…だ。
独り占めしたい。碧だけ欲しいと思って欲しい。
一度だけだってありえないと思ってたのにこんな事されたら、好きだなんて言われたら、嫉妬するなんて言われたら、どうしたって期待してしまう。
碧の中が久世さんで満たされている。
「お…っきい…よ…」
「ああ…キツイ……」
そう言いながら下からぐっと久世さんが衝いてきたのに碧は顎を仰け反らせた。
「んッ!」
気持ちイイ。もっと…。
はだけたシャツに下半身は何もつけない碧に対して久世さんはスーツのまま。
でも息が熱くて身体は汗ばんでいる。
久世さんも感じてるんだ。
久世さんの大きな手が碧の腰を締めるように抱きしめ、下から突いてきた。
「ああっ!」
声がどうしたって出ちゃう。
身体を揺すられ、久世さんがキスを繰り返しながら下から穿ってくる。
「イイ…か?」
「んっ!もっと…してっ」
いくらでも欲しい。久世さんが嫌じゃないなら…いくらでも、いつでも。
ヤラシイ湿った水音もキスを交わすのも衝かれるのもなんでもイイんだ。
全部与えてくれるのが久世さんなら。
…こんなに盲目的になれるなんて、自分でも知らなかった。
車で…なんて…。
でもやっぱり嬉しいんだ。
「碧…」
下から突き上げる久世さんが大きく腰をグラインドさせながら碧を揺り動かす。短い息とキスの合間には喘ぐ声。
コレ、外から見たら絶対車揺れてるよな…と思わず余計な事を考えてしまう。でもいい。この瞬間久世さんの全部は碧のものだ。
俺だけの…。
久世さんにしがみつく腕にさらに力が籠もった。
離したくない…。一緒にいたい…。
そんな事思ってもいいのだろうか…?
久世さんからいて欲しいとは言われたけど。
でも…酔っ払って正体なくして誰と寝てるかも分からないで抱かれてた自分が…。
しかもそれが一人は社長で、抱かれた事がある事を久世さんは察しただろうに、それでもそんな事思ってもいいのだろうか…。
「碧…?」
「……いい、の?」
「何が?」
「だって…俺……」
久世さんが黙ってキスしてくれる。
「あとでゆっくり聞き出してやる。だがダメだ。離してやらない」
「…え?…あ、ああんっ!」
よりいっそう激しく久世さんが腰を碧に衝いてきたのに大きく声が出てしまう。
「…俺だけにしろ」
「久世さん…だけ…だよ……俺、こんな…の……好き、も…ほし…い…のもっ……」
そう、久世さんだけ。
碧って呼ぶのも久世さんだけ。
火事の時助けてくれたのも全部久世さんだけなんだ。
「碧」
さらに腰を手で押さえ、久世さんが奥に深く刺さってくる。
「い…い……」
「…ああ……イきそうだ……」
「イって…!おれ、も…もう…」
久世さんがイく位感じてくれてる。自分なんかに。
「あ、あああぁっ!」
ぎゅうっと久世さんにしがみついて身体を震わせ、後ろを締めると久世さんも碧の最奥深くで飛沫を吐き出すのを感じた。
青い月明かりの射す車の中で汗ばんだ久世さんの髪を碧がかき上げ、碧からキスすると久世さんも碧の頭を押さえ、荒い息が整わないまま何度も何度もキスを繰り返した。
それにまた感じてしまってきゅっと後ろに力が入ったら久世さんが短くうっと呻く。
「こら……止まらなくなるだろ…」
「いい……」
いくらでも…。
軽くから舌を絡める濃厚なやつまで、何度も何度もキスを繰り返した。
テーマ : 自作BL小説
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