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月からの甘い誘惑 71

 由紀乃さんと会ったって言った方がいいのかな…。
 どうしようと思いながら碧は帰りの久世さんの車に乗っていた。そういえば前に公園で会ったのも言ってなかったけど、久世さんも由紀乃さんから会ったって聞いたわけじゃないんだよな…。
 別に何も言われてないし。
 でもどうしようと悩んでしまう。

 それでなくとも、昨日は久世さんに俺の問題だと言い切られてしまったのもあるから…。
 久世さんに嫌われるのが怖くて臆病になっているとは思う。
 だって…絶対に嫌われたくないから…。
 「碧、今週は休みないのか?」
 「え?あ、と…今週はなしで、日曜と月曜連休にしてもらった。本当は土日がいいんだけど…有給でももらってたから無理だった」

 久世さんの休みに合わせたかったけど…。
 「お店だからな…。じゃあ日曜にチェストとか見に行こうか」
 「…………うん」
 碧の物を久世さんの家に置いていいんだ。
 ……というか、コレ同棲、か?
 ぶわっと顔が熱くなってくる。
 前は居候なだけだったけど…それでいい、んだよな…。

 「碧、住民票ってどこ?実家?」
 「え?いや、……あ、アパートないから替えなきゃないのか」
 「それはじゃあ月曜日にでも移動しといたら?」
 「………え、と…あの…」
 久世さんちの住所で、いい…の?
 「ウチの住所分かるな?」
 「う、う…ん」

 こくこくと碧が頷くと久世さんがくすっと笑っていた。
 いいんだ…。
 うわぁ、なんか…なんか…婚姻届みたいな感じがしてしまう。
 だってお役所からの葉書とかが久世さんちに碧宛で届くって事で、なんとなく気持ち的に認められたような感じに思えてしまう。
 別に決してそんな事ではないんだけど。
 あくまで心情的に、だ。
 久世方、椎名 碧になるわけだ。
 思わずぽよんとしてしまって頬を押さえる。
 たったこれだけで嬉しく思えるんだから、ホント不思議だ。
 

 結局そのまま由紀乃さんの事は言わずにその日も終わってしまう。
 次の日も。
 おまけに久世さんからも何もされる事もなくただ日は穏やかに過ぎるだけ。
 …えっちしたくない、のかな…?
 して欲しいと碧は思うけど、男で自分からして、も言えなくてただ悶々とするだけだ。

 毎日久世さんの腕は碧を抱きしめてくれるけど、でもそれだけ。
 久世さんがしたいと思わないのに碧から言えるはずないので、我慢。
 したいな、してくれないかな、と期待しちゃうのに空振り。男で自分から、も中々言えないのはプライドもあるのだろうか…?

 だって碧だって元々男が好きなわけじゃないし。
 久世さんだからして欲しいんであって他のヤツだったらいらない。
 風呂場で首のキスマークを確認すればもう消えかかっている。
 消えちゃうよ?いいの…?
 ここに久世さんがつけてくれたものが欲しい。
 どうしても社長にされた事を思い出す時がある。
 そして嫌な気分になるのだが、久世さんの痕が残っている分にはそうは感じないんだ。

 ……お願い、してみようか…。
 引かれない、かな…?
 店長にはキスマークでかでかとつけすぎって言われたけど…でもここは特別だ。
 そして万が一社長がコレを見てもきっと気づくはずだ。牽制になるはず。
 うん、やっぱ頼もう…。

 碧はドキドキしながらタイミングを待つ。
 風呂から上がってしばらくはテレビ見たりして…。
 寝るか、と久世さんが声をかけるのに頷いてベッドへ。
 「久世さん…」
 「うん?」
 ドキドキと大きく心臓が鳴っていた。
 引かれないかな?大丈夫かな…?

 「あの…ここ…消えそ…う………なんだ、けど……つけて、もらって……も、いい?」
 顔は久世さんを見られないので久世さんの首元に埋め、指で自分の首を指した。
 「あの!……ヤ…ならいい、です…」
 久世さんがどんな顔しているのか分からない。怖くて見られない。身体を小さく縮こませると久世さんの手が碧の顎を掴んで顔を上げさせられた。

 「……嫌ってのはなんだ?」
 「え?…あ、だって…ほら……俺、女でもないし…」
 「そんなの関係ないだろう。……碧」
 また久世さんの声が低くなったのに碧はびくっと身体を揺らした。
 「ごめ…な…さい…」
 「なんで謝る?謝る事じゃないだろう?」
 今度は溜息を吐かれる。 

 …呆れた…?

 なんでこう自分は久世さんを怒らせるか呆れさせることしか言えないんだろう?
 だから…えっちだってしたくもないんだ…。
 
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続きに拍手コメお返事です^^ 
 
mm3様
 そうなのですね~^^;
 碧ちゃんには久世だけです~(^m^)
 碧ちゃん、一応オトナですから(笑)考えます。
 でも久世からしたら余計な事!wwww
 ありがとうございます~^^

SR様
 久世は保護者のようですね~!
 忙しいですね(笑)
 恋人なったり父になったりwwww
 しゃちょさん…息を潜めて窺ってます(^m^)
 …いえ、嘘です(笑)
 あ、でももう一回出てきますけど^^
 ありがとうございます~^^

tsr様
 可愛いありがとうございます~^^
 攻めステキになってますかね?^^;
 なんかいつも結局バカ?って感じですが(笑)
 コリコリはひどいですね~(><)
 寒いからかな~?と思いつつ^^;
 私の凝りは治りませんが、
 tsrさんの疲れがすっ飛んでいただければ嬉しいです////
 ありがとうございます~^^

U様
 ピアスはずしちゃってたんですね~^^;
 あ、私も話の中では好きです(笑)
 私は開けてないんです~(T-T)
 開けたかったんですけど、化膿しやすい体質なので
 怖くて…(--;)
 親知らず抜いた時も化膿して大変でした↓
 久世はそうですね~ちゃんと後でフォローしてます~^^b
 ありがとうございます~^^

AHN様
 あけおめことよろです~^^
 大分ひどそうでしたけど大丈夫ですか~?(--;)
 あまり無理しないでくださいね~(><)
 AHNさんにとっても素敵な一年になりますように~^^
 まずは体調回復が一番ですよ~!!!
 ありがとうございます~^^ 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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