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月からの甘い誘惑 76

 碧の店の他のやつ等はもうどこかに行ったらしいのに一番見たくない奴が残っていた。
 碧の肩に力を入れて抱き寄せる。

 「嫉妬深い男は嫌われるぞ?」
 ふんと鼻で笑われたのに久世がカチンときた。
 こいつにつけられたキスマークの所に自分がマーキングしているのをちゃんと見て、分かっての言葉だろう。
 そんなの言われなくとも分かっている!だがどうしたって止まらないんだから仕方ないじゃないか!
 デカい器でいたいと思っているのに…碧に関してだけはどうしてもダメだ。

 「嫌いになんかならないから大丈夫です~!」 
 べーっと碧が久世の胸の辺りから自分とこの社長に向かって舌を出している。
 ……22歳の男の行動じゃないだろ、と思いながらも可愛い、と思わずじっと見てしまう。
 しかし、自分の会社の社長に舌出すとか、普通はありえない事だ。
 それだけ、碧の中で、こいつにはこんな事をしても怒られないと分かっている事でそれ位信じているのも分かってしまう。

 案の定芹沢はそんな碧をくっと笑うだけだ。
 「その可愛い舌を舐めてやろうか?」
 「いりませんっ」
 慌てて碧が久世の背中に移動する。
 自分の手の届く範囲に碧が戻ってきたのにひどく安心してしまう。もうそれまではぎりぎりと胃が痛くなってしまいそうな位に心配で仕方ない。

 「久世さん、帰ろ!」
 「……ああ」
 碧の顔が嬉しそうに笑っているのに安心する、と久世も顔も緩んでしまう。
 そんな顔を社長がじっと見ていた。
 「やにさがった顔だ」
 「ほっといてください」
 いちいちうるさい男だ。

 「未練がましい男も嫌われるんじゃないですか?」
 ふふんと久世が笑ってやれば芹沢という男はぴくりと片眉を動かした。
 「好きなくせに認めないってのもね…今更もう遅いですから。碧は俺のもんです」
 「誰が好き、だ。そんなわけあるか。人の物などいるはずなかろう!」
 プライドの高い男なはず。ちょっと仕返しをお見舞いできて久世の溜飲が下がった。
 そしてその社長はくるりと背を向けると何も言わずに去っていった。

 …もう大丈夫かもしれない。
 ほうっと久世が息を吐き出すとどうしたの?と碧がきょとんとした目で見ていた。
 「…なんでもない。さ、帰ろうか」
 「うん」
 カワイイ返事にやっぱりどうしても3歳しか違わないなんて思えない。
 「碧、酔ってないか?」
 「うん!そんなに飲んでないから大丈夫」
 にっと得意そうに言う碧を早く連れ帰りたくなる。

 「眠くもない?」
 「眠い?なんで?まだ時間早いし眠くないけど?」
 車は置いてきてたので一緒に歩いて電車の駅に向かう。
 「明日は碧休みだろう?思いっきり遠慮しないで抱いても?」
 碧の肩に手をかけ耳に囁くとその耳まで碧が真っ赤にする。
 「い、い、…いい、よ」

 「でもあんまり激しいと明日動けなくなってしまうか…?」
 「あ、あ、あの…こんなとこで…言うのやめようよ…」
 碧が照れくさそうに顔を俯けているけど嫌ではないらしいのにほっとしてしまう。
 「じゃあ帰ったら、な…」
 「…ん」
 俯きながらこくんと頷くのにホントにヤバイと思う。
 それなりに遊んできたらしいけど、全然碧は擦れてなくて反応が可愛すぎる。

 あの社長にこんな所は見せてないのだろうか?見せてたら絶対止められるはずないと思わず思ってしまう。
 …つくづくよかった、とほっとしてしまう。
 それにしたって心配である事には違いないけど。
 「社長も早く本気の相手見つければ?って言ってやった!」
 「うん?」
 「だって!全然違うんだもん。社長そんなのいらん、って言ってたけど、知らないからそんな事言えるんだ。俺、全然違うもん」

 「本気?」
 「うん……え…?久世さん…は違う…?」
 途端に碧の表情が不安に揺れだす。
 「本気だから見合いも断ったんだろうが」
 「………ん。俺…責任持って久世さんの面倒みるね!……っていうか、面倒みてもらってるの俺のほうな気するけど…」
 「そんな事ない。碧がいなかったら、ほら…きっとすぐにマンションは元の惨状に戻る。綺麗を保っていられるだけでも凄いことだ。……いいけど、碧は嫌にならないか?つい俺はぽいぽいと置いて歩くから」
 「全然?仕方ないなぁ。かわいいなぁ~っては思うけど。だってぽいぽいの所あると俺いなきゃダメだなぁって思えるし」
 「…そうか…?」
 「そう!」
 自分のダメなところも碧にはダメじゃないらしいのに思わず久世はふっと笑みが零れた。


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続きに拍手コメ、メールお返事です~^^ 
mm3様
 ビーム出てるでしょ?(笑)
 割れ鍋に綴じ蓋な二人でした~~~wwww
 胸焼けまでまだですか~?^^;
 足らんかしら?(^m^)
 ありがとうございます~^^

S様
 風邪は大丈夫でしょうか~?あ、腹筋も…^^;
 うーん…何か?って抽象的でよく分かんなかったんですけど^^;
 なのでお聞きしたかったのですが…(--;)
 うーん……もっとやんちゃ…うーん…
 悩んどきます~…
 
SR様
 お弁当作りご苦労様です~(><)
 しゃちょーはねぇ~…^^;まぁまぁ…(笑)
 久世はもう~突き進みまくりですね^^;
 一度認めちゃったらもう~…(笑)
 シャチョーと久世の決闘でした~^^b
 シャチョー敗北wwww
 ありがとうございます~^^

mu様
 電子書籍までありがとうございます~(T^T)
 いいけど…お友達と……^^;
 リアでお友達とお話出来るのいいですね~♪
 って!私の事で…がちょっと恥かしいですが/////
 嬉しいです~~~(T-T)
 ありがとうございますm(__)m
 変人って書いて紳士!(爆笑)
 ウチの子みんなですけど~~~~(大笑)
 ありがとうございます~^^
 

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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