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月からの甘い誘惑 番外編1

 何が本気だ!
 そんなもの邪魔なだけだ。
 蕩けそうに幸せそうなシーナとやにさがったバカな男の二人に苛立って芹沢 洸生(こうせい)は大股で通りを歩いていた。

 むしゃくしゃしていた。

 「にーちゃん!いくらだよ?」
 「やめてくださいっ」
 通りで酔っ払いに絡まれているやつを見つけた。
 別に助けるつもりなんかじゃなく、ただ何かに当たりたかっただけだ。
 洸生はぐいと酔っ払いの肩を引き、そして思い切り頬を殴ってやる。
 離れていても酒臭い匂いがぷんぷんしてくる位で何があったかなんてどうせ覚えていないだろう。
 ちょっとだけすっきりして、そのままそこから立ち去ろうとした。

 「あの…ありがとうございます」
 絡まれてた若い男が再び大股で歩き出した洸生の後ろを走って追いかけてきた。
 「別に。むしゃくしゃしてただけだ」
 「それでも!…ありがとうございます」
 歩きながら隣に並んだやつを見ればなるほど男なのに綺麗な顔をしていて色気がある。
 いくつ位か。シーナ位か?22、3歳位だろう。
 カッカッと歩く洸生にどこまでもついてくるのにぴたりと立ち止まった。

 「なんだ?抱いて欲しいのか?ならば丁度いい。ふられたところだからな」
 「…あなたをふる人なんているんだ?」
 くすりと笑みを浮べた若い男に洸生はどうせ一晩だけならいいだろうと肩を抱き寄せた。
 「名前は?」
 「ユウキ」
 どうせ本名かどうかなんて分かりもしない事だ。
 「こい」
 そのままユウキを連れ一番先に目に入ったホテルに連れて行った。
 
 洸生は苛立ったままユウキをベッドに放り、服を脱がせていく。
 きっとシーナも帰ってからあの男に抱かれているのだろう。
 シーナと寝たのは一度きり。いや、今まで洸生はほとんどが一度きりだ。男も女も。
 二度目を自ら望んだのはシーナだけだった。
 望んでも叶いはしなかったが…。

 洸生の八つ当たりと言っていい相手になったユウキの身体はしなやかだった。
 キスも悪くない。
 「んっ…」
 綺麗な顔が官能に歪むのもいい。たまたまの偶然だったが寝る相手としては悪くなかった。
 自分から誘ってくる位で後ろも緩いのかと思ったら全然緩くなく具合もいい。
 腰を揺らして誘ってくるのにゴムをつけて自身をユウキの中に埋め込む。

 「あ、ああっ」
 黒い髪と白い肌もそそられる。
 首筋にキスを落としてキスマークをつけてやる。シーナと同じ所に。今はシーナにはあの男の痕になっているが。
 「イイか?」
 「イイ…っ!…もっと…」
 誘われるまま腰を打ちつけ淫猥な音を響かせた。
 ユウキの嬌声と誘う腰に何度も洸生は精を放っていた。



 はっと目覚めて見知らぬベッドで洸生は頭を抱えた。
 嘘だろう…。
 朝になっていた。それはいい。だが一緒にいたはずのユウキの姿はベッドにも部屋にもどこにもなかった。
 ……やられたか…?
 よりにもよって見知らぬ相手の前で正体をなくして眠りこけていたなんて…。
 ぐちゃぐちゃのベッドで真っ裸の自分。いなくなった相手。

 自分にとっては有り得ない失態にはぁ、と溜息を吐きながら脱いだスーツのポケットを確かめた。
 「おや?」
 金もカードも無くなっているものだと思い込んだがどうやら何もなくなってはいないらしい。
 携帯もなにもかも全部ある。
 金も細かい数まで覚えてはいなかったがどうやらなくなってはないらしい。

 「………なんだったんだ…???」
 金目的か、と思ったがそうではなかったのか。
 なんにしろ自分のバカさ加減に洸生はもう一度溜息を吐き出した。
 いくら苛立ってたといったってバカだろう。
 たまたまこうして何事もなかったようだからよかったものの、もしこれで盗難にでもあってたら目も当てられない。
 洸生はシャワーを浴び着替えをするとさっさとホテルを出た。

 朝の光りが頭に沁みる。
 昨日は思っていたより飲んでいたのだろうか?
 ユウキと言った、勿論本名だなんて思ってもいないが、あれも夢か?と思いつつも夢じゃないだろうと打ち消す。
 何しろぐちゃぐちゃのベッドという残骸が残っていた。
 じゃ、なんだ?金じゃなくて本当に抱いて欲しかっただけか?

 その本人がいなくなっているのだから問いようもないし、どうせもう会う事もないのだから気にする必要はない。
 被害に合わなくてよかった、と思っていればいい事だ。
 ラブホで警察沙汰など最悪だ。
 しかし気分はよくはない。誰の前でも眠りこけたことなどなかったのに。
 やっぱり、シーナとバカ男のせいだろう。
 ………何が本気だ。
 結局シーナと嫉妬男の所為だ!と罪をなすりつけ、むかむかしながら洸生は自分のマンションへと帰った。

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続きに拍手コメお返事です^^
 
hrk様
 Linx結成の方も喜んでいただけてよかったです~^^
 そう言っていただけると本当に嬉しいです////
 ドラム君いました(笑)仕方なく…^^;
 出さないわけにはいかんでしたね~(笑)
 碧の方も~…(^m^)
 新婚さんなので(笑)
 社長との睨みあいに久世はちょっとすっきりです^^
 ありがとうございます~^^
 偏頭痛はひどいですよね(><)無理なさらないようにしてくださいね~!

nck様
 スミマセン~(><)
 直させていただきました…
 なんでこう何十回見てもあるんでしょうね~↓
 すみませんです…m(__)m

SW様
 はい、きましたです(笑)
 ハピエンはどうしてもね…^^;
 リアじゃそんな上手くいく事なんてないけど、
 話くらいはね~^^
 社長にはヒワイがよく似合いそうですけど(笑)
 ありがとうございます~^^

mm3様
 丸くおさまりました^^;
 魔王様怒ってるんじゃないんですけどね~(笑)
 老けて見えるけど…からのくだりから(笑)
 可愛くみえますか?よかったです(^m^)
 ありがとうございます~^^

S様
 お嬢様動じずでした^^;
 終わりは終わりだけど、まだ(笑)
 ありがとうございます~^^

tk様
 モヤモヤなくなったのであまあまいちゃいちゃでしょう~^^
 自分に自信がないのは誰でもですよね~(--;)
 番外編…スミマセン…余計な人の話でした(笑)
 ありがとうございます~^^

tsr様
 可愛いありがとうございます~^^
 大人CPいいですか?(^m^)
 乱視ひどいの分かります~(><)
 私は信号とか…^^;
 日中はいいんですけどね~(--;)
 お優しいお言葉こちらこそ
 いつもありがとうございます~m(__)m

名無し様
 ありがとうございます~^^
 明羅と怜ですか~^^
 嬉しいです////
 何回も…もありがとうございます~^^
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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