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月からの甘い誘惑 番外編7

 はっとして洸生が目を覚まし、そして目を開けると腕に感触があった。
 どうやら今日は消えていなかったらしい。
 黒い頭が洸生の胸に埋まっており、そのまま首を巡らせて時計を確認すればすでに10時を過ぎていた。
 随分ぐっすりと眠っていたらしい。

 「遼」
 「……ん……」
 声をかけると遼がもぞもぞと動き出す。
 「起きろ」
 朝の光の中の遼も悪くない。天使の方だな。夜が悪魔。
 ……またイメージの事を考えてしまう。
 「お前、ちょっと写真撮らせろ」

 「んん?…何?写真?」
 寝ぼけたままの遼に声をかけた。
 「ああ。会議に持っていくから」
 「……いいけど…俺でいいの?ホントに?素人なのに?」
 「ああ。俺の目に間違いない」
 「………自信家なんだね?」
 「いいや?確信してるだけだ。通ればカメラテストとかして、服が上がり次第撮影に入る。……それの手配もしないとな…」

 起きたばかりなのに洸生の頭の中は仕事モードに入り、スケジュールを考える。
 「あ、とその前にお前の親だ」
 「何も、反対も言わないと思うけど」
 ふわ、と大きな欠伸をしながら遼が伸びをするとまるでしなやかな黒猫が伸びをしているみたいだ。
 ああ、黒豹でもいいな…。

 ブランチを食べに外に出て、ついでに遼の親に電話してアポを確認。
 洸生は会社に寄り、モデルの契約書を持って遼の両親の勤める大学まで行った。
 遼の両親は夫婦で大学の研究チームにいるらしい。
 ……研究者なんて者はやはりどこか変わっている感じだ、と遼を放っておいている親に自分がした事は棚に上げて思ってしまう。
 両親は遼がしたいなら、と説明もそこそこに簡単に契約終了。

 ね?と遼が肩を竦めている。
 いいのか?これで?と洸生の方が心配になってくる。
 そのまま遼を連れて自分のマンションに戻ってくると、リビングのテーブルなど、少し避けてスペースを作りデジカメで遼の写真を撮っていった。 
 写り具合を見れば写真映りもやはりいい。

 写真を撮るのは素人の洸生でも遼の映り具合がいいと思える写真になっているのに、プロだったらもっといい出来になると期待できる。
 「お前学校あるから撮影は週末でいいのか?拘束するようになるけど」
 「いいよ。その間…ここに…洸生さんとこ、いていい…?」
 「そのつもりだ。撮影にも俺がついていく。俺は自分で見て確かめないと気がすまないからな」
 とくにモデル使う時はそうだ。自分が見て納得したものでないと決してOKは出さない。

 「じゃ、いいよ何でも。全部洸生さんにお任せする。俺、分からないし」
 「ああ。お前の親にも言ったが責任もってお前の事は預かる。……ってそれでセックスしてちゃまずいか…」
 「まずくないからいいよ」
 「……………お前が脅してきたんだろうが!」
 「そうだけどぉ……ねぇ、洸生さん?このDVDの山ってなぁに?タイトルないけど」
 遼がテレビ下のボードに無造作に突っ込んであったDVDを指差しながら聞いてきた。

 「ああ?多分コレクションのだろう」
 「コレクション?」
 「そう。大昔のな」
 「大昔???つけてもいい?」
 洸生が肩を竦めると遼がデッキにセットする。
 自分で自分の姿は見たいものではないので洸生はテレビから離れて寝室に置いてある小さなテーブルの前に座り、また紙に向かってペンを走らせた。

 洸生がさらさらと浮かぶデザインを書いていると、しばらくして遼がばたばたと走ってきてどんと座っていた洸生の背中に張り付いてきた。
 描いてる時は邪魔しないヤツだと思ったのに。
 「洸生さん!だ!若いよっ!」
 興奮して遼の顔が真っ赤になっているのに洸生は毒気を抜かれた。

 「カッコイイ!!!」
 「……どうも」
 そしてまた走ってリビングの方に戻っていく。
 なんだったんだ?
 モデル時代のもので自分では見ないからただ置いてただけだったのだが。
 気になってリビングに行けば遼が食い入るようにテレビを見ていた。

 「王様みたいだね…。堂々として…かっこいい…」
 「……お前もウォーキングの練習もしないとな。見てやるか…お前ちょっとここ歩いてみろ。今俺の映像見ただろう?ああいう歩き方。してみろ」
 遼がすくっと立ち上がって歩いて洸生の方に向かってくる。
 「…初めてで悪くはないが…レッスンは必要だな…」

 そこからは急遽遼のウォーキングの練習になった。
 「見られる事を意識しろ。足先指先まで集中。頭は上から引っ張られているようにだ。ほら、足に神経いってない」
 「…難しい!」
 「全部意識だ」
 洸生が歩いてみせると遼がじっと見ていた。
 「……がんばる」
 根を上げない遼に洸生がくっと笑った。
 コイツは負けず嫌いなんだろう。そういやシーナにも対抗意識を燃やしていたんだ。
 ……そういうやつは嫌いじゃない。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^
 
mm3様
 ありがとうございます~^^お伝えしておきました~^^
 社長懲りないですぅ(笑)開き直ってます^^;
 いかんでしょ(--;)…いえ、いいのか?(笑)
 ありがとうございます~^^

SR様
 これもプリティーウーマンかな?(笑)
 瑞希もだったけど^^;
 社長崩れまくりの振り回されて崩壊してますね…確かに(笑)
 函館はすごーくよかったですよ~^^
 京都は3回行ってるのですが、新撰組ハマる前だったので
 新撰組関係は行ってないんですよ~(><)行きたい……
 ダイエット…それ言ったら私もです~(T-T)
 マジやばい(--;)願望入ってるので(笑)
 細い子羨ましい……(泣)
 ありがとうございます~^^

匿名ちゃん様
 寒いですね~(><)お気遣いありがとうございます~^^
 社長はそうなんですね~!言ってないんです~^^;
 遼は気にするっていうのにね~(><)
 シーナ遊びwwww確かに~(笑)
 ありがとうございます~^^

tsr様
 午後もニヤニヤ…大丈夫でしたか~?(笑)
 人がいる時は顔は引き締めてくださいね~^^;
 ありがとうございます~^^

S様
 おお!拍手200000超えたんだ…^^;
 ありがとうございます~~~(^m^)
 若さんにはお伝えしましたので~!
 あとコメントは若さん宛てかなぁ~と思ったので
 直接お返事ウチのコメ欄に書いていただきますので~^^
 多分今日書いてくれるはずです~^^
 勿論…悲しいですよ↓
 ありがとうございます~^^

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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