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僕の好きな人 17

 「あ、ご、ごめん、なさ……」
 「いい」
 慌てて世那から離れようとしたけど、世那が譲を離さなかった。
 だって!見られちゃった!世那は譲と義理の兄弟になったなんてきっと知られたくないのに!
 「高橋くん、警察行く?」
 「け、け、け、警察…?」
 宮下会長の言葉にぶるぶると首を横に振った。

 そんなの!恥ずかしい!女の子ならまだしも、男なのに…。
 一応会長は小さい声で譲と世那にだけ聞こえるような囁き声だった。
 「いい、明日からちゃんとついててやる」
 世那が譲の耳元に囁いてくれて、こくんと譲は小さく頷いた。
 世那がついていてくれるんだったら安心だけど…でも、世那はいい、の…?
 譲の事は知られるのは嫌だったんじゃ…?
 そっと譲が顔を上げるとなんだ?と小さく世那が聞く。
 そしてなんでもない、とやっぱり小さく首を横に振った。
 だって、何も言わなければ世那がついててくれるんだ…。

 「降りるぞ。…譲、大丈夫か?」
 「…う、うん」
 世那の胸から離れたけど不安で世那の袖口を掴み、学校の駅に着いたので電車から降りた。
 「………何?天間…?そういう事なの?」
 「はぁ?何言ってんだ?コレは義理の弟になったんだ。コイツの母親と俺のオヤジが結婚したんだ」
 むっとした口調で世那が会長に説明しているのを譲は顔を俯けたままで聞いていた。 
 世那の袖口は掴んだままだ。
 でも世那は何も言わない。

 「高橋くん?本当なの?」
 「…え?何、が…?」
 「義理の兄弟って」
 「あ、……はい…」
 小さく譲は頷いた。
 あ、今、世那が会長に言ってたんだ…。ぼうっとしてた。聞いてたけど頭がなんか考える事が纏まらない。
 気になるのは世那が譲なんかと義理でも兄弟なんて思われるのやだったはずという事…。
 「ごめ…な…さい…」
 つんと小さく世那の袖口を引っ張った。
 離れた方いいって分かってるのに離れたくなくて世那の袖口は掴んだままだ。世那が何も言わないからいい気になって。

 「…譲?…どうした?」
 世那が譲の顔を覗きこんできた。
 ずっと潤みっぱなしだった目で、譲は唇を震わせてどうにか涙を堪えていた。
 それでも世那は譲に嫌な顔をしない。…優しいから。
 小さく譲は首を横に振った。
 「宮下。コイツ保健室連れてくから1限目休む。言っとけ」
 「………お前に言われるのは癪に障るが…分かった」
 「譲、こい」

 世那が譲の鞄と自分の鞄を宮下会長に渡し、そして譲の掴んでいた袖口を離させると肩を抱き寄せてくれた。
 さっきよりも世那と距離が近くなって安心が高まってしまう。
 そのまま教室にも行かずに世那に連れられて保健室へ。
 「あら世那?どうしたの?」
 「ちょっとコイツ休ませて。俺は付き添い」
 「付き添い~?」
 「そう。コレ弟だから」
 世那はそう言って、シャッとベッドのカーテンを引っ張った。

 「座れ」
 世那がそう言いながら譲を保健室のベッドに座らせた。
 「………大丈夫か?…何された?言ってみろ」
 「……最初は混んでて…ぶつかってるだけだと…思っ…て…そしたら…手、離れなくなって……」
 世那が譲のデカイ眼鏡を取り上げた。
 「譲…ついててやればよかった…」
 「ちが…世那は…」
 ぶんぶんと頭を横にふると涙が零れてきた。

 「…みっともない…ごめ、な…さい」
 「みっともなくなんかねぇよ。明日からはちゃんとついててやるから」
 「で、も……」
 「でも?」
 世那が譲の両頬を挟むと顔を上げさせ、零れた涙を拭ってくれる。
 「ごめ…な、さい…」
 「さっきからなんで謝ってばかりなんだ?」
 世那が怒ったように言うのにびくんと体を竦ませた。

 「………怒ってんじゃねぇ。言ってみろ。何がごめんなさいなんだ?」
 「…世那…は…僕みたいなの、と…兄弟、って…やでしょ…?なのに…ばれちゃって…ごめな…さい…」
 でも嫌わないで…。
 涙がますます止まらなくなってくる。
 「はぁ?何言ってんだ?……ああ、ほら、もう!泣き過ぎだ」
 世那がごしごしと譲の涙を袖で拭ってくれる。
 「まず泣くのやめないと…。瞼腫れるぞ?」
 だって、止まんない。

 「仕方ねぇな…」
 ほら、と世那が言ったと思ったら目の前が真っ暗になった。
 …え?
 背中にまわされた世那の手が優しくとんとんと譲をあやしてくれている。という事は目の前真っ暗は世那の胸だ。
 世那の心臓の音が聞こえる。
 ドキドキとビックリで譲の涙はすぐに止まってしまった。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^ 
tsr様
 痴漢に拍手wwww
 ですね^^
 呼んじゃいました~^^そして呼ばれたらそりゃもう即座に!(笑)
 ガンミで録画wwwwしたいですね^^b
 おさらいもしていただけたのかな?(^m^)
 ありがとうございます~^^

S様
 そうなんです~!もう大見得切ってイチャコラ。
 そして壊れていく…wwww
 ありがとうございます~^^

SR様
 夢の国からわざわざありがとうございます~~~(><)
 ほんとに子ウサギになって言ってもらいたいもんです…(--;)
 …私は無理ですけど…^^;
 カッコよすぎになってますか~?う~ん…やばいな…^^;
 ありがとうございます~^^

mm3様
 やっと呼びました~^^
 目の前に会長さんいるのにねぇ~!
 刷り込み完了です~^^b
 ありがとうございます~^^

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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