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僕の好きな人 18

 「俺が譲を兄弟ってばれるのが嫌だ?別に俺はそんな事思ってもねぇけど?」
 「だってっ!」
 …あ、と譲は口を閉じた。
 「いいから言ってみろ」
 譲が泣き止むと世那も並んでベッドに座った。そして譲は相変わらず世那の袖口を掴んでいる。
 言って、いいの…?
 世那はホントに怒ってるとかはないようだけど…。

 「…世那…初めに…兄貴じゃない…って言ったし。……学校、近くなると…世那離れ、ちゃうし……すたすた行っちゃう…帰りも…声かけんな、って感じ、だった…」
 「……………お前が嫌かと思ってたんだ」 
 「…え?」
 「初めは…俺が何かちょっと言っただけでも譲はびくびくしてただろ。…今だっていくらかはしてるけどな。学校で俺の事なんて言われてるか分かっている。1年の中でも、だろ?」
 「だ、って…それは…知らなかった…から…」
 「別に間違っちゃいねぇ部分もある。でもカツアゲとかはした事ねぇぞ」
 むすっとしたように世那が言ったので譲は思わず笑ってしまう。

 そんなの、分かる。
 「兄貴じゃないって言ったのは初めは……ああ、でも……まぁ、兄貴じゃねぇな……」
 「え!?…………やっぱり……」
 「やっぱり…?」
 兄貴じゃない、と言う世那に譲はしゅんとしてしまう。
 「僕が、や…だから…?」
 「嫌って事はねぇよ。嫌だったらわざわざここでこうしてねぇよ」
 袖口を掴んでいた譲の手をぽんと世那が軽く叩く。

 「……本当?」 
 「ああ。お前こそ、俺と義理でも兄弟って知れてもいいのか?」
 「いい!……世那、離れるのヤだった…」
 「あ~~~……」
 世那が頭を抱えていた。
 「?」
 「……………なんでもねぇよ」
 世那が苦笑を浮かべていた。なんか変な事言ったのかな?

 「…もう大丈夫か?」
 「………ん」
 小さく頷く。
 「明日は…学校まで、世那…一緒?」
 「ああ」
 よかった、嬉しい、とほっと安心する。
 「…ほら」
 外されてた眼鏡を渡されて自分でかける。
 「…うん、それでいい」
 世那が頷いていた。

 「何が?」
 「お前はその野暮ったい眼鏡かけとけ」
 「かけなきゃ見えないもん」
 目が近視で本当に悪いんだ。超うすレンズでもどうしても厚みが出てしまうくらい。だからフレームも太いものになってしまうんだから仕方ない。
 でもこれでいいの?

 「宮下会長はコンタクトにしないの?って聞いて来たけど…」
 チッと世那が舌打ちする。
 「しなくていい」
 「出来ないよ。コンタクトなんて怖くて目に入れられないもん」
 「………」
 きょとんとして世那が譲を見ると今度はふき出した。
 「それでいい」
 何がそれでいいのか分からないけど…。
 それより…。

 「世那……宮下会長とお友達だったの?」
 「ああぁ?」
 今度は眉間に皺をよせて怖い顔。
 「んなわけねぇだろ」
 んなわけないって言われても…。
 世那が手を伸ばして眼鏡の脇から譲の眦をくいと拭うように触った。
 もう涙は出てないはず…。
 世那の目がじっと譲を見ていたのにどきっとした。
 「ちったぁ目赤いけど大丈夫だな…」
 慌てて譲は顔を伏せた。

 「だ、いじょうぶだよ…。眼鏡で見えないだろうし…」
 なにこれ…どきどきする。
 その時授業終了のチャイムが鳴った。
 「じゃ、帰りな」
 「…あ、うん」
 袖、離さなきゃないんだ…。
 「世那…」
 「……名前、呼んだな?」
 確認するように世那がくすっと笑って言ったのに譲の顔がぐわっと顔が赤くなった。
 「だ、って…っ」
 ずっともう何日も呼んでなかったけど…。

 「ちゃんと呼べ。助けてやる」
 「う……ん……」
 うわぁ、と恥かしくなる。世那の声と手と…なんか全部が優しい感じがするのに顔はますます熱くなってどきどきがさっきより大きい…。
 「ほら、教室戻るぞ」
 とん、と世那に背中を押され、譲が立ち上がると、シャ…と世那がカーテンを開けた。

 「なんだ?世那、もういいのか?」
 「ああ。サンキュ」
 保健の先生に慣れた様子で世那が話している。
 何?
 保健の先生は若い女の人で…、美人だと思う…。
 なんで世那の事名前で呼ぶの…?
 世那もなんでそんな親しげなの…?
 譲は世那の後ろに隠れるように立って、世那の腕のあたりをきゅっと掴んだ。

 「…なぁ…世那?」
 「ああ?何だ?」
 まだ世那と保健の先生と二人の親しげそうな会話が続いてるのにやだな、と思ってしまう。
 「お前…それ…マジ…か…?」
 「……多分?」
 「嘘だろ…」
 譲、と世那に名前を呼ばれ、そして世那に連れられて保健室を後にした。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^ 
S様
 もう世那、世那、世那、…です^^;
 そしてそうなんですね~!
 すでに入籍済みwwww
 スキンシップはもう~止まりません(笑)
 ありがとうございます~^^

SR様
 酸欠大丈夫でしょうか?(^m^)
 オバチャンって…SRさんオバチャンだったら
 わたしゃオバーチャンか…(--;)
 世那は譲オンリーでデレですね(笑)
 ほんとにねぇ~…子ウサギは羨ましいです(笑)
 お誕生日おめでとうございます~!まだまだ可愛い~!ですね!^^
 外食もいいですね~(^m^)
 楽しんできてくださいね~^^

tsr様
 甘い~////(笑)
 放送かけてきますか?wwww
 学校内は噂ですね~~(^m^)
 会長かばん持ち~~~!(大笑)ええ!そうなんですけどね^^b
 かこいいもありがとうございます~^^
 午後も頑張ってくださいね~^^/

nk様 
 一番じゃなくても~~~^^;いつでもいいですよ~(^m^)
 嬉しいお言葉ありがとうございます~////
 ウチの子…勿論私も子です~wwww
 崩れ具合…^^;スミマセン(><)って感じになっちゃいますけど(笑)
 楽しんでいただければ嬉しいです~^^
 お仕事も無理しないで頑張ってくださいね~(><)
 ありがとうございます~^^

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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