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僕の好きな人 22

 昨日は男のくせに痴漢にあったのにちょっとショックだったはずなんだけど、世那のおかげでなんか全然平気みたいだ。
 案外自分は能天気だったのかなとも思ってしまう。
 「おはよ~」
 「ちょっと高橋!」
 クラスに到着すると女子に腕を引っ張られて囲まれた。
 譲よりも背の高い女子もいてちょっと怖い。

 「………どっちが本命?」
 「はい?」
 囲まれ、顔を突きつけられるようにしてでも小さい声で聞かれた。
 「言わないから教えて?」
 「何を?」
 「生徒会長と天間先輩、どっち?生徒会長も捨てがたいけどありがちだし~。ちょっとワルっぽくて義理の兄弟ってシチュで天間先輩推しだけど。……義理の兄弟ってホントにホント?」
 「あ、うん…それは本当だけど…」
 「一緒の家?」
 「……うん」

 女子の目が…なんか怖い。
 「絶対天間先輩っていい身体してるよね…」
 「してるけど…」
 見たの!?と周りの目が異様に輝くのに譲は小さくなった。
 「間違いなく高橋受けだし!」
 受け!西高の女子にも言われた。
 世那は教えてくれなかったけど…。

 「ね…受けって何?」
 マジで!?と驚かれる。
 「う~わ~!見た目だけかと思ったらマジ天然?………っていうか、……ちょっと眼鏡取っていい?」
 ダメ、と言う前に目の前の女子が譲の眼鏡を取り上げた。
 キャー!と声があがる。
 「か、返して」
 「返す!返す!」
 すぐに返してくれたのにほっとするけど…コレってイジメ?

 ちょっと、アレ高橋に貸してやったら?と別の女子が言って不透明なビニールに入った物を手渡された。本?
 「高橋、コレ貸したげる!勉強してね!」
 「勉強?」
 中をみようとしたらキャーと止められた。
 「家で見て!学校で開けちゃダメ!分かった!?」
 「……うん」
 「受けっていうのはヤられてる方の事だよ?」
 「?」
 「中見れば分かるから」
 「…そう?」
 皆誰でも知ってる事?
 「そうそう!で、あと本命教えてね?」

 本命って…好きなのは世那だと思うけど何もわざわざ人に教えてやる必要はないはず。
 返事しないままでいたら女子に囲まれていたのが解かれ譲は席に座った。
 イジメでもなかったらしい。
 「何?高橋?どした?」
 「………よく分かんない」 
 学校じゃ開けちゃダメって言われたのでそのままビニールの袋は鞄の中に入れる。
 何だろう?と思いつつあとはそれの事など忘れてた。
 

 外は雨と風もかなり強くなってきて午後の授業は会長の言っていた通りに打ち切りになった。
 部活もなしで一斉下校。
 世那が迎えに来てくれてじゃ、とクラスの奴等に手を振って廊下に出て世那の隣に並んだ。
 「外すげぇぞ?」
 「うん…電車まだ大丈夫かな?」
 「まだな。あとはどうだかな…」
 雷はまだ鳴ってないみたいだ。

 「でも濡れそう…」
 「…濡れるな」
 はぁ、と世那も嫌そうに溜息を吐き出した。
 「どうせ繰り上げるなら昼前にしてくれりゃよかったのに」
 仕方なく大雨の中帰る。電車の中はいいけど、駅から歩くうちにどうしても濡れてしまう。西高も切り上げになったらしいけど、さすがにこんな日には絡んでこないらしい。

 二人でびしょ濡れになって家に到着。
 「譲、制服脱いでそのままシャワー行って来い」
 「え?だいじょ…」
 「いいからいけ。制服は乾燥機突っ込んどいてやる」
 「…うん」
 世那に脱衣所に押し込まれて濡れてへばりついた制服を脱いで風呂場に入り熱いシャワーを浴びる。
 確かに思ってたよりも体が冷えてたらしい。温かいシャワーにほっとしてしまった。
 洗面所に世那の気配。
 なんかどきっとするけど、こんな日でも一人じゃないってのが嬉しい。

 「ひゃっ」
 雷が鳴り始めた。
 まだ遠くだからいいけどあんまり近くで大きい音はやだなぁ…と思いつつ手早くシャワーを終えた。
 「世那。あがったから世那も…」
 「ああ…」
 貧弱な身体でみっともないけど、着替えも持参しないでシャワーしちゃったので腰にバスタオル巻いていた。
 「じゃ、俺も行ってくる」

 そそくさと世那が風呂場へ行き、譲は二階の自分の部屋に行って着替えを済ませる。
 鞄も濡れてる…と中身を出して確認するとビニール袋が出てきた。
 あ、そういや女子になんか貸されたんだった、とそれを横において、鞄をとにかく空にして乾かすために適当にぶらさげた。
 そしてそのビニール袋を持って一階に降りる。
 学校で開けちゃだめってなんだろう…?
 そういやコレ見れば受けの意味がわかるんだ。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^ 
mm3様
 可愛いありがとうございます~////
 吊るし上げwwww会長はしないかな~(笑)
 世那は危険~(^m^)
 火花散っても当の本人はぽややんでした^^;
 ありがとうございます~^^

S様
 あら不憫な子でしたか?(笑)
 あ!そういや同じ事してる~wwww
 世那の部屋!そんな事なってたらチョー怖い~~~(爆笑)
 病院から報告待ってます~!も~笑う~~~wwww
 ありがとうございます~^^

SR様
 狙ってる…うーん…どうでしょう?^^;
 どじっ子は守りたくなっちゃうでしょうね~
 堂々とイチャコラでしたwwww
 あ、私も早く!って言っちゃう~^^;
 黙ってペースに合わせてくれるとか!理想~!
 絶対そんなのいないwwww
 進展は…内緒~(^m^)そうそう!お子チャマなので
 わからないよね~~~?(大笑)
 ありがとうございます~^^

tsr様
 雷ダメですか~?私は平気~!^^
 怖いのは落ちてPCが落ちる事ですwwww
 ピカピカ綺麗ですよ~?(^m^)
 抱きつきカモーンです(笑)
 デカイのでぎゅっと出来ますよ?(爆)
 今日も頑張ってくださいね~^^/
 ありがとうございます~^^

W様
 さっさとしろー!って感じですが(笑)
 ぬるく見守っててくださいwwww
 何かってなんでしょう~ね?(笑)
 たいした事じゃないですけど~^^;
 いつもありがとうございます~^^

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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