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僕の好きな人 25

 …気のせいじゃないっ!
 ぱっと思わず顔を上げてしまうと世那の視線としっかり目が合ってしまった。
 「…嫌?」
 ヤじゃないっ!
 ぶるぶると頭を横に振った。
 世那の手が優しく譲の髪を梳いた。
 うわ、と思わず目をぎゅっと閉じてしまう。

 「…譲…それ、ダメだろ」
 「……ダメ?」
 何が?
 「それとも誘ってんのか?」
 「…誘う?」
 何が?
 「……んなわけねぇよな」
 はぁ、と世那が溜息を吐き出した。
 「……天然って性質悪ぃよな…」
 何が?
 「……なんでもねぇよ。ほら、こうしててやるから寝てしまえ」

 世那が譲を抱きかかえたまま譲のベッドに横になった。
 う~わ~…。
 ……恥ずかしい。小さい子供みたいだ。
 身体だって世那に比べたら小さいけど。
 いいのかな…?
 すり、と世那の胸に擦り寄るとまた溜息を吐かれた。
 ダメだったのかな…?とちょっと不安になると世那の腕がぎゅうっと譲を抱きしめた。

 「…あったか…ぃ…」
 「…………………いいから寝ろ」
 「ん…」
 雷はまだ鳴っていたけどもう全然安心だ。
 さっきまであんなに目が冴えていたのにあっという間に目がとろんとしてきた。
 世那の声が近い。体温が温かい。
 心臓の規則正しい音と、そして頭にまた世那がキスしてる。

 「譲…?」
 すぅっと意識が沈みそうで返事が出来ない。
 「寝た…?早ぇな………勘弁してくれ…ホント…」
 勘弁…?
 やっぱ…世那はやだったのかな…?
 でも世那の手が優しく譲の背を撫でてくれる。
 それに安心して譲はすぐに意識を手放してしまった。



 朝になって、はっと目を覚ますとベッドには一人だった。
 そりゃそうだろうけど…でも夢じゃないよね…?
 世那…いてくれた…はず。
 なんか夢っぽいような事ばっかりな気がする。
 お姫様抱っこもそうだし、昨日のもそう。
 でも夢じゃないはず。

 ……そして世那の呟きも夢じゃない…?
 勘弁してくれ、って言ってた…。
 思い出して泣きそうになってくる…。
 世那は嫌じゃないって言ってたけど…やっぱり無理に譲に付き合ってくれてたのかな…?
 そりゃ、男に…しかも譲みたいな冴えない奴に頼りにされたって世那は嬉しくも何ともないだろう。
 彼女いるんだったら彼女にしてやりたいはずだ…。
 彼女…。

 世那が譲の知らない女の人を抱くの…?
 やだな…。
 ……すごくヤダ。
 そんな事譲が思っても仕方ないんだけど…。

 「…起きよ」
 なんか毎日毎日少しずつぐるぐる考える事が増えていく。
 全部世那の事ばっかりだ。
 カーテンを開けると昨日の嵐が嘘のような青空。
 ぐるぐるしながらもお弁当を作って朝ごはんも用意するけど、世那が起きてこない。どうしよう、と思いつつ二階に上がって世那の部屋のドアをノックした。

 「世那…?」
 ドアの外から声をかけても起きる気配もないのか返事も聞こえない。まさかいない、なんて事ないよね?
 ドキドキしながらドアを開けた。
 初めて見る世那の部屋だ。…それより、世那…あ、いた。寝てた…。
 ベッドがこんもりとしてたのにほっとしてしまう。
 そっと近づいて体を揺すった。

 「世那…?起きる時間だよ…?」
 小さく声をかけるとがばっと世那が半身を起こした。
 「あ?……ああ…譲…」
 「おはよ…あの…起きてこないから…勝手に部屋入っちゃった…」
 「別にいい…」
 ふわ、と世那が大きく欠伸をする。
 「お前は?ちゃんと寝られたか?」
 「……うん……ありがと…」
 「どう致しまして」
 ぽんと譲の頭を叩いて世那が起き上がった。

 あ……。

 「じゃ、あ、…ぼ、く…下行ってる」
 ちょっと焦って世那から視線を外し、そして慌てて部屋を出た。
 顔が赤くなってるかも…。だって…世那の前が勃ってた…んだもん。
 そりゃ当たり前、だけど…。
 ちょっと熱くなった頬っぺた触りながらゆっくり階段を下りる。

 どうしよ…なんか昨日の漫画の内容が頭をよぎる。
 世那とえっち、とか…?
 いやいや!一応義理とはいえ、兄弟なんだから。
 あ、でも世那には兄貴じゃないって…。
 でも学校では兄弟ってもう知られた。
 また頭がくるくると回転してくる。
 あ~~~!もう!…だからどうしてこう変な事ばっか考えるかな?
 兄弟っていう前に譲だって一応男ってのが先でしょ!譲はいいけど男っていう時点で世那にとっては譲は対象外なはず!

 …でも、だって気になるんだもん…。
 やっぱり、世那が好き、だと思う…。
 
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続きに拍手コメお返事です^^ 
tsr様
 超音波ですね~!(笑)
 おさらいしました!(爆)だって気になるんだもーん!(笑)
 我慢大会持続中です^^b
 こちらこそいつもありがとうございます~^^

mm3様
 ちゅ!ですた(^m^)
 そうなんです。続き気になって読んじゃいました(笑)
 だってお勉強しとかないとwwww
 ありがとうございます~^^

hrk様
 受け、ばっちりです(笑)
 雷ダメですか~?^^;私はわりと平気なんです~^^
 怖がりの方がかわいいですね~^^
 私も心は小心者ですよ~?チキンです^^;
 (雷は平気ですがw)
 ありがとうございます~^^ 
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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