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僕の好きな人 27

 生徒会での議題は大方学園祭についてだった。
 結構自由にやらせてくれるらしく、飲食店みたいな真似事も出来るらしい。バンドやイベントなんかも盛大みたいだ。
 高校の学園祭なんて初めてで譲もちょっとワクワクはする。
 各クラスで出し物や計画、部活で参加の申し込みなど、細かに決めていく。

 「じゃあ生徒会主催は例年のごとくミスターミスコンテストで」
 それはもうずっと続いているらしいので、皆が頷く。
 投票用紙に学園祭の最中にカッコイイ、可愛い、綺麗と思った人の名前を書いて投票していくんだけど、それは学校内生徒だけでなくて、他校から来た人でも保護者でもだれでも投票出来て結構数は膨大になるらしい。
 開票には学園祭の委員にも手伝ってもらうらしい位にかなり票が多くなるみたいだ。
 譲は初めての学園祭の事で全然知らないのでへぇ、と思いながら聞いてるしかないけど、お祭り騒ぎはやっぱり楽しみだ。
 コンテストで選ばれるとキングとクィーンの称号が与えられて、去年のキングは1年生ながら会長だったというのには納得しながらもさすが、とも思ってしまう。

 会議を終えて譲は議事録を書いていた。
 「高橋くんのクラスは何をするのかな?」
 「え?…さぁどうでしょう?まだ皆よく分かってないですから」
 「1年生だとそうだよね。2年になると女子なんかはりきっちゃってもう夏休み前から色々案が出てるんだよ?」
 「ええ!そうなんですか!?…すごい!…あ、れ…?そういえば、会長って世那と同じクラス…ですよね?」
 「………ありがたくないことにね」
 「世那の…真面目に授業受けてるとこ…って」

 どんな感じなんだろ…と思わずくすりと笑ってしまう。
 他の役員も色々話したり片付けしたりしている中、会議用の長テーブルの譲の隣に会長が座った。
 そういえば…会長が世那に彼女がって言ったんだ…。会長は知ってるのかな…?
 「あの…世那…の…彼女って……」
 「ん?……………ああ、僕は見た事ないけどね」
 「…そう、ですか…」
 見た事ないのか、とちょっと残念のような、ほっとしたような複雑な思いがまた湧いてくる。

 「……ねぇ?高橋くん」
 「はい?」
 譲は書きものを進めながら返事した。
 「天間やめて僕にしない?」
 「何をですか?」
 「天間は義理にしたって兄貴でしょう?」
 義理にしたって?

 何の事を言ってるのかな?と譲は顔をあげてずり下がっていた眼鏡を直しながら会長を見た。会長が頬杖をしながらそんな譲を見てくすっと笑う。
 「高橋くんが好きなの、天間やめて僕にしない?」
 一瞬何を言われたのかときょとんとしてからぶわっと顔を真っ赤にさせた。
 「そ、そ、そ、そ、…そんなんじゃっ!ないですっ!」
 「え…?そうなの…?まぁ天間には彼女いるみたいだしねぇ。考えてね?」
 「ふ、ふざけない…で…」
 「ふざけてないよ?高橋くんみたいな可愛い子にふざないでしょ」

 か、か、か…わいいって何だ?
 「っっっ!!!」
 会長が周りに視線をちょっと向け、誰も見ていないのを確かめると素早く、なんとキスしてきた。
 「な、な、な………」
 「…アレ?初めてだった?」
 あわわわわ、と慌てる譲を見て会長がくすと笑った。
 譲が口を押さえ、こくこくこくと何回も小さく頭を縦に揺らすと会長は満足そうだった。

 いえ!あなたが満足でも!された譲はどうしたらいいんだ!?
 何がどうして!?
 目が回りそうになってくる。
 「僕との事考えてね?」
 無理!と今度は頭を横にぶんぶんと振る。
 「やっぱり天間がいいの?彼女いても?」

 そうじゃなくて!
 何も考えられないです!
 「とにかく、僕との事考えてみて?」
 ぽんと譲の肩を軽く叩いて会長が立ち上がった。

 ……倒れたい…。
 くらくらと眩暈がしそうだった。
 世那の事を考えてぐるぐるだったのに、さらにぐるぐるが増えた。
 とにかく今はこの議事録を書いてしまおう!と現実逃避することにする。
 さっさと書いて、終わらせて…。世那を待たせてるから。
 早く世那の所に行きたい。世那の傍にいけば安心出来る。
 そう思いながら急いで書き進めていく。

 でもやっぱり世那に彼女はいるんだ…。
 ………そう思った途端にペンの動きが遅くなってしまう。
 キスされた事より、世那には彼女いるのに、と言われた方がショックって…。
 余計な事は考えない!
 頭をぶん、と横に振って譲は議事録を書き終えることに集中した。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^ 
tsr様
 目悪いと眇めるんですよね~^^;
 ふふふ…男バス…いいなぁ~…私は女子高だったからなぁ~^^;
 宝塚の世界みたいになってました(笑)
 (私はなってないけどwwww)
 わんこの方もありがとうございます~^^
 バレンタイン近辺になったらまた続きうpします~♪ 
 ありがとうございます~^^

匿名ちゃん様
 怖くて誤魔化せませんでした~(笑)
 なぜ、女は集団になると強くなるんでしょうね?^^;
 今の男の子達ってほんと…wwww
 ありがとうございます~^^

U様
 あっさり暴露ってます~(笑)
 逆らうなんて無理です!ある意味西高生より怖いかも?^^;
 アホ~なお話にお付き合いありがとうございます~wwww

mm3様
 え?関東って雷横に走るんですか?^^;
 ウチのほうもほとんど縦だと思いますけど…
 田舎は楯?^^;
 腐腐腐でした…(^m^)
 ありがとうございます~^^ 

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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