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僕の好きな人 34

 雷の音が遠くに去っていった。
 どれ位そうして貰っていたんだろう?
 雷が去っても譲は世那から離れたくなかったのでそのままにして世那に抱きつき、そして世那も何も言わずにそのまま抱きしめてくれていた。
 雨の音も…まだ降ってはいるけど、激しい音からしとしとと静かな雨音に変わっていた。
 時間が止まったように無言で、ただテレビの音だけが無機質に部屋に流れている。

 「…譲?」
 もう大丈夫か?と言わんばかりの世那の呼びかけに譲は頭を横に振った。ヤダ…。今だけなら世那は譲だけのものだ。
 仕方ないなと思ったのか世那が譲の背を優しく撫でてくれるけど、可愛くもないヤローに抱きつかれてちゃ世那だって迷惑だろう。世那は優しいから…そうしてくれるだけなのに。
 …調子乗りすぎだ、と譲は世那から離れようとした。
 「いいよ。…譲…このままで…」
 …いいの?

 世那が離れようとした譲を放さないように腕に力を入れてくれたのに身体から力を抜いて世那に委ねた。
 だって…世那がいいって言ってくれたから。
 …嫌じゃないのかな?
 それとも仕方なく?
 
 「落ち着いたか?」
 世那が真っ赤になってるだろう譲の頬を両手で挟んできたのにさらにどきっとしてしまう。
 絶対に赤くなっているだろう顔が恥かしくて目をぎゅっと閉じてこくこくと頷いた。
 「…ごめ…なさい…」
 「謝る事ねぇだろ」
 「だって……よかった…の…かな…って…」
 あ…余計な事言ってしまった!

 「ん?何が?」
 「な、なんでも…な…」
 「譲」
 慌てて世那から離れようとしたけど、世那の手が譲の頬をぎゅっと挟んで離してくれない。
 「何が、よかったって?」
 「だ…って……世那…デート…だった……ん…じゃ…」
 「ああ!?」
 言っちゃった…世那に肯定されたくない…。
 ぎゅうっと聞きたくなくて譲は目を閉じて体を竦めた。

 「………………ああ、そうだな」
 やっぱり…?そうだったん、だ…。
 今度は目を開けて世那の顔を凝視した。
 顔が歪んでくる。
 「譲?」
 泣きそうだ。やっぱりそうだったんだ。
 「ごめ…なさい…」
 慌てて世那の手から逃れようとした。

 「譲!」
 「や……離し、て…ごめん、なさい……邪魔、して……」
 「邪魔?何が?意味わかんねぇな…」
 「だってっ…デートって!……彼女…」
 また折角治まった涙が零れてきた。涙腺は本格的に壊れているらしい。情緒不安定ってのもあるのだろうか?
 「彼女ぉ?誰に?俺?」

 「だってっ…会長が…っ」
 「宮下が?…何言ってたんだ?」
 「世那に…彼女、いる…って………ほけ、ん…のせんせ…世那…名前で呼んでて…そう、なんだ…って…」
 「はぁ!?……あんのくそ…………譲?……」
 ぐいと世那が譲の泣いてる顔を上に上げた。
 「……それでなんで譲は泣いてるんだ?」
 だって…嫌だったから…。

 「俺に彼女いると思ってたのか?……だったらいないぞ?」
 いない…?彼女じゃない…?
 世那の声が嬉しそうだ。
 「譲?…なんで泣く?……俺に彼女いると思ってた…から、か?…譲は俺に彼女いるのが嫌だった…?」
 「や、だ…った……」
 やだ、って言っていいの…?
 「………なんで?」
 なんで、って……そんなの…。
 「…譲…」

 え…?
 世那の顔がゆっくりと近づいてきて……キス…した…?
 「せ、せ、せ、せ、…な…?」
 びっくりして涙が止まった。世那のきりっとした顔が譲の目の前にある。
 「譲…好きだ」
 「う、う、う、う、嘘だ!」
 「嘘ぉ?」

 「だ、だ、って!僕なんか…」
 「なんか、じゃねぇけど?」
 「だって!……」
 「……放っておけねぇんだ…。気になって気になって…。お前の事ばっか考えてる。…譲…」
 ………嘘、だ…。
 「嘘じゃねぇよ…?」
 もう一度世那の顔が近づいてきてキスされた。

 あ…。
 ぐいと頭を押さえられてしっかりと唇が合わさる。
 嘘じゃない…?ホント…?
 「キスは?嫌じゃねぇ?」
 世那が唇を離して聞いてきたけどぼーっとしてしまう。
 「…ヤじゃ、ない…」
 むしろもっと…してほしい…。

 「……物欲しそうな顔だな?」
 くっと世那に笑われてしまった。
 う、わっ!どんな顔してたんだよ!?
 言い当てられて顔を俯けようとしたけど世那の手は譲の頬をぎゅっと挟んで離さない。
 「もっと…?」
 世那に囁かれ、思わず小さく譲が頷けば世那は満足そうに口端を上げてまたカッコイイ顔が近づいてきた。

 キス…。世那と…。
 夢じゃない…?
 ぼうっと夢見心地のまま唇が離れると力が抜けそうになって世那の胸に縋った。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^ 
mm3様
 おKですかー?(笑)
 鋼の理性ただ今総動員してます(笑)
 あ、ダイヤに格上げですか?^^;
 もう苗字一緒なので入籍してますよ?(笑)
 ありがとうございます~^^

yr様
 ホントにラブコメ風です~(笑)
 なぜこうなってしまうのか自分で謎です^^;
 真面目に書いてるつもりなんだけど…(^m^)
 でもそう言っていただけて嬉しいです////
 ありがとうございます~^^

SR様
 SRさんもブブー!(笑)ハズレーでした♪
 正解は明日の朝です~^^
 世那真面目ですね~!我慢大会の後は勿論~(笑)
 でも優しいは優しいので、そりゃ優しく~…ふふふ(^m^)
 ただ不器用ではあるかな…^^;
 まだまだ我慢大会続くので(笑)
 ありがとうございます~^^

tsr様
 やはり鋼…wwww
 焦らし…というか…そういうつもりじゃないんですけどね~
 勝手に世那が我慢するというので~(笑)
 私はここら辺でえち入れるつもりだったんですけど^^;
 一応ちゅーに進んだので(笑)
 午後も頑張ってくださいね~^^b
 わんこも気に入っていただけて嬉しいです~
 もうすぐ二月なので二月号準備にとりかかろうかしら~(笑)
 ありがとうございます~^^

匿名ちゃん様
 ふふふ…正解は明日の朝の分ですけど、
 まぁだいたいそこ等へんです~^^
 世那わたわたと帰ってきました~(笑)
 親帰ってきたらびっくりですよね!
 らぶらぶモードになってますから~(爆)
 でも暢気親でした~。
 自分らもらぶらぶなので(笑)
 ありがとうございます~^^ 
 

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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