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僕の好きな人 35

 「……だから兄弟じゃない、って言っただろ?」
 世那の唇が去ったあともソファでずっと世那に抱きしめられたまま、ぼうっと譲は世那の腕の中で世那の存在を確かめていた。

 「…え?」
 「兄弟じゃないって言ったの」
 「……だよね…僕なんか…」
 「はぁ?何言ってんだ?兄弟でこんな事するか?って意味だ」
 「……え?あ、……そ、そ、そう…だよね…」
 キスとか、兄弟ではしないっ!
 さっき、自分でも考えてたじゃないか!
 ………あれ…?

 「好き……?」
 世那が、自分を…?
 「好きだ。お前は?…嫌っちゃいねぇハズとは思うけど…どうもお前は鈍いみたいだし…どうかな?って気はしたけど…悠長に待ってられねぇからな…」
 悠長に?
 待つ?
 何が?????
 「俺の知らねぇ間にクソ宮下なんぞにキスなんかされてるし!」
 「……世那、なかった事にしたもん」
 「そうするしかないだろうが!まったく腹立つ!お前も無防備になってるな!」

 …って言われても…。
 「それになんだって?俺に彼女?何言ってやがる。奴に何言われたか言ってみろ」
 「…え、と……世那に彼女出来たみたい…って…。あと保健の先生と…世那が…親密だね…って…彼女…会長は見た事なかったけど…そういう事なのかな…って……」
 「………それで?それをお前は鵜呑みにしてたんだ?俺に聞きゃあよかっただろ?」
 「だ、って……世那に…そうだよ…って言われたら……」

 「………ああ…嫌だったんだ?なぁ、譲?…なんで嫌だと思ったんだ?」
 「そんなの…世那…好きだから…に決まってる……僕なんかが…好き…言っても世那の迷惑…」
 「あのな…迷惑ならお前の面倒なんかみねぇよ。ばぁか。それにしてもあの野朗…知ってるくせに余計な事言って譲を揺さぶって……。譲、あいつの言う事なんか信用するんじゃない。あいつは平気で嘘をつけるからな。現にアイツは冴子が俺の叔母だって知ってるんだぞ?」
 冴子って誰?…もしかして保健の先生?
 「…え?…叔母、さん…?」
 「そう。俺の母親の妹だ。宮下はそれを知ってる」
 「え…?」

 「…お前に言ってなかったな…。悪かった。まさかそんな風に思ってるとも思ってなかったから」
 「じゃ!あの、赤い車は!?」
 「冴子だ。今日は母親んとこ連れてかれたんだ」
 世那のお母さんの所に?保健の先生が世那を名前で呼んでたのは身内だったから…?デートってお母さん…?
 「世那…」
 彼女じゃなかったんだ…。よかった…。 
 嬉しくて世那の胸元を掴んでた手をぎゅっと握る。

 「譲?…お前の好きってのはどんな好きだ?お前にはちゃんと確認しないといけないような気がする。…兄貴だなんて言う位じゃ…」
 「ち、ちが…う……っ」
 お兄さんじゃない!
 ふるふると頭を横に振った。
 「クソ忌々しいことだけど、宮下にもキスされた、って言っただろ?俺も今したけど?」
 「…うん」
 ぽやっと耳まで熱くなってくる。

 「キスしたい好きで間違いねぇのか?」
 「………ん」
 こくんと譲が頷くと世那がもう一度軽くキスしてきた。
 「…いいか?お前眼鏡は外すなよ?」
 「え???なんで?」
 「なんでもだ」
 ……女子に一回とられちゃったけど…ま、いっか。
 世那が外した譲の眼鏡を戻してくれる。

 「くれぐれも宮下には気をつけろ」
 「………それ…最初にも言われたけど…ずっと聞けなくて…」
 「聞きたい事あればすぐ聞け」
 「……だって…世那…怒ったりイライラしたりする…」
 「お前にはしねぇよ」
 「昨日…した、もん…」
 「ああ…?……ああ、兄貴ってお前が言ったからだろ?そりゃするに決まってる」
 …しない、って言ったのに。

 「……お前が俺の事兄貴にしか見てないのかと思ったからだ。そうじゃないと分かったからもうしない」
 「……ホント?…世那に…嫌われるかと…」
 「ばぁか」
 世那の″ばぁか″が甘く聞こえる。
 嬉しくて思わず照れた笑いが出てしまう。
 「世那……」
 世那の腕に掴まってすりと頭を擦りつけた。
 「…ほんと放っとけねぇやつだな…」

 そう言いながら世那が譲の髪を撫でてくれた。
 「…僕が…ドジだから?…片付けもできないから…?弱っちぃから…?」
 「何言ってる。可愛いからに決まってんだろ」
 「か、か、か、………っ!?」
 じぃっと世那が譲の顔を凝視していた。
 「お前、お母さんと似てるな?」
 「え?あ、…う、ん…」
 「なるほど…親父がお前を可愛い可愛い言うのがよく分かった」
 一人で納得したように世那が頷いていた。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^
tsr様
 お赤飯(笑)
 はい^^まだ理性を総動員でえちまで行きません^^
 さしあたり保健の先生の謎が解けました(笑)
 たいした事ないですけど^^;
 今日もお仕事かな?
 がんばってくださいね~^^
 いつも嬉しいお言葉ありがとうございます~^^

okw様
 やっとちゅーでした(^m^)
 お忙しいですよね~~~(><)
 頑張ってくださいね(T^T)
 あ、生徒会長はどぞどぞ(笑)
 まったりお茶してください~(^m^)
 ありがとうございます~^^

MR様
 早かったですか?(笑)
 焦らしに…ってそんなかな…?^^;
 オトメですね~!私も持ち合わせてませんが(--;)
 みらいさんは似合いそうですけど~~~(^m^)
 私はどうしても男前な方な感じだわ…(--;)
 ありがとうございます~^^

mu様
 世那の告白でした~(^m^)
 譲はまだパニクってる感じですが^^;
 世那サイドは書いてないんです~^^;
 本当は千尋先輩みたいにかっこよくするつもりだったので(苦笑)
 会長は…wwww
 三n…はないです(世那が許さんでしょう~ 笑)
 ありがとうございます~^^

S様
 あ~~~!私も~~~!
 虫嫌いなので!!!確かに!ファーストキスでいいですっ!
 …かも…(笑)
 雷今まで怖くないのに急にこわ~い(><)
 とか言ったら確かにねwwww
 ありがとうございます~^^

SR様
 正解出ました~(笑)
 そうなんです~!世那ちゃんと言ったけど、
 我慢大会続行します(笑)
 リアルな現実……
 こんな気の利いた優しい男いませんよ…(--;)
 ありがとうございます~^^

  

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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