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僕の好きな人 37

 携帯のアラームで譲は目を覚ました。
 そして昨日の事は夢じゃなかったんだよな…?と考え、ベッドの中で反芻する。
 何回も世那とキスしたことを思い出し、かっと朝から顔が赤くなってドキドキしてそして夢じゃないよね、と世那に聞きたくなってしまう。
 …だって…。
 隣の世那の部屋はしんとして眠っているのだろう。
 世那がいるんだ…。
 ぼわ、とまたキスの時のアップの世那の顔を思い出すと顔が赤くなってくる。

 譲はそそくさと起きあがり一階へと向かった。
 カーテンを開けて、朝食に弁当作り。
 一段落ついて時計を見てどうしようと悩む。
 世那を起こしに行っていいのかな…?
 そっと階段を上り、小さく世那の部屋をノックしてからいいのかな?と思いつつドアを開けた。
 世那の部屋も譲と同じ位の広さみたいで、ベッド、机、本棚、テレビがあってもまだ広い。譲の部屋の家具が白木の物で世那の部屋はダークブラウンで落ち着いた感じ。
 そのベッドの脇に膝をついて眠っている世那の顔をそっと覗きこんだ。
 寝ててもかっこいいってずるい…。

 「…世那…?起きる時間、だよ…?」
 「ん……?」
 世那のまつげが揺れるのに見惚れる。
 この人…僕のものでいいのかな…?
 キスしたいな…いいのかな…?
 半分寝てるし…いい?ダメ?
 でもしたくて顔を近づけて微かに触れるだけのキスをすると世那の腕ががばっと譲の身体を抱きついて捕まえた。

 「せ、せ、世那っ」 
 くすくすと世那が笑っている。
 「おはよう…譲からキスもらえるとは思ってもなかった。毎朝それで起こせ」
 「………ん…」
 いいんだ…?やっぱり夢じゃなかったみたい!
 こくんと小さく頷くと世那がもう一度素早くキスして、そして譲を離した。
 「し、し、下…行ってる」
 どうにも照れくさくてずり下がった眼鏡を直しながらそそくさと世那の部屋を出ると後ろで世那のくすくすと笑う声が聞こえる。
 でもそれも嬉しい。

 一緒に朝ごはん食べて、着替えを終えて弁当を世那に渡すと世那が苦笑していた。
 「コレのせいで彼女、って話になったんだ」
 「え?」
 世那が手に持った弁当を小さく揺らす。
 「今まで昼に弁当なんて持ってった事なかったから」
 「あ……そうなの…?………余計な事…だった…?」
 そういえば初めてお弁当を渡した日に世那が微妙な顔をしていたのを思い出した。
 「いいや?…昼楽しみにしてる」

 世那の言葉にふにゃっと譲の顔が崩れた。
 だってそんな事言われると思ってもなかった。自分はお腹すくから作ってただけで、同じ高校生なんだから、と世那の分も何も考えないで作ってただけなんだけど、そういう風に言われるのが嬉しい。
 誰にも家事なんて自慢にはならないけど、世那にそう言ってもらえるなら全然いい事だ。
 「……不思議なヤツだよな…なんであんなに片付け出来ねぇのに家事できんだ?」
 「……散らかってなければ出したら戻せばいいだけだもん」
 「そうかぁ?」

 世那はあんまり話さない人なのかとずっと思っていたけれどわりと譲には笑ってくれるし話してくれる。
 むっとして黙られたら譲からは何も話せなくなるけど、普通の時だとこうして世那の方からよく話してくれて口下手でもある譲はそれも嬉しいと思う。
 くっつきたいなぁ…と思ってしまうけど、もう家を出る時間だ。
 「ほら、遅れるぞ」
 「あ、うん…」
 そういえば…。

 譲は生徒会なんて入っているし、マジメに早い時間に学校に行っていたけど、世那は遅刻ぎりぎりの時間に来ていたはずだった。
 譲に付き合って世那まで早い時間になっているけど…いいのかな…?
 「あの…」
 「ああ?」
 駅まで歩きながら口を開いてみた。聞いていい、のかな…?

 「世那…学校来るのもっと遅い時間だった、のに…いいの、かな…って…」
 「別にいい。早い時間の方が西高の生徒少ないからな。遅いとその分増える」
 「……僕はいい、けど……世那が……わざわざいいのかな…って…」
 だってそれって譲に合わせてくれているって事だよね?
 「よくなかったらしてねぇだろ。気にしすぎだ。そんな気回すなら他に回してくれ。宮下の半径1メートル以内に近づくな」

 「……………それは無理だと思う…」
 「…俺がいる時ならまぁいいけど、お願いだから気をつけてくれ。もし今度譲が何かされたりしたらキれるからな」
 「…え?」
 「宮下をボコってやる」
 「…………それはちょっと…ダメだよ」
 「じゃあ何もされるな」
 「…………気をつけます」

 会長をボコるって…。女子が半狂乱になってしまうかも…。
 モデルみたいにキラキラした会長が無残に青あざとか作ってたら…。
 「世那…ダメだよ…?」
 本当にしそうな世那につい心配になってしまう。
 「何もねぇならなんもしねぇよ」
 ちょっと面白くなさそうにむっとして言う世那に照れくさくなって譲は顔を俯けた。
 でもその顔はどうしても緩んでしまう。
 
-------------------
続きに拍手コメお返事です~^^ 
 
mm3様
 ただ単に父が譲のお母さんの事可愛くて、似てる譲も
 可愛い、可愛い言うのが分かった…かな?^^;
 DNAレベルかも…ですけど(笑)
 文化祭ですね~!何が…うーん…たいした事ないですけど^^;
 ここまで来て一気は…無理でした~(笑)
 いちゃラブ…十分イチャコラしてると思うのですが…まだ足らん!(笑)
 ありがとうございます~^^

S様
 世那はいつからでしょう~?
 出てくる…かな…?多分。
 腹黒ラッコ君に命名されたのですね!(笑)
 それが尚状態にはならんのです…^^;
 何故って?尚じゃないから~wwww
 あ、残念ながら世那はエスパーじゃなかったです(笑)
 むしろ全然分かってません。きっと可愛いフィルターかけすぎかと思われますwww
 ありがとうございます~^^

tsr様
 そうなんです~!
 本当は保健室でえちさせようと思ってたんでした!
 それが途中ですっかり忘れちゃってて……^^;
 書き終わってから思い出した(--;)
 いつかどこか別のCPで考えます(笑)
 昨日は(チョー珍しく)お出かけしてました^^
 コリはやっぱりゴリゴリ鳴りますけど^^;
 でも大丈夫です~~~^^b
 いっぱい焦らしておKでしょうか~~~?(笑)
 世那やせ我慢頑張ります^^b
 三連休ですか!(^m^)ゆっくり時間をすごしてくださいね~^^
 ウチで?wwありがたいですが、目の疲れと凝りにはお気をつけくださいね(><)
 ありがとうございます~^^

SR様
 ぐるんぐるん解消^^b
 ……ふふふ、甘いっすよ?(笑)
 会長どんだけ~、でしょ?^^
 休みに一人でwwww
 本当に女子力私もないな~…(--;)
 最近はおばさん化で図々しくなってるかも…^^;
 アカンです(T-T)
 ありがとうございます~^^

W様
 あ!さすがよく分かっていらっしゃいます!
 別のぐるぐる~(笑)
 父母の帰り…遅めに…wwww
 世那の心情そのままです~(笑)
 ありがとうございます~^^

hrmm様
 確認無事終了しました~(笑)
 やっと、でしたか~?(^m^)
 一仕事終えた気分!wwwwよかったです♪
 ありがとうござます~^^

msmm様
 萌え~ってなっていただけましたか~?(^m^)
 ドジなとこ…長くいなくても好きじゃなきゃイラってきますよ^^;
 でも最近私はかなり抜けまくってるので人の事言えないかも…(--;)
 まだしばらく我慢は続きます~(笑)
 紳士度高め!(笑)
 千尋先輩と比べちゃ…(爆笑)Linxガツガツしてたからwwww
 温度差はそうなんです~毎日激しくて…^^;
 でも私は今の所なんともないです~^^
 ノロとかインフルもあるし…msmmさんもお気をつけ下さいね(><)
 お気遣いもありがとうございます~^^ 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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