はのんのBL部屋

　「やぁ、おはよう」
　今日もキラキラしく会長が登場した。
　実は世那が一本電車を見送ったんだけど、会長も見送ったらしい。
　チッと世那が譲の後ろで舌打ちをしていた。
　「おはようございます」
　「ねぇ高橋くん？」

　ずい、と会長が譲の目の前に立って顔を近づけてきたので譲は仰け反って世那に背中を預けると世那は後ろから譲の身体をしっかり腕で抱きかかえてきた。
　「離れろ」
　「アレ……？もしかして纏まっちゃったのかな？高橋くん、考えてね、って言ったのは考えてくれた？」
　「考える…？」
　何を？
　譲がきょとんとすると会長が頭を抱えた。

　「天間なんかやめて僕と付き合って？って言ったでしょ？」
　「……譲？」
　そんな事言われてたのか？と後ろにいる世那の声が聞いている。
　「……え？……あ、…そういえば…言われてた……かも…」
　「かも…」
　「はっ！よかったな！譲はなんもお前の事なんか微塵も考えなかったってことだ！」
　世那が満足そうだ。　

　……でもホントに全然考えもしなかったけど…というかそんなの言われたのもあの時はいっぱいいっぱいで全然耳にも入ってなかった、が正解だと思う…。
　じとりと会長が世那を睨み、そして譲に視線を向けてきた。
　「天間がいいんだ？」
　譲はこくんと小さく頷く。
　「まったく…なんでコイツなんかがいいんだ？」

　なんで、って…。だって世那がいい…。
　ちら、と後ろの世那を振り返ると世那と目が合って思わず顔が赤くなるとさっと顔を俯けた。
　…なんか恥ずかしい。
　「…………まぁいいや。どうせ生徒会室にいる間は天間は入って来られないしな」
　ぎゅっと世那の腕の力が強まった。
　「……譲、何かあったら大声上げろ」
　「あのね！いくらなんでも俺はそんな乱暴な事はしない」

　「どうだか。勝手にキスするなんてヤツ信用なるか」
　「…おや？天間に話したんだ？悪いね、お初をいただいて」
　また譲の頭の上で睨み合いが始まった。
　「…されてない」
　譲が呟く。

　「世那、されてないっていった。虫が触っただけって言った…。初めては世那だもん…」
　「…………」
　「…………」
　ぎゅうっと世那がまた力を入れてきてそして譲の頭に世那が額をくっ付けてきた。
　「……お前…少し黙ってろ」
　なんか余計な事言ったのかな…？
　世那に黙ってろ言われたので譲はおとなしく黙っている事にする。

　「…天間……高橋君より中学生相手にしたほうが話は早く進むと思うぞ？」
　「……分かってるよ」
　はぁ、と会長が溜息を吐き出し、世那も頭を抱えている。
　「僕、…なんかした？」
　「いいや。なんでもねぇよ…ほら、降りるぞ」
　学校の駅に着いて会長と世那に挟まれて電車を降りる。
　なんだったんだろ…？

　見られてる…。
　毎日会長と世那に挟まれるようにして登校しているからか、かなり視線を感じる。
　目立つのなんかヤなんだけど…。
　でも会長も世那も平然としたものだ。
　教室に着いて自分の席が一番落ち着くかも。
　「なぁ高橋、天間先輩と義理の兄弟なったって言ったよな？」
　「え？あ、うん…」
　「……家、一緒？」
　「うん。そうだけど？」

　話しかけてきたのはわりと仲良く話す奴等だった。
　「なぁ、天間先輩、彼女のとこから通ってるって話だったけど…」
　「ええ！？…違うよ？家いるよ？」
　「……だよな？朝も一緒だもんな…」
　やっぱり皆見ているらしい。
　「ホントに怖くねぇの？」
　「うん…。最初は怖かったけど…」
　「へぇ…」

　そう、最初は怖かったけど…今は全然。
　「そういや学園祭で女子がなんか騒いでるな」
　「会長が言ってたけど…2年生なんかだともう夏休み前から騒いでるらしいよ」
　「へぇ…そんな盛大なのかな？」
　1年生は皆始めてでどんなものか知らない。
　「去年の出し物とかの一覧書かれたプリント渡されるはずだよ」
　生徒会でそれは用意したから譲も知っている。

　「どんなのあるんだ？お前生徒会入ってるから分かる？話聞いてる？」
　「うん。なんか喫茶店？とか多いみたいだけど、ただのじゃなくてコスプレ系みたいなのとか。けっこう凄いって聞いた」
　生徒会での2年生の先輩達が話していた内容を教える。
　「あと生徒会だとミス・ミスターコンテストとか、有志でバンドとかもあるみたい」
　「中学校と違うな～」
　「だよね！ちょっと楽しみ」
　結構学園祭に力が入ってるのは生徒会の役員会でも分かって、わりと自由に色々な事が出来て盛り上がるらしいのが譲もちょっと楽しみだ。
　
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続きに拍手コメお返事です～^^　

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