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僕の好きな人 43

 朝、目を覚ましていつものように起きだすけれど、夜に世那が何もしてくれなかったのが不安で朝から溜息が出てしまった。
 でも朝は起こしに行って、キス……と思っていたら譲が起こしに行く前に世那が欠伸をしながら起きてきた。
 「はよ」
 「お…は…よ……」
 くわっと欠伸しながら世那が洗面所に行ってしまって譲は顔を俯けた。
 …キスして起こせって言ったのになんで?
 昨日の夜だって何もしてくれなくて…。
 …だからといって譲からして欲しいなんて言えなくて黙っているしかない。

 行きの電車の中ではいつものようにぴったりと譲を守るようにしてくれたけど、それ以外だとちょっと離れている気がする。
 いや、気じゃない…。だっていつもは歩いていても譲がちょっと手を出せば届く隣に世那がいたのに今日は譲のちょっと後ろを歩いている。
 電車の中以外では世那は全然譲に触ってないんだ。
 どうして…?
 どきどきと嫌な事ばかり考えてしまう。
 世那…もう嫌になったのかな…?
 それは分かる…。
 自分でだってこんなぐじぐじしてるの嫌なのに世那にしたらもっと嫌だろう。

 …でも嫌だ…。
 なんで?
 それでも聞けない。
 「譲、今日は生徒会はないな?」
 「……ない、よ…」
 「じゃあクラスで待ってろ」
 「………う、ん…」
 顔を俯けたまま譲は頷いた。
 「天間?何したんだ?今日も高橋くんは元気ないままだろうが」
 「てめぇには関係ねぇ」

 何もしてくれないから…なんて言えない。
 世那はきっと嫌になっちゃったんだ…。
 譲がえっちぃ事なんて考えていたから?
 …そんな事世那には分からないはず…けれど自分なんかが世那に合うはずないのは分かってる。
 それでも…譲はやっぱり世那がいればいい…。
 キスして欲しいとか、それ以上とか…余計な事なんて考えてるから…世那に分かられたんだろうか…?
 そういえば物欲しそうな顔してる、って言われた…。
 自然にダダ漏れになってた…?
 それで世那引いたの?
 ……欲しい、とかって…やっぱりそんな訳ないんだ。

 うぬぼれていた自分にかっと顔を赤らめた。
 「ぼ、ぼく…先行ってるね」
 足が速いわけじゃないけど譲は思い上がっていた自分が恥かしなって二人から離れて走って昇降口に向かった。
 バカだ!
 自分で自分の事分かってるつもりでも、世那がそれでいいような事言ってくれてたのに自惚れていたんだ。
 世那は優しくしてるだけだったのかも。
 ホントはウザイとか思ってたのかも。
 それともバカな譲をちょっとからかっただけ…?
 すぐいい気になって世那を我がもののように思ってたなんて、なんて思い上がってたんだろう。

 してくれない、とか…そんなの譲にしたい、って思うはずないに決まってるじゃないか。
 泣きそうになってくる…。
 それでも世那は帰りに迎えに来てくれるって…。
 いや、それだってやっぱり仕方なくなのかもしれない。
 そうじゃないって言ってくれたけど、お父さんお母さんがいないから責任感だけでそう言ってくれてるのかも。
 たったちょっと世那が離れただけでもこんなに後ろ向きになれる自分がさらに嫌になる。

 そうじゃない、考えすぎだって打ち消そうとする気持ちだってあるけど、昨日の夜も朝も先週に戻ったような感じだった。
 …世那はなかった事にしたいのかな…?
 そうかもしれない。
 きっとそうだ……。

 クラスでも具合でも悪いのか?と声かけられる位意気消沈していたらしい。
 それくらい譲の中で世那の存在が大きくなってるんだ。
 今なんか親もいないのに全然不安も何もないんだから。世那さえいればいい、って思っている位だ。
 その世那に嫌われたり呆れられたりいらないように思われるのが一番譲にはキツイかもしれない。
 女子はキャーキャーと学園祭の話で色々盛り上がっているけれど、なんかもうどうでもいいような感じに思えてくる。

 「高橋ぃ!白雪姫でいい?」
 「……なんでも…」
 何言ったってきっと勝手に決められるんだからどうでもいいし、世那に気にしてもらえないならどうでもいい事だ…。
 なんか投げやりになってるな、と自分で苦笑してしまう。
 「でもスカートは短くしないとね!」
 キャーとなんでもない事に騒げるのが羨ましい。

 「あ!高橋!王子サマお迎えにきたよぉ!くれぐれも天間先輩にも内緒だからね!」
 「……言わないよ」
 誰が好き好んでお姫様になります、なんて言うもんか。
 …それに世那だってきっと興味なんかないに決まってる。
 顔を俯けたまま鞄を持って世那の待ってくれている廊下に出た。
 
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続きに拍手コメお返事です~^^
S様
 世那可哀相でしたwwww必死に譲の為思って我慢してるのに^^;
 はいそして譲のぐるんぐるん劇場の幕開けです(笑)
 あ、でもそんな続きませんけどね…
 何しろ一緒の家なもので(笑)
 ありがとうございます~^^

mm3様
 もう同棲どころか新婚さんで
 入籍済みなんですけど気づいてないwwww
 夜の生活もね~!ふふふ…
 ありがとうございます~^^

SR様
 予習はばっちりなんですよ!^^b
 でも世那はもう譲がウブイと思ってるので^^;
 入籍済みなのにね~(笑)
 私はもう~したい事もなんでも我慢しません(笑)
 アカンですね~(^m^)
 もう自分がよければいいや~!って感じです^^
 寒いし温度差が激しいし体がおかしくなりますね(><)
 お気をつけ下さいね~!
 お気遣いもありがとうございます~^^

tsr様
 我慢我慢…どっちも我慢なんですけどwwww
 壊れるのは譲も譲だからなんですけど…^^;
 旦那様、軽い風邪でよかったですね~(><)
 うつされたら大変!ってハラハラしますね^^;
 ぐるんぐるんに突入してました(^m^)
 こわれるまでもう少し…^^;
 ありがとうございます~^^

w様
 生殺しでしたwwww
 チューしたらねぇ~…そうなの~
 で、世那は必死に譲はビギナーなので、と
 我慢してるのですが、譲気付かず(笑)
 わんこもありがとうございます~^^

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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