日曜日、お父さんとお母さんが大荷物を持って無事帰宅。
「譲くん大丈夫だったかい?世那に苛められてない?」
「おい」
お父さんが帰ってきて一番初めに言ったのがそれだったのに思わず笑ってしまった。
「世那優しいデス」
へへと譲が笑うとお父さんにぎゅうっと抱きしめられてなんかくすぐったい。小さい頃から母親と二人だったからなんとなくお父さんっていう存在に慣れないけど、世那のお父さんがこうしてくれるから畏まらなくてもいい感じ。
「譲くん!可愛い!」
「世那くん、譲いっぱい迷惑かけちゃわなかったかしら?」
「いえ、全然。俺の方世話になってた感じなので」
「家事はね~!でもそれ以外はねぇ…」
お母さんの言うとおりだ。
世那がいなかったら学校からまっすぐ帰ってくる事も出来なかったかも。
お父さんの腕から解放され、代わりに今度は世那の腕に抱きついた。
世那はくすと笑って譲のしたいようにさせてくれる。
「あらホントに仲良しさんなんだ?」
「そう」
なんか幸せ…って感じがする。
お母さんも今まで見た事ない位穏やかに見える。お父さんは義理なのにそんな感じもしないし。
「譲、来いよ」
世那が譲を呼んで二階に上がっていくのについて行き、階段では世那が譲を先に階段に上らせて後ろをついてくる。
なんか嬉しいなぁ、と気持ちが浮き立っていた。
「譲、足気をつけろよ」
浮かれてたのを世那は分かっているらしい。
「え?だいじょ…うっわ…」
「ほらっ!」
大丈夫だよって言おうとした矢先から足を踏み外すと世那が片手で譲の身体を受け止めて、片手は手すりをぎっしりと掴み、譲が階段を落ちる事はなかった。
はぁ~…と二人で溜息を吐き出す。
「だから気をつけろって言っただろ!?」
「ごめんなさい…」
でも…世那がちゃんと助けてくれる。
譲が後ろ向きで全体重を預けるようになっていても世那がびくともしないんだ。
その背中の安堵感に体勢を直さないで世那に寄りかかったままにしていた。
「…何してる?ほらちゃんと足確かめろ」
「うん……世那、ありがと」
「………それはいいけど、……お前、今まで転んだりぶつけたりで頭打ちすぎたんじゃないのか?」
「………………それどういう意味?」
「え?…それで頭の螺子が緩んでるのかなぁ?と」
「ひど!」
くっくっと世那が笑いながらも譲を離さない。
「仕方ないから面倒俺がみねぇとな?お前はそのままでいい…」
階段にちゃんと足をつくと世那の腕が離れる。
ずっと世那が傍にいてくれる、ってこと…?
だったらドジだってなんだっていいや…。
世那の部屋に入って一緒にテレビ見てたけど、テレビなんか目にも頭にも入ってこない。
世那がベッドに寄りかかってその膝の間に譲がちんまりと座り、背中を世那に預けていた。
「テレビ面白くねぇな……譲…」
世那が譲の顎に手をかけて上を向かせられる。
キス…。
下にお父さんとお母さんいるのに…。
こんな事いいのかな…って思うけど…。
…よくない…んだろうけど…。
世那が何度もキスを繰り返すのに息が浅くなってくる。
「眼鏡邪魔」
世那がそう言って眼鏡を取ってしまうと、周囲の景色は全部ぼやけてしまって見えるのは目の前にある世那の顔だけだ。
「んぅ…」
世那の舌が譲の口腔に入ってきて舌を絡められる。
もっと…と思ったら世那が離れて思わず世那をじっと見てしまう。
終わり?もっとして欲しいな…。
そんな譲の顔を見て世那がくっと笑う。
世那の手はまだ譲の顔に触れていたし顔だって凄く近いのに。
「譲?…もっと…だろ?」
「………ん…」
言い当てられて顔を俯けようとしたけれど世那が譲の顔を挟むようにしてるので出来ない。
「目うるうるさせて頬っぺたピンクにして…こんな顔誰にも見せるなよ」
「誰にも…って…世那としかキスしないのに…」
会長の事は置いといて!
あれは世那が虫だって言ったからカウントなしで!
「……お前危なっかしいもんな…」
くすと笑いながらもう一度キスしてくれる。
やっぱ好き…。気持ちいい…。
「…満足?」
足んない…。もっともっと世那が欲しい。
……と思ったら階下からおみやげあるからおりてらっしゃーい、とお母さんの声。
世那と顔を合わせてはぁ、と溜息を吐き出しながら世那は眼鏡を譲に戻してくれる。
「……またどこか旅行いかねぇかな…」
帰ってきたばかりなのに!
ぷっと譲は笑ってしまった。
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ご心配おかけしております(><)
咳、鼻水、頭痛治まらずです↓
熱は微熱継続中でだるいです…
出かけもしないでおとなしくしているのですが^^;
拍手コメもありがとうございますm(__)m
お名前だけですみません…
S様 tsr様 SR様 何度もお気遣いもありがとうございます~(T-T)
mm3様 yk様 hrk様 nck様 匿名ちゃん様 MR様 w様
いつもありがとうございます~
ym様 ymg様 初めてのコメントありがとうございます~(T-T)
ちゃんとリコメできなくてすみません…
よろしかったらまた入れて下さいね(><)
丁寧なコメントにこれだけで申し訳ありませんが…
ご容赦くださいませm(__)m
お優しいお言葉いつもありがとうございます(T-T)
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