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僕の好きな人 66

 「終わっちゃったね」
 帰りの電車の中でなんとなく心寂しいなと思いつつポツンというと世那が笑いながら頭をポンと叩いた。
 「この頭…」
 「そうなの!!!」
 世那みたいにかっこよくセットされてるならだけど、譲のはふわふわになってしかもスプレーで固められてて崩れない。どうしたって制服にはおかしい!

 「しかしお前何そんなに荷物多いんだ?」
 「……………衣装もらった」
 ぶっと世那がふきだして腹を抱えて笑い出す。
 「今度コスプレプレイする?」
 笑いながらこそりと譲の耳元に囁いた。
 「しないっっ!」
 「なんだ…」
 世那はしたいの…?
 思わず窺う様に世那を見上げると世那はその譲を見てまた笑う。

 「別にどうせ脱いじまえば関係ないな」
 「っ!」
 そうだけど!
 そういや、帰ったら……思わず学校で世那にされた事も思い出して、譲は顔を真っ赤にしながら俯いた。
 学校では譲だけだったけど…。
 「ん?なに?…期待してる?」
 電車は土曜でいつもよりも空いており、隣に立っていた世那が譲の耳にそんな事を小さく囁いてさらに顔を赤くして世那の腕をばんばんと叩いた。

 何したって世那は笑ってるだけ。
 初めはあんなに怖いと思っていたのに今は全然だ。だって世那が優しい顔をしてるから。
 お母さんとお父さんが帰ってくるのは明日で、今日は世那と二人きり。
 久しぶりの二人きりでかなり嬉しい。
 お父さんも優しいけど、好きだけど、だってやっぱり家族といるよりかは世那といたい。

 くっつきたいなぁ…と世那を見上げて思ってしまう。学校でずっと世那の腕に抱き掴まっていたからか、ほんのちょっとのこの距離でも離れているように感じてしまう。
 でもさすがに制服姿でそれはちょっと…と譲だって分かっている。
 帰って、家に着いたら…。
 西高生がいつもわんさかといる駅も学園祭がずれているのだろう誰もいない。

 もう10月で日が短くなっていて暗くなっている道を世那と並んで帰る。
 なんか一日学校だったけど今日はいつもと違う雰囲気でずっと世那といられたのが嬉しい。帰っても世那にくっ付いていられるのも嬉しい。
 お母さんとお父さんには悪いけどいなくてよかった、と思ってしまう。
 家の近くになって住宅街では人通りも少なくなり、譲はそっと世那の制服の上着の裾を掴んだ。
 世那が気付いて譲を見るとくすと笑みを浮べる。

 甘ったれた気分になっているのが分かっているのか世那は何も言わないで譲のしたいようにさせてくれる。
 ううん、今じゃなくたっていつでも世那は譲のいいようにしてくれるんだ。
 早く家に着かないかな、とあとちょっとの距離でさえももどかしい気がする。
 「世那…」
 やっと家に着いて玄関に入ってすぐに荷物を離し世那の首に腕を回して抱きつくと世那も抱き返してくれる。
 「甘ったれだな」
 「……うん」

 今まで誰にもこんな風になんかなった事ないのに…。
 世那が譲を拒否しないのが分かってるから、なんでも譲のいいようにしてくれるのが分かってるから、だから出来るんだ。
 世那の手が譲の背中をぎゅっと抱きしめてくれる。
 「世那ぁ」
 ねだるように世那を呼べば世那が譲に顔を近づけてキスしてくれた。
 軽く何度も合わせ、そして段々と深く。
 世那の舌が譲の口腔の中に入ってくると絡めて吸い上げられる。

 「んんぅ…」
 好き…。
 譲なんかのどこがいいのかと自分で思うけど、でも世那にこうして貪るようにキスされれば世那も譲を欲しいと思ってくれているのが分かる。
 世那の舌に譲もおずおずと自分から絡めると世那が譲の頭を押さえてさらに深く舌が交わる。
 「ぁ…う……」
 それだけでももう感じてしまって背中がぞわぞわして力が抜けてきそうになってくる。
 なんか学校でちょっとシたからか敏感に感じてしまう。

 「ん?もう感じてんのか?」
 もじもじとしたらすぐに世那が気付いた。
 「だ、だって…」
 「すぐ…って言いたいとこだけど、お前のその髪は先に洗ったほうよさそうだ」
 確かにごわごわしてて嵩張っている気がする。
 「…うん」
 「先シャワー行って来い。……一緒行くか?」
 「い、い、い、いい…!一人で行く!」
 「なんだ…。ああ、自分でするなよ?いや、したっていいけどする時はちゃんと俺の前でしろ」
 「しないもん!!!」
 世那の腕を離れてばたばたと風呂場に向かうと後ろで世那がまた笑っているのが聞こえた。

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続きに拍手コメお返事です~^^
SR様
 ありがとうございます~^^
 姫抱っこしました~(笑)
 公認イチャコラ。世那がそんなのに付き合う人だったのかと
 初めて思われたでしょう~。
 ゆず限定なんですがwwww
 ニャーはね~お昼寝一緒にしてくれないのよ^^;
 逃げる(笑)それぞれ勝手に好きなとこでお昼寝です^^;
 ありがとうございます~^^

mm3様
 天然の神様wwww
 ちゃんとコケて盛り上げますよ~(笑)
 ロマンチックな夜…になるでしょうか?
 譲ですよ?wwww
 ありがとうございます~^^

pkl様
 ありがとうございます~^^
 年はいらんですが…^^;
 かっこいいにまだなってますかね?^^;
 大分崩壊してますが(笑)
 西高進学校なんですねww文中とは正反対~
 お家に帰宅でした~^^
 でももちょっと待って下さいねwwww
 ありがとうございます~^^

tsr様
 女子だったら計算ですね(笑)
 世那は牽制の意味もこめてノリノリです^^;
 息子くん…ちょっと残念ですけど、でもよかったですね^^
 男の子単純ですよね~(笑)
 あ、ありがとうございます~!
 年はいらんですけどね~^^;
 29歳なんて…言うだけも無理だわ~(笑)
 ありがとうございます~^^

匿名ちゃん様
 すぐに直しました~(><)
 すみません…^^;
 しかし最初全然見つけられず…飛ばして読んでたらしいです^^;
 今夜はイチャイチャナイトですが(笑)
 もちょっとお待ち下さい~^^;
 ありがとうございます~^^

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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