「やだ、って…」
本当に嫌なんじゃない。
昨日だって嫌だったわけではなくて。
女の人がだめで、だからって誰でもいいわけじゃない。
今までだって声かけられた事はあったけど…。
だからってそんな事には至らなかった。
宗が瑞希の顔を押さえて唇を覆ってきた。
「ぅ……ぁ、ん……」
声が思わず漏れてしまうとさらに執拗に宗の舌が瑞希の口腔の中を蹂躙する。
「いい、声だ」
「や…」
女じゃないのになぜ!?
男に興味ないって言ったはずなのに。
そういえば、男なのに綺麗だ、といった存在が宗の中にいた事に気付いた。
自分はそれの代用か?
嫌だっ!
だけど…抗えなくて。
宗が舌を吸い上げて、絡ませてくる。
それだけで瑞希の身体は正直に反応してしまっている。
昨日の快感をまだ身体が覚えているのだ。
自分の手では味わえない強烈な官能。
相手がブ男でかっこ悪いやつだったら顔を張り倒してでも蹴ったぐってでも逃げる。
だけど宗はかっこよくて、今まで誰にも相手された事なかったのに瑞希の身体は正直に反応してしまっているのだ。
かっこいいなんてずるすぎる。
しかも声もよくて、耳に声が聞こえるとそれだけでおかしくなりそうだ。
なんで?宗は女にだって苦労もしてないだろうに。
宗の手が瑞希の下をずり下げた。
「や…だめ…」
「全然だめじゃないだろう。ほら、反応してるし」
くすっと宗が笑って瑞希のすっかり起ち上がっているそれに手を這わせてきた。
「だめ、だって…声、聞こえる…やだ…」
「隣も一人暮らしだろ?もう出かけたから大丈夫だ」
そういう問題じゃなくて!
「なんか…ローション、なんてないよな…じゃ、仕方ないな四つんばいになれ」
「い、いいから」
「よくない。それじゃあんたが痛いだけだ」
「いや、違くてっ!しなくていいっ!」
「俺がしたいんだ。昨日は出来なかったが、足に痛みはないし、腫れも引いたからいくらか自由がきく」
「いや、だから…」
「つべこべいうな」
宗が瑞希の身体をひっくり返した。
「頭下げて腰出せ」
膝を折り曲げられて恥かしい格好をさせられた。
だからなんで、こんな事になってるの!?
しかも朝っぱらから。
そしてしかもクリスマスイブの日なのに。
「…ふぅん…綺麗だな」
媚肉を割られしみじみと宗が言うのにいたたまれない。腰を引こうとしたが宗の手が前を掴まえてきた。
「ぅんっ!」
「ほら、前滴ってきてんじゃん。感じてるんだろ」
信じられないっ!
かと身体が熱くなってきて泣きたくなってくる。
なんだって見ず知らずといっていいのに、自分の身体はこんなになっているのか!?
「う、わっ!!な、なに…?ゃ……あっ」
ぬるりと後ろにぬめりを感じた。
「だってここ、女と違って濡れないからな」
「え……?」
ぬるぬると蠢く何かに恐る恐る顔を振り向くと宗の頭がそこにいる。
な、舐めてる、の…!?
「や、や…だめだって…っ!!き、汚い……っ」
「あ?洗ったんだろ?」
「そ、そんな…」
問題じゃない!
「や、ぁ……」
唾液を流すように宗の舌が動いてくちゅくちゅと水音が聞こえてくるのにどうしていいか分からなくなる。
さらに前を触っている手が上下に動き出せば瑞希の腰が揺れてきた。
気持ちよすぎるっ…!
こんなの知らないっ。
「や……」
宗の舌が瑞希の中に入っている。
嘘だ!と思っても嘘じゃなくて。
その感覚が鮮明に感じ取られ、しかも前まで刺激されれば従順に反応してしまって。ぞくぞくと身体に快感が走る。
「やだ…ぁ…」
顔を枕につけて必死に声を抑えようとした。
「声、聞かせろよ…男の喘ぎ声なんていただけないと思っていたが…あんたのなら聞きたい…」
なんでそんな事言うのか。
「や、…出る…」
「イけ」
宗の手がよけい激しく瑞希を上下に扱くのに瑞希は身体が揺れた。
「あ、出ちゃ……ぁ……っ!」
背中が仰け反り宗の手の中にどくどくとまた欲を出してしまった。
宗の手は丁寧にそれを掬い取るようにして今度はその手を後ろに這わせてきた。
「や…な、に…?」
まだイったばかりで瑞希の息が荒い。
「潤滑油の代わりに丁度いい」
宗の声が響いた。
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