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僕の好きな人 71

 「譲…?起きられるかぁ?」
 「ん……?」
 世那の耳元に聞こえる近い声と体温を感じる。
 世那の腕の中…?
 ぬくぬくと温かい体温が譲を包んでいた。
 ……気持ちいい。
 身体は気だるい感じもするけれど、それもまた嬉しい。
 「世那…」

 すり、と世那に身体を寄せると世那の腕がぎゅっと譲を抱き寄せてくれてキスされた。
 朝から幸せすぎるぅ…。
 そして親の不在が嬉しすぎる。
 …別にお母さんもお父さんもずかずかと二階に来るわけじゃないけど、これで一階から物音がしてきたら気になってこんなまったりした時間なんか感じられないだろう。
 世那がキスを繰り返すのに譲はくすぐったくて笑ってしまう。

 「身体大丈夫か?」
 「……ちょっとだるい…位かな…?」
 かぁっと昨夜の事を思い出して真っ赤になってくる。
 だって何度も…。
 いっぱいするって世那は言ってたけど…ホントに…。
 「起きる?」
 「…うん」
 譲が小さく頷くと世那が腕を解いてベッドから起き上がった。
 「ほら」
 世那が譲の手を引っ張って起こしてくれる。

 「あっ!」
 世那は下を穿いていたのに譲はマッパで慌ててタオルケットを引っ張って隠そうとしたら世那が肩を揺らして笑っている。
 「別に隠さなくたって!」
 「だ、だって!」
 そりゃあ世那みたいな身体だったら惜しげもなく見せてもいいけど!
 「…自分だけ穿いててずるい……」

 「だってお前意識とばしたようにして後はもう寝ちゃっただろう?隅々までもう見てるんだから別にいいのに」
 そうだけど!自分でも見ないとこまでしっかり見られて舐められてまでしてるけどっ!
 でもそん時はそん時で、今はちょっと恥ずかしいに決まってるのに!
 ごそごそとベッドの中で脱がせられたものを穿いてると世那がやっぱり笑ってる。
 「変なやつぅ」
 変じゃない!…と思うけど、男同士だったら普通そんな気にしないのかな…?
 でも譲は自分に自信があるわけでもないのでやっぱり気になってしまう!

 朝ごはんともお昼ごはんとも言えないような中途半端な時間にご飯を食べて洗濯ややる事すませてソファに座ってテレビを見てた世那の腕に抱きつくようにくっ付いた。
 「お疲れさん。後はなんも動かなくていいぞ?親達帰って来るの夕方か夜だろうから。洗濯とかだって明日も休みなんだからいいのに」
 「いいの。いっぱいになると大変だから。少しだったらすぐ終わるもん。いっぱいになっちゃうとどこから手つけていいか分からなくなるんだもん」

 「ああ…!なるほど!」
 世那が納得したように頷いて笑った。
 「なんでキッチンとかも綺麗に使えるのかとか謎だったんだけどな。あの一番初めの散らかしぶりから見たら」
 「使う分だけ出して戻せばいいんだったら出来るの!」
 「許容範囲超えるとああなるんだ?」
 笑いながら世那がまるで動物を可愛がるような感じで譲の頭を撫でていた。

 譲が甘えてるからかな?
 猫だったら喉を鳴らしてるかも…と自分でも分かる位に世那にべたべたしてた。
 世那もずっと手を譲にかけていてそれが嬉しくてつい顔が、にへっと緩んでしまう。
 こんな何でもない時間も幸せだなんて…。
 家にお父さんに本当はお兄さんだったんだけど、お兄さんじゃなくて恋人に…今まででこれ以上ない位…怖いくらいに幸せだな、と思ってしまう。

 譲はいい。
 いいんだけど、ちょっと引っかかるのはお母さんにもお父さんにも胸を張って言えない所だ…。
 この先どうなるかなんて全然まだ分からない。分からないけど、でも譲は後悔はしないと思う。
 いくら後ろ指さされたって世那がいれば平気だ。
 …でも世那は?
 世那の撫でる手にすり、と猫が擦り寄るように頭をすりよせた。
 先の事なんて今考えたって仕方がない。

 「……バイトすっかなぁ…」
 「え!?……学校ってバイトしていいっけ?」
 「いや、ダメ」
 「え!?…それなのに…?」
 「隠れてしてるやつなんて山ほどいるだろうが」
 「……どうして?今まではしてなかったのに…」
 「どうしても」

 じゃあ休みの日にこんな風にゆっくりする日もなくなるってこと…?
 やだな…と譲は世那の撫でる手の袖口をツンと引っ張った。
 嫌なんて言う権利が譲にあるはずない。
 「……どういうとこでするの…?」
 「知り合いの先輩がカフェでバイトしてて前から誘われてたから…うまくいけばそこかな」
 「…ふぅん」
 カフェなんて…。きっといっぱい女の子が寄ってくるに違いない。
 やっぱりやだな…と譲はそんな事を思ってしまうのを見られたくなくて顔を俯けた。

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続きに拍手コメお返事です~^^
S様
 え~?世那の方が5倍も夢中ですか~?(笑)
 …でもそうかな…(笑)肝心の本人が気付いてないけど^^;
 ほほほ~そんな事言う位に成長したら立派ですね~!
 言って自分で真っ赤になってるでしょう~(笑)
 ありがとうございます~^^

tsr様
 朝イチでございました~^^;
 譲はきっとそのうちするでしょう~。間違いなくwwww
 なにげにイケイケなので(笑)
 息子さんも娘さんもよかったですね~(><)
 娘さんもほんと!よかった~^^
 親の方がどきどきしますよね^^;
 がんばって母働かないとね(--;)
 私は色々手抜きばっかりですよ?…ヤバイ位に^^;
 でも凝り酷いとホント何もできなくて↓(という言い訳ができるww)
 咳がね…なかなか頻繁に出るわけでもないのですが…
 お気遣いありがとうございます~^^

SR様
 だるいのはいくらかよくなりましたが、咳がまだ
 抜け切りません…(--;)
 寝られないとかはないのでまだいいですけど^^;
 譲は誘いのプロですか?(笑)
 世那がエロ心理学者wwどちらも限定ですけどね(^m^)
 高校生は大変です(><)
 それでも同じ家にいる分べたべたさせるのは楽ですけど^^
 ありがとうございます~^^  

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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