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僕の好きな人 76

 親がちょっといない隙の日中からなんて…自分でも考えられないけど、でもなによりもどうしたって世那が欲しいと思ってしまうんだ。
 世那はいったいいつの間にジェルなんて用意したのか。
 交わるところからやらしい音が響いてくるのに煽られる。
 だって…世那ががんがんと腰をぶつけてきて譲の身体を激しく揺さぶってくる。
 「せ、な…あ、ぁ…っ」
 「譲…いい?前もたらたら濡れてる…」

 世那の息遣いも荒く、短くなってくる。
 「んっ!あ、…も…」
 腕を伸ばして世那の首に巻きつけぎゅうっとしがみついた。
 「や……い、きそ…」
 「いい。譲っ…」
 世那の声も切羽詰まってる。
 「出す、ぞ…」
 「んっ!」

 世那の上擦った声にきゅっと後ろを締め付けると世那が腰を押しつけてきた。
 「あ、ああぁっ!……んんっ!」
 声が大きく出そうになって慌てて口を引き結びながら譲もどくどくと白濁を吐き出すと世那の手が受け止めてくれる。
 はぁ、と息を吐き出して世那が譲の上に被さった。
 「わり…余裕なくてかっこわりぃな…」
 世那が譲の頬や耳にキスしながら苦笑する。
 そんな事ないのに…。
 譲のほうがみっともないと思うけど…。
 世那は上も下も脱がないでホント切羽詰ってたみたい…。でも、そんな状態なほど欲しがってくれたっていうのも嬉しい。

 肌が合わさるのも嬉しいけど、ゆっくりもいいけど、こういうのだって世那がこんなに余裕ない位って分かるのだって嬉しい。
 …とにかくもう相手が世那だったらなんでもいいみたい。
 くすと自分がおかしくなって笑って、そして目の前の世那の頬を手で挟んで首を伸ばしてキスした。

 好き。
 譲から何度も何度も軽くキスしてると世那が笑う。
 ああ、やっぱりこういう時間が好きだ。
 ふふと譲が満足そうにしてると世那も譲の頭を撫でてくれたりキスを返してくれたりと甘い感じがこそばゆい。


 世那のバイトが休みの日は世那の部屋で一緒にいたり出来るけど、やっぱりバイトに行ってる日が多くて譲は物足りない。
 我慢、と思っても、場所も教えてもらって意外とすぐに行けてしまう距離なのでうずうずしてしまう。
 でも平日はちょっと怖い。
 世那にも平日はダメ、って言われてたし…。
 土曜日だったらいいかな、とまだ週も半ばなのに考えてしまう。
 もうすぐテストも近くなってくるけど、どうしても世那が気になって仕方ない。

 気になって気が散る位なら行った方いいよな!
 店の中に入る勇気はないので店の外からちょっと眺めるだけ。
 どんな格好でしてるのかちょっと見てくるだけ。
 うん!と譲は自分で勝手に決めてしまう。
 勿論、世那には内緒だ。…来なくていいって言われそうだし。
 慣れないからまだダメって言われたから、世那からちゃんとおいで、と言われるまではこっそりと。
 うぷぷ…と譲は一人で部屋でほくそ笑んだ。
 そう決めてしまえばスッキリして勉強も進んだ。

 その週の土曜日。
 お昼過ぎから世那はバイトに行って、夜までらしい。
 何時になったら行っていいかな…?
 そわそわと譲は落ち着きなく心を浮つかせていた。
 2時になったら行ってみよう!と時計と睨めっこして2時を時計が指したので二階から降りてちょっと駅前に出かけてくるね!と母親に声をかけて出かけた。

 今日は西高も休みだろうから普通に駅の方に向かって行く。
 私服だし、眼鏡は目立つかもしれないけど、制服よりかは目につかないはず。
 それでなくとも背も大きくない譲はちょっと人影に隠れがらという事だってできるし、そもそも元々目立つ存在じゃない。
 誰に絡まれるでもなく駅構内を横切って駅裏に出た。
 ちょっとドキドキしてくる。

 ………世那のカフェが見えてきた所で一旦足を止めて譲は深呼吸する。
 自分が働くのでもないし、ただちょっと覗くだけなのになんでこんなに緊張してるのか?
 よし!と心を決めて近づいていく。
 今日は天気がよくて暖かい陽射しなのでオープンスペースにもお客さんが結構入っている。
 植え込みの木の陰になるようにして中を覗いていると同じような事をしている人が前にいた。
 この人も誰か気になるのだろうか?
 世那を気にする前に自分と同じような事をしている人が気になってしまった。

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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