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僕の好きな人 99

 「行かない!」
 「なんで?」
 「なんでも!」
 
 世那がバイト休みの日曜日!
 出かけようと言われて一緒に出てきた。
 世那のぶかぶかのパーカーを着せられてキャスケットの帽子被せられて。
 普通にいつもの駅周辺かな?と思ったら電車でもっと大きな駅の方まで出て行くらしい。
 電車の中でも世那はぴったり譲にはりついてる。

 男同士でこんな近づいてるのって…と思って回りをちらと見るけどそんなに気にされてないようで、自分が気にしすぎなのかな?と拍子抜けしてしまう。
 「譲」
 世那が電車から下りる時も譲の腰に手を回す。
 いいのかな…?大丈夫…?
 でもちょっとはやっぱり嬉しい。
 そんな気分だったのに。

 「どうして?譲、したくない?」
 「そ、そうじゃなくてっ」
 「…………俺がえっちばっかしたくているから…やだ?」
 「違うっ」
 人通りが多いトコで歩きながら世那が譲の耳にささやいてきたのはバイト代入ったからホテル行こうだった。
 だから近所の駅じゃなくて大きい駅まで出てきたんだ。
 別にホテル行くのが嫌なんじゃない。

 「…譲が嫌だっていうなら…」
 「嫌と違う!」
 「……ちょっと」
 世那が譲の手を引いてコーヒーショップに入った。
 あの譲がもう行かない!と決めたコーヒーチェーンの別店だ。
 …家の近辺じゃないからま、いっかと大人しくついていく。
 ついていくのはいいけどここでも世那はいいから、と支払いを全部世那がしようとする。
 こんな所で大きな声とか出せないし仕方ないのでそのままにするけど…。

 「……僕、これから世那と出かけるのやめる」
 「え!…なんで?」
 むっと世那が顔を顰めた。
 「なんで世那が働いたお金で全部払おうとするの?僕はそういうのやだ。コーヒー位自分のお小遣いから出す」
 窓際の長いすに並んで座ってから譲は小さな声で抗議した。
 「…世那の事好き…。…したいよ。でも世那が働いたお金でって違うでしょ?」
 「なんで?全然違わないと思うけど?」

 「………じゃあ僕もバイトする」
 「だめ」
 「どうして?」
 「ダメだから。お前はご飯用意したり色々家の事してるし、……奥さんの役目だろ?俺旦那。ほら問題ない」
 ………違うと思う。

 「結婚してませんけど?」
 「籍入ってんじゃん」
 「違うでしょっ!」
 確かに籍は入ってるけど!天間ですけど!
 譲がむぅっとすると世那が苦笑する。
 「……譲が嫌なら仕方ないけど」
 「嫌じゃない。違う…」
 違うのに…。

 「…分かってる」
 譲が顔を歪めて顔を俯けると世那が譲の頭を抱きかかえてくれる。
 こういうとこ好き。
 「…じゃあイベントん時ならいい?お前の誕生日とかクリスマスとか」
 「…………そういう時なら」
 プレゼント、みたいな感じだったら嬉しいかもしれない…。
 小さく頷くと世那が笑った。
 「…………世那…僕…めんどくさい?」
 そんなの気にしなきゃ気にしないでいいのかもしれないけど、もらってばっかりじゃ自分が嫌なんだ。

 「いいや。ちゃんと考えてるって事だろ?」
 「……うん。だって世那…大事だもん。世那の時間を潰して働いたお金を僕の為とかそんな事に使って欲しくない。遠く離れてて会えないなら分かる。でも世那とは僕いつでも一緒にいられるのに…。夜、一緒に寝られるだけでも嬉しいのに」
 「…………俺はそれだけじゃ足んねぇんだけどな…」
 世那が譲を離してコーヒーに口をつけたら窓の外からじっと眺めてくる人がいた。

 「げ…!」
 「あ、れ…」
 もしかして…世那のお母さん…? 
 今日は日曜日なのにそれでもぱりっとスーツを着ていた。
 やっぱり!このコーヒー店はどこの店でももう絶対入らない事にする!

 「なに?コッチの方まで出てきてたの?」
 トレイを手に世那のお母さんがやってきた。
 聞きもしないで向かいに座る。
 「来んじゃねぇ」
 「何?その言い方」
 「譲に余計な事言っただろう」
 「余計な事?あら?この子言ったの?」
 「いいや、譲は何もいわねぇよ。一人で我慢してたの聞き出したんだ。…ったく!余計な事ばっか口挟んできやがって」

 「失礼な子ねぇ」
 「本当の事だ。…なんで親父はこんなのと結婚したんだ?」
 「私にとっても過ちだったわ。その子のお母さんとは?どう?」
 「可愛い人だよ。譲と同じで」
 「じゃああの人はデレデレでしょ」
 「まぁね」
 譲は世那と世那のお母さんの会話をきょとんとして聞いているしかなかった。

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続きに拍手コメお返事です^^
U様
 ちっせぇぇぇ!でした(笑)
 最初の怖いのどこへやら…でしょう?(--;)
 あれ~?…^^;ってなってました。なぜかこうなっちゃうんだなぁ↓
 しっかりしてきて~母のような…(笑)
 ありがとうございます~^^

okw様
 大好きなお風呂シーン!(笑)
 私も出しすぎ~なんだけどつい…ね^^;
 だって勝手にはじめちゃうんだもん(><)
 いいけど会長フェードアウトでおしまいでした^^;スンマセン…
 勿論お茶のみの仲な彼お待ちしてます(^m^)
 どぞどぞお好きに~(笑)
 ありがとうございます~^^

CM様
 悪友仲間ばっかりでした(笑)
 世那余裕なさ過ぎですwwww
 そうなんです~!カッコイイのが焦るって楽しい!(^m^)
 だからいつも崩れていくのだろうか…(--;)
 ありがとうございます~^^

tsr様
 いいでしょう?二人(笑)
 学習能力高いゆずは成長著しいでしょう!そしてまた世那焦ると^^;
 女なあざといですからねぇ~(^m^)
 裏設定では世那がクールすぎで(ゆず前では信じられないけど 笑)
 本気で好きじゃないんだと悟って別れた、なんですけど~^^;
 入れられなかった…^^;
 夫婦漫才ありがとうございます(笑)
 あ、アレについては聞いておきますね!!!(爆笑)
 私も入部は遠慮したいかな…^^;どんなのか興味津々ではあるけどwwww
 ありがとうございます~^^

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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