なんだよ!あれは!?
千聖…ってまさか…笑顔で呼ばれるなんて思ってもなくてベッドの中でいなくなった彰吾を思って頭を抱えてしまった。
自分から彰吾なんて呼んで馴れ馴れしくしてたけど…それに泊まる!?まじで?
…いいけど、汗で身体がべたべただ…。
「シャワーしてこよ…」
千聖はのろりと起き上がって壁伝いに階下に下りていった。
やっぱりちょっとふらつくが身体がべたべたなのは気に入らない。寝る時はいつも裸だが、さすがに彰吾がせっかく来るというのにマッパでうろうろするわけにはいかないだろうと着替えを手に風呂場に向かった。
年数が経っているわりにハウスクリーニングしてもらったら全然綺麗でどこもかしこもアンティークがかったこの家はかなり千聖は気に入っている。
ふらふらしながらもシャワーを浴びればちょっとすっきりして息を吐き、タオルを頭にかけながら風呂場を出ると丁度彰吾が戻ってきた。玄関を開けっ放しにしていたので彰吾がそのまま入ってくると千聖の姿に目を見開いた。
「何してるんですか!?」
千聖の姿を見つけて慌てて彰吾が走ってきた。
「え…?汗かいて気持ち悪かったから…」
ふらっとよろけて彰吾の身体に手をかけた。
「ああ、ごめん…」
わざとじゃなくて、本当にふらついたんだけど、なんとなく疚しい気持ちのある千聖はつい謝ってしまう。
「大人しくしててと言ったのに」
仕方ないな、と呟いてまた彰吾が千聖を抱き上げたのに千聖の心臓が大きく跳ね上がった。
コイツは一体何を考えて千聖にこんな事をするんだ?
どこにも千聖に対して欲望なんか見えない。それなのに…。
そっとドキドキしている心臓を隠すように手で胸を押さえるとふわりと彰吾からシャンプーの香りがした。手を伸ばし彰吾の首にかけ、顔を近づけるとくんと首のあたりの匂いを嗅いだ。
「な、何してるんですか!」
「いや?いい匂いするなと思って…風呂入ってきたんだ?」
「そりゃ…汗クサイし一日外で仕事ですから汚れてますからね…。いい匂いなのはあなたの方ですよ」
反対に彰吾が顔を寄せてくんと千聖の匂いを確かめられたのに千聖はかっとする。
なんでコイツはそういう気もないくせにこんな事するんだ!?
何か言ってやろうと思ったのに千聖は動揺して何も言えずそのままベッドまで運ばれた。
「大人しく寝ててください。今、雑炊持ってきますから。身体がまだ熱いですから熱下がってないでしょう?…それなのにふらふらとしながら風呂なんて。倒れたらどうするんですか」
「あ、……ああ……その…悪い…」
なんで彰吾に怒られなきゃないのか…。見ず知らずと言っていいのに…。それでもそんな風に言ってもらえるのは心配しているという事で千聖は思わずベッドの中でくすくすと笑ってしまう。
「…ありがとう」
「……何がです?」
「だって…何も知らない俺なんかの事心配してくれてんだ?」
「何も知りませんけど。………大事なクライアント様ですからね」
複雑そうな顔をした彰吾にまた笑ってしまう。クライアント様をいちいちこんな風に気にする事はないはず。
少しは彰吾の中で千聖の位置はただのクライアントよりは上だろう。
「…彰吾は?飯は?」
「家からカップめん持ってきたので」
「や、それはダメだろう…。彰吾は一日外で働いているのに…。冷凍庫におばちゃんが作ってくれたものとかで俺が食いきれなかったおかず入ってるからチンして食べて。ご飯もあるはずだ……。やっぱり俺も…」
起き上がろうとしたら彰吾に止められた。
「いいですから!あなたは寝ててください。…じゃあ…適当にいただきます。…いいんですか?」
「ああ。どうせ俺は冷凍庫入ってても食べないと思うし。全部食べてくれていい」
「…………」
はぁ、と彰吾が小さく吐息を漏らした。
「では遠慮なくいただきます。いいですか、あなたはふらふらしているんですからうろうろしないでちゃんと寝てて下さい。今温めて持ってきますから」
「…………はい」
小さくなって千聖が頷けばくすりと彰吾が笑って部屋を出て行った。
……なんだ?これは?
かぁっとますます熱が上がってきそうだ!今まで一緒に暮らした恋人なんていた事もなかったが、これじゃまるで…同棲してる恋人同士みたいな会話じゃないか?
今までになった事のない状況に千聖はずっと動揺しっぱなしだ。
顔が熱いのはきっと熱の所為だ!
今まで恋愛と言ったって駆け引きのようなものばかりだった。遊びで、がほとんだ。女を好きになれない自分が本気でなんて有り得ない事なのだから。
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続きに拍手コメお返事です~^^
mm3様
熱あっても仕掛けるのを忘れません(笑)
お姫様抱っこ連発でした~wwww
気付かないと潤い不足ですかー!
それは大変(><)…(笑)
いつもありがとうございます~^^
tsr様
お姫様抱っこいっぱいでした(笑)
寝る時裸でカモーンしてればいいんでしたかね?^^;
そしてお泊りでしたよ~♪
やはり全裸待機wwww
ああ~!熱あるのに!って怒られながら…
いいですね~~!その方よかったな^^;
お仕事頑張って下さいね~^^/
SR様
急接近でした(^m^)
ページ数少ないのでさくさくっと(笑)
具合悪い時優しくされるとやばいですよね^^
千聖エロに結びつけすぎぃ?
だって溜まってるんだもん(爆)
お姫様抱っこそして再びですwwww
ペットボトル飲んでるだけでもエロ…(大笑)
どんだけ駄々漏れなんでしょうね!でも嬉しいです^^
ありがとうございます~^^
akm様
朝からグッっとwwww
ありがとうございます~(^m^)
コメも消えると凹みますよね(><)
短くなるのわかります^^;
ありがとうございます~^^
USGちゃん様
ゆずも千聖も可愛いありがとうございます~^^
ハピエンです!勿論^^b
私もドギマギ怖いのは苦手なので^^;
ついいつも問題がさらーっと過ぎてしまいます(--;)
家事頑張ってください~(><)
私は放棄してます^^;
ありがとうございます~^^
msm様
いえいえ!全然!
読んでいただけるだけで嬉しいです~////
そうなんですね~(笑)
もう半分以上…いやもっとかな~(笑)
ありがとうございます~^^
テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学