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雪に酔って 4

 「…ウチに来る…か…?」
 「千聖?」
 「俺はいい……いいんだけど…俺も……彰吾に…言ってなかった…事がある」
 いちかばちかだ…。もうここでダメならば彰吾の事は諦めるんだ。
 どきどきと嫌な動悸がする。

 「俺は…男としか…できない」
 「………え?」
 彰吾の目が大きく瞠目した。
 「だからといって!誰とでもと言うんでもない…」
 嘘ばっかり!誰とでもよかったんだ。…前は。
 「彰吾とも考えた事もない」
 これも嘘だ。いつでも思ってるくせに!

 「…ただ…ここは田舎で…」
 「………ああ、そんな相手もいない?」
 彰吾がうっすらと笑った。

 「ここに置いてやるけど…千聖の相手を…と?」

 違う!そうじゃない…そうじゃないけど…。
 「…彰吾の事情ばかりを聞いて…俺のを話さないのもアンフェアかと…」
 はっ!と彰吾が声を出して笑った。
 「家で妹の相手をするか家を出てここで千聖の相手をするか?」
 「違うっ」
 彰吾の言葉に千聖は顔を泣き出しそうな位に歪ませた。

 「……ここは田舎で…俺が家を出たらすぐにどうした?と詮索してくる。何かあれば事情は皆知れ渡る。俺の境遇もこの辺では知らない人はいないんです…。それが家を出たとなったら…」
 「……彰吾」
 「何で千聖が泣きそうな顔してるんです?」
 彰吾の手が千聖の顔を撫でた。
 ……彰吾が好きだ。

 「エリカは抱けない。どうしたって」
 彰吾が千聖をじっと見つめながら呟いた。
 じゃあ千聖は…?
 「…彰吾…彼女とか」
 「いませんよ。ずっと溜まってます。…あなたも?」
 それは本当の事だが、思わずふいと彰吾の視線から顔を背けた。

 「…ここだったら…住み込みで…庭の手入れ…とか…家が近いのにそれもおかしい話ですが…俺がここの庭に惚れ込んでるのは知られてるから…そんな都合のいい事考えてここまで来ました」
 「………ここの庭…彰吾が大事に思ってくれているのは分かっている」
 「……いいですよ。千聖の相手しますからここに置いて下さい」
 「………彰吾…?」
 「契約して下さい。家には…もう無理です…」

 「でも……俺は…いい、けど…彰吾は…ノーマル…だろう」
 「男相手になんて考えた事もない。でもエリカとはもっと考えられない」
 彰吾が顔に嫌悪感を浮べたが、それを消し、そして千聖に視線を向けた。
 「……今すぐですか?」
 千聖を見た彰吾の瞳の奥に欲が浮かんだのが見えた。
 …本当に?

 「シャワー…まだ…だ…。…彰吾…」
 彰吾の手を引き二階の自分の寝室に連れて行くと彰吾に買ったばかりのガウンを一つ手渡した。
 「寒いかも…しれないけど…嫌なら隣の…ソファで…それかぶって…隣のソファは大きいから…」
 もし本当にいいのなら…そのまま寝室にいて…。
 千聖は彰吾に猶予を与えるように自分の分のガウンを手に取って階下へ降りた。

 どうして…こうなった…?
 違うのに!
 ここに住まわせる代わりになんて思ってもないのに!
 泣きたい気分のまま千聖はシャワーに向かった。
 身体だけが欲しいんじゃないのに!
 シャワーを捻りながら千聖の目から涙も零れた。

 まるで彰吾に付け入るような形になってしまった。そんな事望んでいないのに!いや、身体だけでも、とも思ったじゃないか!でもそうじゃない!…そうじゃ…。
 「………彰吾…」
 今二階に彰吾がいる。もしかしたら寝室にそのままいるかもしれない、そしていないかもしれない。
 男となんか考えた事もないと言ってたじゃないか。
 違う!と思いながらも心が期待している。彰吾が寝室にいるかもしれない、と。
 ゆっくりと時間をかけて千聖はシャワーを浴び、そして頭にタオルを巻いたままガウンを着込み、ゆっくりと二階に向かった。

 中央の広い階段がものすごく遠く感じる。
 いる?いない?
 いて欲しい気持ちと、いないで欲しい気持ちが混ざる。
 彰吾も千聖を欲しいと思ってくれているのならばいい。そうじゃないののに…。でもそれでもいい、ともまた思ってしまうんだ。
 二階の奥の部屋の寝室のドアを開けた。
 そこにはベッドの端に腰かけて彰吾の姿があった。

 「…またちゃんと髪拭いてない」
 彰吾が立ち上がると千聖の頭をごしごしと拭ってくる。…どうして彰吾はこんな事するんだ…?
 「彰吾…」
 いいのか…?
 彰吾の首にそっと腕を回した。
 「…どうしてそんなに泣きそうな顔してるんです?」
 千聖は小さく首を横に振った。 
 「…千聖…」
 千聖の頭を拭いていたタオルを落とし、彰吾が千聖の頬を手で包んだ。

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続きに拍手コメお返事です~^^
 
S様
 行ってきました~^^
 ちょいと筋肉痛に風邪っぴきで
 帰ってきました(笑)
 元気は元気なんですけどね^^;
 ありがとうございます~^^

mm3様
 ウチの子初恋みのります(笑)
 皆遅いからwwww
 mm3は夜更かしさんなのかしら?^^;
 昨日は今から寝るに驚いちゃいましたけど~!
 彰吾もかなり千聖にヤられてますね~(^m^)
 そして急転ですけど~^^
 応援ありがとうございます~^^
 

tsr様
 昨日はありがとうございました~^^
 花粉症は大丈夫でしたか?(><)
 暑い位でしたもんね…(寒いとこから行った私だけ? 笑)
 長くなってもいいですよ~^^/
 あ、あっちだとコメ欄開いてたのであちらでもいいですよ?^^
 今日はお休みなんですね~^^
 家事放棄してゆっくりまったりしてくださいね(^m^)
 眺めて嘗め回していただければ嬉しいです(笑)
 私は風邪ひきで(笑)頭はちょっとぼーっとしてますが
 元気です~^^b暑くてびっくりしたのかも(笑)
 ありがとうございます~^^

匿名ちゃん様
 残念ながら転びませんでした(笑)
 おやじなずぶぬれ作戦って~wwww笑ってしまいました(^m^)
 そして一気に~^^b…でした(笑)
 ありがとうございます~^^
 

akm様
 行ってきました~^^ありがとうございます~^^
 強~いイケイケな感じがどこかいっちゃってました(笑)
 そして私は今朝はお寝坊さんになってしまいました^^;
 急展開です!ww
 ありがとうございます~^^

SR様
 大丈夫ですか~?(><)
 無理はいけませんからね~!!!
 メール送ったのですが^^;
 起きる事ないので!携帯からでもチェックしてみてください~^^
 ありがとうございます~^^
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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