2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

雪に酔って 20

 何回も互いを貪るように確かめるように抱き合い、風呂に行く頃には千聖の身体は力を入れるのも困難な位に披耗していた為、彰吾に抱き上げられ移動だ。
 「ごめん…」
 「謝るのは俺の方でしょう…スミマセン…見境なく盛ってしまって」
 苦笑しながら彰吾が謝るが、千聖は嬉しいだけでその彰吾の首にしがみついた。
 「……いい、んだ…」
 「俺もこんなの全然いいですけど。千聖は軽いし。いくらでも…」

 そう言いながら千聖の耳元にちゅっとキスしてくるのが途轍もなく恥かしい。
 「…………かわいい…顔真っ赤ですけど…?」
 「いちいち言うなッ!」
 ぷっと彰吾が笑うのがまた恥かしくて千聖は彰吾から顔を背ける。
 「どうして…?恥かしがる千聖が可愛いから言うんですけど?」
 開き直ってそんな事を言う彰吾の口を千聖は真っ赤な顔をしているだろうと自分でも分かる位の顔でこれ以上話すな!と、手で塞いだ。

 「恥かしいだろ!ぁうっ!」
 その千聖の手をぺろりと彰吾が舐めてきて思わず声が漏れた。そしてまた彰吾がくっくっと笑い出す。
 「可愛い事ばっかりするんだから…」
 その言葉にまたかっとしてしまう。なんだかもう身体全部がぐにゃぐにゃに溶けてしまいそうだ。
 

 「しかしどこもかしこもアンティークっぽくて素敵ですね」
 湯船で彰吾に背中を預け、湯に浸かりながらのとりとめのない話も今は落ち着いているように思える。ほんの何時間か前まではどこかまだ余所余所しい所があった気がするがそれが全然なくなっていた。
 「うん?ああ、家?うちのばあ様の趣味だろう。物はいいだろうからそのまま使ってるけど」
 自然に昔の話も出てくる。前は言っていいのか?聞いていいのか?とか気にしていた事だ。

 「…小さい頃…小学校3年の頃に一度庭に入れてもらったんです。外から眺めてたら…ここの家にいたとても可愛い女の子にでしたけど」
 ん……?
 「…………………それ俺だ」
 「…はい?」
 千聖は顎の仰け反らせ後ろの彰吾を見た。

 「………思い出した。今の今まで忘れてたけど。俺ここに一回しか来た事なかったからよく覚えている」
 「…………女の子でしたよ?」
 「違う。俺だ」
 「あれ…?だって…髪長めで…服は…短パンか…?」
 「髪はちょっと長かった」 
 「すごい可愛い子で…」
 ちゃんと振り返って彰吾を見れば彰吾が少し顔を赤らめていた。

 「何?もしかしてちょっと好きだったりした?」
 「ええ」
 「…は?」
 くくっと笑いながら千聖が意地悪く聞くと彰吾が即座に頷き、千聖は頷かれると思っていなくて目を見開いた。
 「……………だって…可愛かった…この辺にはいないような子で…。またいないかなって何度か来て覗いてたんですけど…」

 「………そん時二日位だけかな…いたの。来たのもそれ一回きり」
 …小さい頃に彰吾と会ってた…のか?
 二人で顔を合わせ声を出して笑った。
 「あの時中に入れてもらって庭を見せてもらって…それで俺の庭に対する世界観が変わったんです」
 「じゃあ何か?俺が彰吾を変えた?」
 「そうですね。おまけに初恋がたった一度だけ会った女の子です」
 「…………」

 …それは俺の事か?と千聖がじっと彰吾を見上げ、見つめると彰吾はまた笑い出した。
 「どうやら初めから全部…千聖に繋がっていたらしい」
 「…彰吾っ」
 千聖も覚えている。
 じっと男の子が柵の外にへばりついていたんだ。どうしたの?と聞いたら庭綺麗だねって言ったのでじゃあ見る?と中に入れたんだ。
 初めて会った子だったのに自然に手を繋いで一緒に庭を歩いて…。その子が木の名前を全部言っていくのに驚いて…。

 小さい頃からどこも彰吾は変わっていない!おかしくて千聖も笑ってしまう。
 何故泣きたい位嬉しいんだろう?
 すっかり今の今までそんな記憶どこにも思い出しもしなかったのに!
 「…俺の原点が…全部千聖だ…」
 彰吾が千聖の身体をぎゅうっと力を入れて抱きしめて来た。
 彰吾を変えたのが俺なのか?
 何もかもが必然のように思えてくる。

 「ここを…ばあ様からの相続で貰ったのも…家の者は売ろうとしたんだ。…俺だけがここに来た事あって…それなら俺が…って…しばらくは放置してたけど…色々あって向こうでの生活をやめて、そういやここがあったって思い出して…ここには綺麗な記憶しかなかったから…」
 「…よかった…千聖が来てくれて」
 「ああ、俺も…来てよかった…彰吾」

 まさか繋がっているなんて思いもしなかった。たった一度の小さな頃の事。だがそれが彰吾との絆をまた深くした。もう絶対に離れられないだろう、と思える位に。
 彰吾もそう思っている…?
 自然に互いの唇が重なった。

-----------------
続きに拍手コメお返事です^^
mm3様
 桜いきなり満開ですかね?(笑)
 あとはイチャコラあまあまです~^^;
 勝手にしちゃって…って感じですよ(笑)
 モチロン!彰吾の管理は庭だけじゃないでしょうね~♪
 リア桜も咲き始めましたか^^
 昨日今日と暖かいですものね~
 ウチの方も急に暖かくなってびっくりしました^^;
 桜ちゃんも気に入ってくださって嬉しいです////
 ありがとうございます~^^

tsr様
 いらないのは寝る時の服だけ!wwww
 いやーん(笑)久世と社長のおさらいまで
 ありがとうございます~(笑)
 久世エロいですか???^^;
 今回のCPはどうしてでしょうかね?(笑)
 千聖ちゃんが色々知ってるオトナだからかしら~?(^m^)
 翼は…途中下車できないですかww花粉以外でもティッシュの消費が…^^;
 すみません^^;
 濃厚えちなってましたか?////
 オトナですからね~過去も気になる~(笑)
 今日からまたお仕事ですか…頑張って下さいね(><)
 ありがとうございます~^^

msm様
 心は愛に体は////
 溢れて満ちちゃってました(^m^)
 ありがとうございます~^^

電子書籍

サイトはこちら

バナークリック↓ banner.jpg

Twitter

いらっしゃいませ~♪

リンク