2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

花に酔って 8

 「そちらの方は…千聖の今までしてきた事…知っているのかしら?」
 チッと千聖は舌打ちしたくなる。
 何が知っているのかしら、だ!初めから暴露する気でやってきてるくせに!
 ちら、と千聖は彰吾を見た。彰吾は過去に千聖が何をしてきたとしても変わらずにいてくれると言ってくれるけれど…。

 その彰吾の言葉を信じたい。
 結婚などというゴールがない男同士の恋愛では互いを必要とし信頼する事でしか一緒にいられないのだから。
 「何をする!」
 美紀が彰吾に近づき彰吾の首に腕を回し、しなだれかかると千聖が声を荒げた。
 「あら?千聖にされた同じ事をしてやろうかと思って。それともこの方も男が相手じゃないとダメなのかしら?」

 「彰吾は違う!」
 「あらそうなの?……じゃあやっぱり千聖に狂わされたんだ?千聖はノーマルな男が自分に狂っていくのが楽しいのよね?」
 「違う!」

 「美紀さん!行きますよ!」
 森脇が美紀の腕を引っ張ろうとするが美紀はそれを振り払い彰吾にますます顔を近づけようとする。だが彰吾はその美紀の腕を静かに外すと場所を移動してきて千聖を後ろから抱きしめてきた。
 「狂わされてますけど?何か問題でも?」
 般若のような顔で美紀が彰吾を睨んだ。

 「知ってる!?千聖は私の婚約者を寝取ったのよ!誘惑して自分に夢中にさせて!おかげで私は滅茶苦茶よ!」
 「千聖が?」
 彰吾が千聖の後ろで不思議そうな声を出した。
 「それは…」
 くすと彰吾が笑った。
 「千聖の方が魅力的だったって事ですね…俺は別に千聖が何してきたって別に構いませんけど?千聖に夢中ですから…」

 堂々と宣言する彰吾に美紀も森脇も目を見開いて彰吾を凝視していた。
 そして千聖も。平然と公言する彰吾を振り返ってじっと見た。
 まさか…だって…彰吾が…。
 「千聖?なんであなたまで不思議そうな顔してるんです?」
 「え、いや…だって…」
 彰吾が不服そうに顔を顰めた。

 「言ったでしょう?別にあなたが何をしたって変わらない、と」
 「……言った、けど…」
 なんか知らないけどものすごく恥かしい気がして千聖は顔が熱くなってきた。
 だってまさかそんな…人の前でも彰吾にこんな風に言われるなんて思ってもなかった。
 自分は自分の性癖を隠す事もしていなかったけど…。

 はっとして美紀と森脇を見れば毒気を抜かれたように千聖と彰吾を呆然と見ていたのに千聖は自分を取り戻す。
 「…心配しなくともこっちに戻ってくる気などありませんから。今日はたまたま仕事だっただけです。財産も権利も俺は全部放棄して法律的にも認められていますからね。安心なさってください。もういいでしょう!」

 「……呆れた!…呆れたっ!ばっかじゃないの!もう二度と私の前に現れないでちょうだい!」
 「………こっちだって会う気なんてないですけど。今ここに来てるのはあなたの方でしょう?」
 「…本当に!小さい頃から可愛げなくてナマイキで!苛めても苛めても泣く事もないで!」
 「…本当に?」
 彰吾が小さく後ろから確かめるように千聖に聞いてくる。

 「森脇!行くわよ!」
 美紀はずかずかと来た時と同じように勝手に去って行く。
 「千聖さん…お母様にはご報告を入れておきます」
 「入れなくていい」
 「…またこちらにいらっしゃるような事があればいつでもこちらの部屋をご用意致しますので」
 「誰が泊まるか。系列じゃないホテルに行くに決まっている。今回は俺の手落ちだ」

 「私はあなたに継いでいただきたかった…」
 「冗談じゃない!こっちが御免だ!あんなのに付き合ってなどいられない!」
 森脇が苦笑しながら彰吾を見てそして頭を下げた。
 「どうぞ千聖さんをお願い致します」
 「お前に頼まれる謂われもないだろう!」
 「…はい」
 「彰吾!何返事してるんだ?」
 「だって。千聖をお願いされたら頷くに決まってますよ」

 「……………何言ってんだ…」
 また千聖の顔がかぁっとしてくると森脇がくすっと笑ってではごゆっくり、と頭を下げ部屋を出て行った。
 静かになった部屋に千聖ははぁ、と盛大な溜息を吐き出して身体に抱きついていた彰吾の腕を離し、ソファに倒れ込むように座った。
 「…疲れる…」
 そして立ったままの彰吾を見上げると彰吾が微笑を浮かべていた。

 「…なんだ?」
 「え?いえ…なんか千聖の事何も知らないお姉さんなんですね」
 「………あのな。俺はあっちが普通だ。……彰吾の前での俺がおかしいんだ」
 「……そうですか?違うと思いますけど?こっちが本当の千聖でしょ?今までの千聖は作った千聖ですよ」
 …そうなのだろうか…?
 だから彰吾の前だと安心できるのか?だから向こうにいる時は穏やかな気持ちでいられるのだろうか…?

------------------------
続きに拍手コメお返事です^^
mm3様
 お姉様強烈でした^^;
 春になって陽気なはずなのに…本当に
 環境がよくないですね~(><)
 あな恐ろしや…(爆笑)
 そうそう王子さまとお城に帰るのですが、
 どっちかと言えば王子さまと従者のような…^^;
(こんな事言ったらアカン 笑)
 ハピエンは勿論ですね~!私も~です♪
 桜咲きましたか~^^
 ウチの方はまだですね~^^;でも暖かくなってきたので
 もうすぐかな~~~?^^
 ありがとうございます~^

tsr様
 あま~い夜…あったっけ^^;
 忘れてます(まじで…確認しないとww)
 ホテル清掃のおばちゃんはなしですか!(笑)
 確かに大変そう…(--;)
 社長!確かに!碧ちゃんもくってたんだ!^^;
 一番おいしい人だねぇ…wwww
 あはは~~!イケメン!いいなぁ~(^m^)
 堪能してきて下さい~~~♪♪♪
 お天気は私が出だす頃には晴れてましたから大丈夫でした~^^
 tsrさんも花粉にお気をつけていってらっしゃーい^^
 ありがとうございます~^^ 

S様
 ええ!母親と2号を取り合い!wwww
 そして8割がたですか~~~!(爆)
 私があんまり女好きじゃないからかなぁ?^^;
 普通のこがいませんね(笑)
 ありがとうございます~^^

N様
 あ!確かに…読み間違ってないですね~(笑)
 彰吾くんは勿論大丈夫でした~
 揺るがないです(笑)
 どっちかというと千聖ちゃんの方が
 落ち着いてないですねwwww
 ありがとうございます~^^

電子書籍

サイトはこちら

バナークリック↓ banner.jpg

Twitter

いらっしゃいませ~♪

リンク