はのんのBL部屋

　「あ～～～～…あのさ…」
　「ん？」
　シャーペンを咥えるようにしながら日和が問題に悩んでたら戸田が頭をがりがりとかきながら日和を見た。
　「違ってたらわりいんだけど」
　「うん」
　「高宮って…月村の事好きなの？」

　「……………………え？」
　かぁっと顔が熱くなって耳まで熱くなってくる。
　「な、な、な、…」
　月村って…瑛貴くんの事だよね！？
　「…その顔…やっぱ…？」
　「ち、ち、ち…」
　ちがう！とも言えなくて！
　どうしよう！どうしたらいい？戸田にキモチワルイって思われる？

　「ああ！いや！別に気にしねぇよ？そんな慌てなくてもいいって」
　「…………え……？」
　気にしない…？
　「もしかしてそうなのかなぁ？って…気になってたんだ…。そっか」
　「あ、の！…ぼ…僕が…その勝手に…好きなだけ…なんだ…」
　「年離れてるしな…なんで月村？」
　なんで…って聞かれても…。
　
　「えと…優しいし…大人だし……」
　だって小さい頃からずっと好きなんだもん。
　「優しい！？…優しいかぁ？俺も先生の中で月村は好きだけど。人気あるしな。女子からも人気だろ」
　「…だってかっこいいし…。でも戸田もカッコイイって人気でしょ？」
　「今は俺じゃなくて。……でも女子の誘いでもなんでもあいつ完璧無視って聞いたけど」
　「……そうなの…？」
　「ああ。まぁ、もっとも生徒に手出すんじゃダメだろうけどな」
　「…そうだよね。……あ、の…いいんだ…その…僕は見てるだけで…」

　「………それじゃ辛くね？」
　戸田が真面目に日和の話を聞いてくれる。茶化すこともなく、バカにする事もなく、気持ち悪がる事もなく。
　でもいたたまれない…。
　「あ、あ、…の……どうして…そんなに…？…普通…？」
　「ん？……ああ…んー…」
　戸田ががり、っとまた頭をかく。
　「まぁ…高宮ならありかな…と…そこいらの女子より可愛いし」

　嬉しいような嬉しくないような…。
　「だから俺には隠さなくていいぞ？」
　「…………あの…ありがと…で、でもっ！ホント…僕が勝手に……だから…」
　「分かったって。……大人、ねぇ…」
　戸田が考えこむようにしている。
　「…もいっこ聞いていい？」

　「な、な、なに？」
　「高宮って男のほう好きなの？」
　「ち、ち、ち、違う～…」
　…かな？なにしろ小さい頃から瑛貴くんしか目に入ってなかったからよく分からない。
　「あ？そうなの？……じゃ、さ、…一人えっちする時って誰想像するの？月村？」
　「な、な、な、な、……何、言って…」
　「だって自分で出すだろ？」

　もう顔と頭が爆発しそうな位に真っ赤になってしまう。
　「月村だと…高宮されるほうだろ…？」
　「や、や、やめようよぉ……」
　そんなの考えた事もなかった！
　せいぜい瑛貴くんに抱っこされてるとか…というか！そんなに自分でなんて…しないし！
　わたわたと慌てて顔が真っ赤でどうしたらいいか分からない日和に戸田がくすっと笑った。

　「ああ、わりわり。……高宮…首まで真っ赤」
　「だ、だ、だってっ！」
　こんな話！人とするなんて！
　「あ、ついでにもいっこいい？」
　「ななななな…何？」
　何聞かれるのか怖い！とちょっと身構える。
　「今まで月村以外で好きになった人って？いる？」

　「いない」
　そこはきっぱり答える。だってずっと小さい頃からだもん。小さい頃は好きの意味が違ったかもしれないけど、でも小さいながらもきっと結婚なんて自分から言ってたくらいでやっぱり好きなのは瑛貴くんだけだと思う。
　「ふうん…」
　「そ、そういう戸田は！？」
　「え？俺？中学校でも付き合ってたヤツとかいたよ？好きになったコも普通に小学校からいたし。あ、ちなみに俺は体験済み～！」
　「えっ！」

　…えっち…した事ある…ってこと？
　「高宮はキスもなさそう～」
　「キスはあるもん！……………子供の頃だけど…」
　ぎゃはは！と戸田に笑われて、日和は顔を真っ赤にしながらむぅっとする。
　「子供ん時はカウントなしだろ！」
　「だって！」
　相手は瑛貴くんだもん！
　そこはやっぱりカウントしたい！ファーストキスは瑛貴くん！

　…ファーストキス…って…セカンドとか…も…。
　ベッドに並んで座って顔が近かったのを思い出し、そのまま瑛貴くんとキス…なんて考えたらまたかぁ、っと顔が赤くなってくる。
　「あ～！高宮がエロい事考えてるぅ」
　「ち、ち、ち、違うもん！」
　戸田に指摘されればまた顔が燃えそうな位熱くなってしまう。

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続きに拍手コメお返事です～^^