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2014.04.12(土)
つ、疲れた…。
じゃ、また月曜にな~、と戸田が軽く言って帰った後日和は脱力してベッドに突っ伏した。
まさか、戸田に分かられるなんて思ってもみなかった。
……でも戸田は普通だった。キモチワルイ、と思われたって仕方ないだろうに、なんか普通に普通…だった。
本当に普通に月曜日にな、と帰って行ったけど…ホントにホントに…大丈夫かな…?
嫌われたりしないだろうか…?
話してるときは普通っぽかったけど…帰ってからやっぱキモチワルイとか戸田は思わないかな…?
月曜日に学校いったら噂になってるとか…ないかな…?
…どうしても中学校の時の事がトラウマになって余計な事を考えてしまう。
折角友達と思えるような存在が出来たのに…。
でも瑛貴くんを好きなのは本当だし、そこに嘘はつきたくなかった。
そして誰かに聞いてほしかったのかもしれない。
今までこんな話を誰かとするなんてこともなかったから。
でも…。
ぐるぐると頭の中が回転してしまう。
今日はもう勉強なんか手につかないかも!でも戸田と勉強して教えて貰った分もあるから大分進んだし…今日はもういいか。
一人でとか!
戸田が体験済みとか。
日和がされる方とか!
思い出すだけで顔を覆ってしまう。
恥ずかしいっ!
いったい何を聞いてくるのかと思ったら…。
「日和~、ご飯~」
「あ、は~い」
わたわたと母親の声に日和は階段を下りていった。
ご飯を食べ終えて、お風呂も入って自分の部屋へ。
どうしても戸田との会話が頭の中をぐるぐるしてしまう。
悶えたり、心配になったり…。
なんか胃が痛くなりそう…。
気にしないって言ってくれたけど…本当に?
そこがすごく心配だ。でもそれも戸田を信じてないみたいで…。
時計を見るといつの間にかもう10時になる所だ。
ここの所毎日10時に瑛貴くんが電話をくれる。
今日も…?
じっと携帯を手に待っているとやっぱり携帯が震えた。
「もしもしっ」
『ひよ…電話出るの早いな』
「だ、って…待って、た…もん」
くすと瑛貴くんが笑ったのが聞こえた。
あんまり出るの早すぎだった?
『明日は土曜でホントは休みなんだけど、テスト前だしちょっと学校行くから空いてないけど日曜は休みだから…日曜に来るか?』
「え!?…瑛貴くんの…部屋…?」
『そう。あ、勉強道具持ってだぞ?』
「え、う、うんっ!」
いいの!?嬉しい!
ベッドで横になって聞く瑛貴くんの電話からの声が近い。
「僕…いいの…本当に…?邪魔、じゃない…?」
『ひよが邪魔って事はないよ。じゃあ日曜に迎えに行くから』
「え!?う、うんっ!」
瑛貴くんの車で?
うわぁ……まるでほら…デートみたい…?
お迎え、車って…なんか大人な感じだ。
瑛貴くんは大人なんだから当たり前だろうけど。高校生の日和にしたら親の車じゃない人の車で…しかもそれが瑛貴くんで…瑛貴くんの部屋に。
『勉強は?今日の分は終わったのか?』
「あ、今日は戸田が来てて…一緒に勉強したんだ。…戸田って頭いいみたいで…あちこち教えて貰った」
『戸田が…?ああ、ヤツは成績上位者だろ多分。定期テストは今回が初めてだからまだなんとも言えんが』
やっぱり戸田って頭いいんだ!
…それなのに日和と勉強って…、日和はいいけど、戸田の為にはならない気がするけど…。
『……戸田と仲いいな』
「うん…。戸田が話しかけたりしてくれるから…。僕、初めての友達かも…」
それも今日の告白でどうなったか微妙な気がしないでもないけど…。
『……そうか』
「?」
なんか瑛貴くんが考え込んだような感じ?
「瑛貴くん?…あの…どうか…?」
『ああ、いや。なんでもない。じゃあ、日曜は来る?』
「うん!行きたいっ」
瑛貴くんが邪魔じゃないなら!
くすと瑛貴くんが笑ったのにほっとした。
『明日も夜には電話するけど、じゃあ日曜日は空けとけよ?』
「元々何も用事なんてないもん」
くすとまた笑われる。
『時間とかは明日決めようか』
「何時でもいい!」
出来れば長い時間一緒にいたい。だって毎日話すのは電話でちょっとだけ。顔見るのは学校でちょっとだけ。
ちゃんと顔見てひよって呼んで、話がしたい。
『うん。じゃ明日また電話するな。…ひよ、おやすみ』
「お、おやすみなさい…」
囁くような瑛貴くんの声にどくんと心臓が鳴った。瑛貴くんは今どんな顔して言ってるの?電話じゃ全然顔が見えない…。