はのんのBL部屋

　無事テスト最終日を終え、皆で映画を見て、その帰りに缶コーヒー片手に皆で道端でテストの事とか色々話していた。
　来たのは5人。
　結構頻繁に戸田のおかげで話すやつらだった。

　「俺のねーちゃんこの春までここの学校だったんだよね」
　「まじで！？」
　「そ！で月村に夢中でさ～！俺担任だっつったら首絞められそうなった！ねーちゃん時は担任持ってなかったらしいから。俺の所為じゃねぇっつうの！」

　「月村もてるよなぁ」
　「そりゃ～俺等に比べりゃ大人の男って感じだしな」
　こくんと日和は息を飲み込む。
　「でもほら！俺等には本間先生がいるじゃん！！！」
　「それがさ～！月村とその本間先生が付き合ってたとかって噂あったらしいんだ～！ねーちゃん情報で！」
　「うげ～～～！まじ！？」
　「いや、それがマジかどうかしらねぇみたいだけど！」

　「…似合いっていやぁ似合いだけど」
　戸田が言いながらちらと日和を気にする。
　…この間、お昼休みに手伝えって言われた時…本間先生…瑛貴くんのいた視聴覚にいた…。
　職員室で会ってるだろうに…わざわざ…？
　そんな事を聞いたら気になってしまう。

　…でも瑛貴くんは彼女いないって言ってた。…今は…とも言ったけど…。
　やだな…本当なのかな…。
　日和の知らない人、知らない瑛貴くんの過去の時間の事なら見えないからいいけど、もしそれが本当なら本間先生は学校に行けばいるんだ。

　急に現実味が増してきて嫌な気分になってくる。
　分かってはいる…。日和と違って瑛貴くんは大人なんだから…。
　でも嫌だと思ってしまうんだ。
　「え～！あとねーちゃん情報でなんか面白いネタねぇのかよ～？」

　瑛貴くんの話題は終わって別の話にうつっていくけど、日和の心はどんよりとしてしまった。
　話に合わせて相槌打ったり笑ったりしていたけど、心の中では瑛貴くんの事ばかり気になってしまう。
　日和が気にしたって仕方ないって分かってるけど…でも気になるんだもん。
　その後はじゃあ、と皆別れて解散。
　日和は戸田と一緒のバスなので一緒に並んで歩いた。

　「…ショック？」
　「…っていうか…この間ほら、お昼休みに手伝いに行った時あったでしょ？その時に、僕行った時に本間先生がちょうど出てきたんだよね…」
　「……え？じゃあ本当って事？」
　「……分かんない…」
　瑛貴くんの言う事信じたいけど…。休みの日も日和に付き合ってくれるって言ってたけど…。ドライブもいつでもいいって言ってくれるけど…。
　本当にどうか、っていうのは日和には分からないんだ…。

　「………高宮…本当に月村の事…好きなのな…」
　「え？……な、な、何…言って…」
　「いや、だってさ～…いっつも月村の事じっと見てさ…この間のその手伝い頼まれてた時も嬉しそうにいそいそ行くし」
　「だ、だ、…だって…っ」
　戸田にそんな事言われてかぁっと顔が熱くなってくる。

　「…でももし本間先生と…」
　しゅんと日和が顔を俯けると戸田が日和の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
　「決まったわけじゃないだろ」
　「そうだけど…どっちにしたって僕にはどうしようもない事だし」
　「……告白したら？」
　「しないよっ！」
　できるわけないもん！

　「じゃあただずっと想ってるだけ…？それも…不毛じゃねぇ？」
　「だって…男に好き言われたって…キモいだけでしょ？」
　「そんな事ねぇけど？…高宮ならアリかなぁ～」
　「…えっ！？」
　「いや！だってほら！高宮って…ちっさいし、可愛いし」
　「………………ありがと…なのかな…？なんか微妙な気もするけど…」

　戸田は日和の事を励ましてくれてるだけだろう…。
　戸田の気遣いは嬉しい。それこそ男なのにキモ！って思われて離れられてもおかしくないのに…。
　瑛貴くんもよく可愛いって言ってくれるけど、瑛貴くんのはきっと小さい頃からの延長なだけだろうと思う。
　「高宮は別になよっとしてるのとも違うし、純粋に好きってのが見えるし、…キモいとは思わねぇよ？」
　「…ありがとう」
　戸田は日和を馬鹿にするでもないし、真剣に言ってくれる。

　「でもさ…やっぱ…先生相手って難しくねぇ？」
　そうだろうけど…でも日和にとっては瑛貴くんはただの担任の先生というのと違うんだ。
　先生というのは日和にとったら後からの事で、最初は大好きな隣のお兄ちゃんなんだから。
　それを戸田に言うつもりはないけど…。
　でもそれだとしても難しい事は分かっている。
　どうしたって年も離れているし、そんな対象に見られるはずないに決まってる。

　小さい頃の約束なんてただきっと日和を誤魔化すためのものだったにちがいないだろうから…。
　
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続きに拍手コメお返事です^^