はのんのBL部屋

　どうしよう…夏休みの事瑛貴くんに聞いてみてもいいかな…？
　やっぱりどうしても普通の日は瑛貴くんが足りないと思う。
　だってお隣に住んでた時は毎日一緒だったのに！
　学校ある時は仕方ないけど夏休み中だったら少しは一緒にいられるの多くてもいいよね？

　毎日の定時の電話が鳴って日和はすぐに電話をとった。
　「もしもし！」
　『ひよ。今日はどうかしたのか？いくらか元気なかったようだけど？』
　瑛貴くんはすぐに日和の事に気付いてくれる。ちゃんと見てくれて分かってくれてるんだ。
　「うん…あの、ね…」

　ドキドキしながらやっぱり聞いてみよう！と日和は口を開いた。
　「もうすぐ…夏休みでしょ…？僕…瑛貴くん…ちに…泊まりに、…行っても…いい？」
　『……………俺学校あるからあんまり一緒にいられないぞ？』
　「いいのっ！？」
　だって普通だったらこうして電話で声しか聞けないのが少しでも一緒にいられれば瑛貴くんが近いはずだもん！
　それだけで全然いい！

　でも瑛貴くんはそれほど一緒にいたいとも思わない…のかな…？あんまり声が乗り気じゃない感じ…。
　「瑛貴くんは…僕…邪魔…？」
　『ひよが邪魔って事はない』
　邪魔ってとこはすぐに否定してくれるけど…。
　あんまり瑛貴くんが歓迎してるわけでもなさそうな声でやっぱり日和が我儘を言ってるのか、としゅんとしてしまう。

　『ひよ？』
　「な、なに…？」
　『時間…なかなか取れなくてごめんな？』
　「う、ううん！…そんな事…」
　日和を大事だと言ってくれただけでも特別だ。
　自分が我儘なだけ…。でも…。

　確かに戸田の言うとおり瑛貴くんは大人だし、学校の先生で日和の担任でもあるんだからそんな気軽にデートっていう訳にもいかないだろう。
　日和だって一応男だし、万が一見られてもまさかデートとは思われないはずだけど…。でもなんとなく日和はやっぱり特別な意味で好きだから…。
　日和はいいけど、瑛貴くんに迷惑になる…？
　あんまり出かけたりとかしないほういいのかも…。
　もし学校の誰かに見られたら…何か言われたりするのかな…？

　『またどこか行こうな？どこいいか考えておけ』
　「あ、…の…いいよ？出かけなくても」
　それに出かけると支払いも瑛貴くんばっかりだし…。
　なんかやっぱり迷惑な気が…。
　気にしだすと自分から行っていい？なんて聞いておいて今度は臆病になってくる。
　瑛貴くんの負担に思われたくはない。

　日和は本当にただ一緒にいられればそれでいいのに…。小さい頃は何でもなかった毎日の事がこんなに難しいなんて。
　高校生同士とかだったら堂々と制服でデートだって変じゃないのに、大人で先生の瑛貴くんとはそんな事も出来やしないんだ。
　ううん、そんなのできなくたっていい。…一緒にいられるなら。
　余計な事は考えない！

　『ひよ、余計な事考えてるんじゃないか？お前が出かけるのが嫌だ、と言うならだけど…嫌じゃないだろ？』
　「嫌だなんて！…ないよ」
　『ならいい』
　瑛貴くんがくすっと笑ったのが分かる。
　それだけで安心してくるんだ。
　『ひよ？』
　「…なぁに？」
　瑛貴くんに優しくひよって呼ばれるのが好き。

　『ゆっくりでいいんだ。途中で期間は空いたけどひよの事は小さい頃からずっと見て分かっている。これから先はもうずっとひよの近くにいるから』
　「………う、ん…」
　苦しい。心が。…嬉しくて苦しくなるなんて…。
　毎日瑛貴くんは日和が安心するようにと思ってか言葉をくれる。隣のウチの子供だけだったはずなのに、こんなに日和の事を考えてるんだといわんばかりに言葉をもらえれば安心してくる。

　もういなくならないと、守ってくれると、言ってくれる、…日和が欲しい言葉を言ってくれる瑛貴くんが好き。
　本当はもっともっと抱きつきたいし一緒にいたいと思っているけれど、それは欲張りすぎだ。
　こうして今気持ちをもらえるなら…会えなかった期間を考えたらいくらでも我慢出来る。
　『じゃ、寝なさい』
　「うん…おやすみなさい」

　それでも一緒にいられたら日和が寝るまで瑛貴くんはついていてくれるのだろうか？
　ううん…泊まったら朝だって一緒にいられるんだ。
　瑛貴くんの腕の中にいられたらもっと安心できるのに…。
　でも一度知っちゃったら離れられなくなっちゃうかも…。
　電話を切ったあとも幸せな気持ちが溢れている。苦しいのも幸せなのも与えてくれるのは全部瑛貴くんなんだ。

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続きに拍手コメお返事です^^