2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

約束。 44

 「高宮…大丈夫か…?」
 倒れた日和を戸田が青い顔で覗き込んできた。
 「これで傷押さえて」
 「ありがとうございます…」
 本屋さんの女の人がタオルを持ってきてくれて血が出ていた額を押さえる。
 棚の角にぶつけてしまったらしい。

 「すみません…」
 ズキズキと痛む傷を押さえながら日和は店の人に謝った。
 それからすぐに警察の人が来て学校と家に連絡されて事情を聞かれる。
 「救急車呼ぶ?」
 傷の具合を見られながら警察の人に聞かれるけど日和は首を横に振った。

 大村は顔を俯けてすっかり大人しくなっていてそこにほっとしてしまう。
 そしてすぐに瑛貴くんもやってきた。
 「ひ…高宮…傷は!?」
 ひよ、と言いそうになった瑛貴くんに思わず安心して日和は笑みが出た。

 「大丈夫…」
 瑛貴くんが日和の傷を見て顔を顰めている。
 「二人の担任の月村です」
 簡単に瑛貴くんも警察に聞かれていたけど、目撃してる人もいっぱいいてどうしたって非は大村にある事は分かっており、簡単に解放される。
 「病院に連れて行きますので」
 警察も頷き日和と戸田は行っていいと言われ、瑛貴くんが日和を守るように肩を掴んでくれる。

 「本当に大丈夫か?」
 「……うん」
 ちら、とまだ警察に抑えられている大村の方を見ると大村が日和の事を青い顔で見ていて日和はすぐに合った視線を逸らせた。
 「……中学校のヤツか?」
 「…ん」
 瑛貴くんが小さく聞いてきてそれにこくりと頷く。
 
 「月村…悪い…高宮に怪我…」
 「戸田は悪くない!…助けてくれようとしてくれたし…」
 「戸田、大丈夫だ。病院には俺がついてくから…帰っていいぞ。あと高宮から連絡いれさせるから」
 「うん…高宮…大丈夫か?…って月村いりゃ平気だと思うけど」
 「…………うん」
 こっそりと小声で戸田が聞いてきたけどその言葉に日和はくすりと笑って頷けば戸田も安心したような表情だ。

 「じゃ、あとで電話ちょうだい?」
 「うん。戸田…ありがと」
 「…怪我させちゃったら全然守ったことなってねぇけど」
 「ううん!…戸田いてくれてよかった…」
 本当に…。戸田がいなかったらどうなっていただろう?
 瑛貴くんに促されて車に乗せられ、戸田が見送ってくれのに小さく手を振ると瑛貴くんの車が動き出した。

 「ひよ!」
 車を出して二人になった途端に瑛貴くんが声をあげる。
 「本当に大丈夫か!?」
 「うん…あ、お母さんに電話するね」
 「そうしろ。病院には俺がついてくし後送って行くからって言っとけ」
 「…うん」

 電話するとすぐにお母さんが出て心配そうにしてたけどちょっと怪我したけど大丈夫で、ただ病院には行くけど瑛貴くんがついてきてくれるし送ってくれるって、と言えば安心された。
 「瑛貴くんがいてくれれば安心だって」
 電話を切ってそう伝えれば瑛貴くんは複雑そうだ。
 「うーん…」
 「?」
 「ひよのお母さんにはちょっと申し訳ないし後ろめたい気が…」

 「どうして?」
 「そりゃあ俺はお前が大事すぎるから」
 「い、い、いい…もん…」
 そんな事…。
 かぁっとしてくる。
 ドキドキも。
 さっきまでの緊張のドキドキと全然違う嬉しいどきどきだ。

 「ひよ、傷見せてみろ。血は…」
 信号で車が停まって瑛貴くんが手を伸ばしてきてタオルで押さえていた日和の額を見る。
 「血は止まったか…本当に…驚いたぞ」
 「…うん…ごめんなさい…」
 「…傷…残るかな……。…ひよ、アイツは…もしかして…」
 「うん…中学校の…時の…一番僕に絡まってきた…」
 瑛貴くんが安心させるためにだろう、日和の頭を撫でてくれる。

 「別に…今まで怪我とかなかったんだけど…。これも…戸田が殴られそうになって…僕が前に出ちゃったから…」
 「でも怪我は怪我だ…俺のひよに怪我させるなんて…」
 俺の…って…。
 そんな事言われてどう反応していいか分からずにもじもじしてしまっているうちに病院に着いてしまう。

 総合病院に連れて行かれて二針ほど縫われ病院も無事終了。
 その間に瑛貴くんは学校に連絡したりしてた。
 何かの時にとお財布に保険証は持っていたので支払いも、瑛貴くんが代わりに払ってくれてそのまままた瑛貴くんに送られて自宅に帰る。

 お母さんは仕事を早退してきたのかすでに家に帰ってきてて瑛貴くんが詳しい事を説明してくれる。
 「瑛貴くんが日和の担任の先生で本当によかった…」
 「うん」
 お母さんがほっとしたように言って、日和は頷くけど瑛貴くんは苦笑。

 それもただの関係じゃないって瑛貴くんが思ってくれているって事だから日和は嬉しくなってしまう。
 怪我までしたのに案外動じてないかも、と日和はガーゼを貼られた傷を触った。
 きっとあの場に戸田がいてくれて、庇ってくれたのと、今こうして瑛貴くんが傍にいてくれるからだ。
 それがなかったらきっと部屋で一人で怯えて泣いていたかもしれない。
 今は全然大丈夫。一人じゃないんだって思えた。

------------------------
続きに拍手コメお返事です^^
pkl様
 お元気じゃないです~^^;
 体調がずっと不良で何も出来ない状態が続いてます^^;
 楽しみと言っていただけて嬉しいです(T-T)
 無意識の煽りに我慢は無駄ですよね…ww
 息子ちゃん…むほほほほ(^m^)
 可愛いねぇ~あははは~
 是非進展がありましたら報告お願いします(^m^)
 ありがとうございます~^^

tsr様
 お泊り~に耐える…(笑)無理でしょwwww
 ブルーレイ!本当にファンなのですねぇ~^^;
 色々私は知ってる事とか…小学校の頃よく見てたとか
 あるんですけど~…ここには書けない^^;
 戸田くんはヒーローじゃないので姫に守られちゃったのでした^^;
 戸田はきっと猛省中ですよww
 今日もお仕事ですよね?(><)
 がんばってくださいね~!ありがとうございます~^^ 
S様
 ギャランドゥとかマグナムって~~~(爆)
 そしたらきっとおにいちゃん撃沈するよね。
 泣くよね…間違いなく(爆笑)
 おまけにトカレフとかwwww やだ~もう~(笑)
 はい、マッハであらわれました(笑)
 ありがとうございます~^^

mm3様
 そうそうそれです~
 そしておにいちゃん敵いっぱいです(笑)
 でもひよが自分にメロメロなの分かってるので
 安心ちう。…なんかそれも面白くないですね^^;
 週末お天気よくないのですか↓
 やっぱり晴れのほうが気分は↑になりますよね(><)
 今日も頑張ってくださいね~!ありがとうございます~^^

mu様
 中学時代のあのかたでした^^;
 ひよ総受け(大笑)
 ですね!ですね~!
 もちろん好きな子いじめちゃうタイプです^^;
 ありがとうございます~^^ 

電子書籍

サイトはこちら

バナークリック↓ banner.jpg

Twitter

いらっしゃいませ~♪

リンク